日下部保雄の悠悠閑閑
雪道いろいろ
2023年2月20日 00:00
今年の旭川は例年より雪が多かった。北海道に限らず降雪地帯は除雪が早く、いつもその技術に感心するが、今年は雪道が長い。
市街地でも幹線道路を外れるとたっぷり雪が残って走りにくいものだが、今年は大通りでも、除雪された雪が寄せられて道幅が狭くなっている。交差点では制動と発進の連続で雪面がウネっており、その凸の部分は磨かれて黒く光っていた。一見すると下の路面が見えているようだが、実はアイスバーンでブレーキには注意が必要。それでも凸凹路面ではスタッドレスはそこそこグリップしてくれる。
しかし日の射さない氷点下の夜間になると交差点は制動と駆動の繰り返しで完全に磨かれた氷になってしまう。もう歩くだけで転びそうな氷盤路でクルマが止まれることにただただ感激する。スタッドレスタイヤの進化はすごいものがある。
降雪地で生活必需品であるスタッドレスタイヤの性能で常に一番要求が高いのは氷での制動性能と言われるが、こんな路面を見るとそうだろうなと納得する。
一口に雪道と言ってもその表情は千差万別。水分を多く含んだシャーベットから踏み固められた圧雪、そしてブラックアイスも部分的から全面バーンと存在し、雪との混在はもちろん、路面形状でもグリップは変化するので厄介だ。
一例では山道を走ると同じような路面に見えても南斜面と北斜面では違う。常に日陰となる北斜面は凍結していることが多い。判別が難しいようだが慣れてくると北斜面はいつも暗いのでなんとなく分かるものだ。
ドライバーはと言えば路面や周囲からの情報を収集するのに忙しい。おまけに特に降雪時は白一色の世界になり、路面の凹凸はおろか道路の形状、路肩も判別しにくくなる。こんな時には曇り空でも薄い偏光サングラスをかけることで凹凸は少し見やすくなるので愛用している。
そしてコーナーの先も分かりにくいが、これは立ち木や電柱などの間隔から深さを知ることができる。雪道ドライブは常にアンテナを張って周囲に気を配るのは大切だ。
轍も油断すると厄介。Rの深いタイトコーナーにできる場合が多く、アウト側の雪壁に乗ると膨らんでしまう。アクセルオフやハンドルで小刻みに修正するが、早めに発見してオーバースピードにならないように注意している。
山道になると積雪量が多いと雪壁も高くなり、視界が遮られ、対向車を発見しにくくなるので山道では余裕を持つように心がけている。
路面の色を読んだり、コーナーの形を把握したりと、ドライバーはドライ路面よりも気をつけることが多い。
それでも白銀に覆われた雪道を走るのはワクワクする。雪国の方には本当に申し訳ないが、今年も雪と氷をクルマで満喫することができました。