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トヨタ、誕生30周年記念で「ランドクルーザー70」を2015年6月30日まで限定販売

国内初登場の「ピックアップ」もラインアップ。ABSやエアバッグも標準装備

ランドクルーザー70 バン(ベージュ)
2014年8月25日発売

350万円~360万円

 トヨタ自動車は8月25日、本格派ヘビーデューティ4WD車「ランドクルーザー70」を2015年6月30日までの期間限定で販売すると発表した。価格は350万円~360万円。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
バンV型6気筒DOHC 4.0リッター5速MT4WD3,600,000円
ピックアップ3,500,000円
ランドクルーザー70 バン
ランドクルーザー70 ピックアップ

 ランドクルーザー70は、ランドクルーザー40の後継モデルとして1984年にデビュー。トヨタがステーションワゴンに分類する「ランドクルーザー80」「ランドクルーザー100」「ランドクルーザー200」、ライトデューティ4WD車に分類する「ランドクルーザープラド」などと並び、ランドクルーザーシリーズのヘビーデューティ4WD車としてラインアップされていたが、日本国内では4WD車でも舗装路での走行性能が重視されるようになり、加えてディーゼルエンジンの排出ガスに対する規制が強化されたことなどを受け、2004年に日本市場における販売を終了した。

 しかし、使用環境が過酷な海外市場では卓越した信頼性と走破性が高く評価され続けており、2007年にはフロントマスクなどの意匠変更を実施。2013年の1年間に全世界で7万6000台以上を販売している。また、日本でも販売終了から10年が経過し、個人ユースのオフロード走行ファンのほか、道路や山林などの管理事業者、各自治体などといった既存ユーザーから復活を望む声が数多く寄せられたことを受け、デビュー30周年となるこのタイミングで期間限定販売されることになった。また、5人乗りのダブルキャブ仕様となるピックアップトラックボディーは、これまで海外市場ではラインアップに設定されていたものの、日本国内で販売されるのは今回が初めてとなる。

ヘッドライトは販売終了前の丸形から、2007年の意匠変更を受けたスクエアタイプに変更。フロントグリルや前後バンパーなども現代的なデザインとなっている
ダブルキャブのピックアップトラックは全長5270mm、ホイールベースは3180mmというロングサイズ

 パワートレーンはV型6気筒DOHC 4.0リッターの1GR-FEエンジンと副変速機付き5速MTの1種類。最高出力170kW(231PS)/5200rpm、最大トルク360Nm(36.7kgm)/3800rpmを発生。JC08モード燃費は6.6km/Lとなっている。ボディーサイズは、バンが4810×1870×1920mm(全長×全幅×全高)でホイールベースが2730mm。ピックアップが5270×1770×1950mm(全長×全幅×全高)でホイールベースが3180mm。車両重量はバンが2120kg、ピックアップが2220kgとなる。ボディーカラーは7色が設定され、内装色はグレーのみ。バンに装着されるオーバーフェンダーは、ホワイトはボディー同色、それ以外はシルバー色となっている。

「ホワイト」
「シルバーメタリック」
「グレーメタリック」
「ダークレッドマイカメタリック」
「ブルー」
「ベージュ」
「ベージュマイカメタリック」
タイヤは、バン(左)が265/70 R16サイズでAT20&16×7JJのアルミホイールとの組み合わせ、ピックアップ(右)が7.50 R16LTサイズでTG21&16×5.50Fスチールホイールとの組み合わせとなる
全車に「デュアルモードオートマチックロッキングハブ」を標準装備。バン(左)とピックアップ(右)で見た目が異なるが、バンにはアルミホイールとデザインを合わせるため、カバーが装着されていることによる違い
「デュアルモードオートマチックロッキングハブ」の断面図
V型6気筒DOHC 4.0リッターの1GR-FEエンジンを搭載
5速MTは副変速機付き
トランスファーノブの切り替えで、後輪駆動の2WD、4WDのハイレンジとローレンジを使い分けるパートタイム式4WDを採用する

