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ボルボ、プラグインハイブリッドもラインアップするフラグシップSUV「XC90」発表会
PHEV車「T8 Twin Engine AWD Inscription」、ガソリンエンジン車3モデルの計4グレード展開
(2016/1/28 18:20)
- 2016年1月27日開催
ボルボの好調な販売にXC90が寄与
最初に登壇したのは、ボルボ カーグループ シニアバイスプレジデント アジア・パシフィック リージョンのラース・ダニエルソン氏。今回日本に導入した新型XC90が新世代プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を初採用したクルマであることや、世界で数々の賞を獲得したことを紹介。
また、ボルボ全体で2015年の販売が好調だったことについて触れるとともに、50万3000台という販売実績や、アメリカ市場において2015年12月だけ見ると前年同月比90%アップと大きな伸びを記録したことを強調。その伸びに新型XC90が寄与したと述べた。
ボルボの4つの特徴
続いて、ボルボ・カー・ジャパンの代表取締役社長 木村隆之氏が、XC90のコンセプトについて説明を行ない、特に安全面を強調した。XC90には世界初の安全装備「インターセクションサポート」と「ランオフロード・プロテクション」の2つが標準装備されていることや、国内のボルボ唯一となる3列シートとなることを説明し、「ボルボが3列目を作るからには妥協がない」と、どのシートに座っても安全性や快適性が備わってるとした。
また、ボルボのクルマづくりには4つの特徴があるとし、「妥協のない安全性」「高い環境性能」「つながるクルマ」「人が感じる心地よさ(北欧デザイン)」を挙げた。
「妥協のない安全性」は前述の2つの安全装備のほか、多数の安全装備があることを示す。「高い環境性能」は従来型に比べてサイズアップしながら120kgの軽量化を果たしたことや、プラグインハイブリッド車の設定があること。低いCO2排出量を実現し、7人乗り大型SUVでは最もクリーンなモデルだと強調するとともに、プラグインハイブリッドではガソリンエンジンを使わずに通勤ができるとした。
「つながるクルマ」は、AppleのCarPlayに対応することでiPhoneとつながり、音声操作によるメールの送受信やSiriの利用が可能としたほか、センターのスクリーンをタッチして操作するインターフェイスを示して「XC90のインストパネルにはボタンが8つしかない」と話し、操作性の新しさを強調した。
そして「人が感じる心地よさ(北欧デザイン)」では、プラグインハイブリッドのT8のシフトレバーを例に挙げ、orrefors製クリスタルを使ったシフトノブを採用したことを紹介した。
2020年までにボルボ車に乗る人の死亡者や重傷者をゼロに
安全面については、ボルボカーズ セーフティセンターのシニア・テクニカル・スペシャリストであるロッタ・ヤコブソン氏が説明を行なった。
ヤコブソン氏は、ボルボが掲げている「2020年までに新しいボルボ車に搭乗中の交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする」という目標に触れ、1970年に発足してボルボの事故調査隊の活動を紹介した。
事故調査隊は、事故があれば現場に駆け付けてデータを収集しており、最近では運転中の走行データを集め、危機に直面した際にどのような行動をとるのかなどを調べている。長年にわたって蓄積したデータやノウハウは他社に真似できないものとした。
また、安全面で最も重要な点は「シートベルトの装着」と訴え、1959年から3点シートベルトを装備しているボルボは、XC90のベルトのバックル部分に「1959」の文字を彫り込んだことを紹介したほか、後部からの衝突や側面衝突への取り組みについても触れ、XC90では3列目シートまで安全性を追求していることや、側面衝突から乗員保護として1991年から対策をとっていることが紹介された。
世界初の2つの安全装備として搭載するうちの1つ「インターセクションサポート」については、側面衝突対策の1つとして紹介。今まで衝突軽減ブレーキ等に使っていたカメラ画像を用いて、右折時に直進車がいた場合に自動ブレーキが作動するなどの被害軽減措置を行なうというもの。
そしてもう1つの安全装備が「ランオフロード・プロテクション(道路逸脱事故時保護システム)」。これは道路外への逸脱を検知すると、シートベルトテンショナーがシートベルトを巻き上げ、シートとシートフレームの間にあるメタル製クッションが乗員にかかる衝撃を吸収するというもので、乗員の身体へのダメージ、特に脊椎損傷による重症化を防ぐという。
なお、最後にヤコブソン氏は自動運転については「将来、会見を行えればいい」と述べるにとどめた。
XC90は4グレードを展開。全車2.0リッター以下
XC90の商品説明を行なったのは、ボルボ・カー・ジャパン マーケティング部プロダクト・マネージャーの青山健氏。青山氏は4気筒以下、2.0リッター以下のエンジンしか作らないというDrive-E パワートレーンについて説明。Drive-E パワートレーンを採用するXC90は全車エコカー減税対象であることや、プラグインハイブリッドの「T8 Twin Engine AWD Inscription」グレードを用意したことを紹介した。
T8 Twin Engineのツインとは、ガソリンと電気モーターの2つのパワーユニットが備わることを示し、フロントタイヤはガソリンエンジンで、リアタイヤは電気モーターで駆動するシステム。プロペラシャフトが入っているべき車体中央にはリチウムイオンバッテリーを搭載する。
この場所にバッテリーがあることで一番大きなメリットは、「ラゲッジルームが犠牲になっていないこと」で、プラグインハイブリッド車ながら7名乗車を実現した点を強調した。また、バッテリーが中央にあることで、万が一の事故の際でもバッテリーへの影響が少ないというメリットがあると説明した。
なお、XC90の発表・発売は1月27日だが、顧客向けのデビューフェアは3月5日~13日。全国の拠点にデモカーを用意するという。