日下部保雄の悠悠閑閑
疎開してきたネコたちの葛藤とヤリス
2020年7月20日 00:00
ネコが疎開してきた。次男夫婦に第二子が誕生し、次男と長女がしばらくウチに同居することになった。久しぶりの次男との生活だ。で、我が家は孫娘とネコを加えて、別の意味でニューノーマルに突入した。疎開してきたネコは以前紹介したことのあるウメとモモの姉妹だ。おかげで我が家のネコ密度は一気に上昇した。
甘えん坊で気の強いムクは大騒ぎである。自分より大きなウメ、モモに向かってフーフー! シャーシャー! 背中を丸めて怒っていたが、翌日にはそのトーンが落ちた。次第にお互いの距離も近づいている。まだムクの耳には警戒警報が鳴り響いているようだが、友好条約を結べるのが遠い話でないことを祈る。それに今まで甘え放題だったムクが夜一人でしょんぼりとしているのは、どうも見るに忍びない。
一方、ウメとモモは毛色も同じなので、同時に見ても識別不明。仔猫の頃は全く分からなかったが、最近は体形が変わってきたので少し見分けることができるようになった。尻尾の短いのがウメで好奇心旺盛、長いのがモモで用心深い。どちらも片方がいないと心配してウロウロ探しまわるほど仲がいい。その優しいモモとウメも、今のところはムクの威嚇には辟易している様子だ。現在は棚の上やクローゼットの中など、自分たちで居所を見つけてトラブルを回避しているところがいじらしい。当面この1匹対2匹の駆け引きは続きそうである。
と言うわけで我が家はネコのインフレ状態で、視界のどこかにネコがいます。
ところで、しなやかなネコの動きに触発されたからではないが、新型コロナウイルス禍で乗りそびれていたヤリスに改めて乗ってみた。借り出したのはガソリンの1.5リッター。それも上級グレードのZだ。
価格は素の状態で192万6000円。これにアルミホイールやHUD、ブラインドスポットモニターなどの予防安全装備、パノラミックビューモニター、T-Connect対応ナビ、TV、カメラ型ドライブレコーダー(今や必需品)、ETC、フロアマット、トノーカバーなどを入れると、総額247万6000円となる。ザクっと自分なら付けたいものを拾っても25万円ぐらいのオプションが欲しくなり、ヤリスのガソリンエンジン車も上級グレードの乗り出しは200万円を軽く超える。
さて4隅にタイヤを置いて踏ん張ったスタイルは性格を表しているようで頼もしい。実際にハンドルを握って感じるのは骨太さである。重心位置を下げた新しいプラットフォームの効果は街中でも好印象だ。ハンドルを切った時の反応が早く、タイヤが路面を接地しているのが伝わってくる。試乗コースは市街地と首都高速。遠出する機会を逸してしまったが、それでも十分に楽しかった。
3気筒の1.5リッターエンジンは燃費だけでなく、パフォーマンスもなかなか。アクセルを踏み込んだ時は吸気音が心くすぐる元気のいいエンジンだ。それだけに3気筒特有の振動も体に感じられる。静振性を考えると4気筒だが、3気筒の軽快な回転フィールや好燃費は魅力的。ヤリスにはマッチしたパワーユニットだ。
トランスミッションはギヤ付きのCVTで、ドライブモードをスポーツにすると低いレシオをキープするので、いつでも加速できるスタンバイ状態になる。スポーツモードは自分には使うチャンスはあまりなかったが、必要に応じて性格分けが明快なノーマル、Ecoと使い分けることができる。
乗り心地は硬め。後席に乗ることはできなかったが、突き上げ感はありそうだ。後席の広さは自分のドライビングポジションに合わせると、レッグスペースは握りこぶし1つ分ぐらいでギリギリの感じだ。
ヤリスは期待に背かず、コンパクトカーらしくキビキビしてドライバーズカーとしても楽しかった。脅威の燃費を誇るハイブリッドは人気で、こちらは少し距離を乗ってみたい。
ちなみにヤリスの6月の販売台数は1万台を超えて登録車の2位につける。このコロナ禍の時代でもトヨタは強い。
そういえばホンダのデザイナーは人に優しい柴犬をイメージしてフィットを作ったと言っていた。ヤリスと正反対の性格を持つフィット。動物つながりでこちらももう一度試乗してみよう。