 車体構造の基本となるラダーフレームと前後リジッド式のサスペンションは、ランドクルーザー70の魅力である堅牢さと走破性を支える重要なポイントとして踏襲。トルクとアクセルレスポンスを重視したエンジン設定、副変速機を備える5速MT、バンで200mm、ピックアップで225mmという高い最低地上高、余裕を持たせた対地障害角などを組み合わせることにより、道なき道を駆け抜ける力強い走りを実現する。

 また、砂地などで片輪がスタックして空転したときなどに、スイッチの切り替えでデフギヤをロックして脱出性を高める「電動デフロック」、スタック時の脱出や他車の救援、障害物の撤去などに利用できる「電動ウインチ」を全車にオプション設定している。

ランドクルーザー70の走行イメージ
ラフロードの走行まで視野に入れてしっかりと補強された高剛性ラダーフレーム
フロントはコイルスプリング、リアはリーフスプリングを採用する足まわり
バンの対地障害角
ピックアップの対地障害角
スイッチを切り替えてリアデフ、フロントデフ+リアデフをロックする「電動デフロック」
「電動デフロック」の作動イメージ
走破性を大幅に高め、使い方次第でさまざまな用途に活躍する「電動ウインチ」をオプション設定
「電動ウインチ」を装着した場合、ナンバープレートが助手席側にオフセットされる
カバーを取り外し、コントローラーを接続することで「電動ウインチ」が使用可能になる

 装備面では海外市場での安全基準の変更に対応して、新たにABSを標準装備したほか、ヘッドライトにはマニュアル式の光軸調整機能を採用。運転席&助手席SRSエアバッグも全車標準装備となっている。

2004年の販売終了時は装備していなかったABSを採用
運転席&助手席SRSエアバッグも全車標準装備

 内装では直線基調のデザインを受け継ぎつつ、インパネ形状を全体的にブラッシュアップ。ステアリングは4本スポークタイプとなり、エアコンの吹き出し口にはほかのトヨタ車でも採用しているリッド付きの丸形タイプを採用している。フロントシートは悪路走行時に身体をホールドしてくれるバケットタイプを使用し、リアシートはフロント側にタンブルして折りたためる一体型ベンチシートとなっている。

バンのインパネ。基本的にピックアップと同形状となる
悪路走行時の視認性まで考慮したアナログメーター。電圧計も備えている
ボンネット左側前方に補助ミラーを設置
左がバンのフロントシート、右がピックアップのフロントシート。シートバックの厚さやヘッドレストのサイズなどがわずかに異なっている
バンのリアシート
ピックアップのリアシート
助手席側に設定された小物入れスペース
シフトレバー左側に用意されたフロントコンソールボックス
バンのバックドアは観音開き式で左右にオープン
バンの最大積載量は、リアシートを使う5人乗り状態で350kg、フルラゲッジモードの2人乗り状態で500kgとなる
ピックアップの最大積載量は600kg。スペアタイヤはデッキのキャビン側に固定する
リアゲートは金属製のチェーンで支えられ、水平の状態まで開く
車体のフロントドア前方に専用エンブレムを装着し、専用の本革キーボックス、本革車検証入れも付属する

 このほか、限定車ながらモデリスタなどから販売店オプションとしてカスタマイズパーツが積極的にリリースされ、内外装の雰囲気や使い勝手などを変更できる。

メッシュタイプのモデリスタ製フロントグリルには「TOYOTA」の文字が入る。ドアバイザーも販売店オプション
背面スペアタイヤに被せられたソフトカバーは「30th ANNIVERSARY」とプリントされた記念アイテム
盗難防止システムの「オートアラーム」
車名ロゴも装着される「フロアマット」(ラグジュアリー)
ヘッドレストに取り付け可能な「ヘッドレスト係留リードコード」
インパネの中央には「T-Connectナビ」も装着可能。写真は「NSZN-W64T」
GPS対応のドライブレコーダー「DRT-H64」は運転席と助手席の間に設置
「ランドクルーザー70」の走行イメージムービー

(編集部:佐久間 秀)