日下部保雄の悠悠閑閑

不正問題に思うこと

おなじみのタイガーは極端な人見知りで騒がしい。今日もギャオギャオうるさいので怒られていた。世間に敏感に反応しているのか?

自動車各社の不正問題は日本の基幹産業だけに経済に及ぼす影響も大きくメディアにとってもビッグニュースとして取り上げられた。

 コトは日野やダイハツの不正認証に端を発し、国交省が自動車各社に調査を指示した認証プロセス確認の中で浮かび上がった。

 豊田会長の謝罪会見が行なわれた日、マツダの毛籠社長、ホンダでは三部社長も認証試験での不正を公表した。国交省が途中経過の提出を求めた期日である5月31日の翌週の月曜日、6月3日の一斉記者会見となった。あくまでも途中経過で今後も不正認証の車種が増える可能性も大きく、トヨタではすべてを報告できるのは今年一杯かかるのではないとコメントしている。

 自動車は生産された個々のクルマを国が検査するのは不可能だ。そのためメーカーを信用して認証を出している。この決めたルールをメーカーが守らなかったら何を信じていいか分からなくなってしまう。

 トヨタの記者会見では、豊田章男会長と宮本眞志カスタマーファースト推進本部長からの説明を受けた。それによると衝突試験のデータについて5件の不正があったとされた。

 後突試験の一つでは、国の指定した1100kgより重い1800kg相当となる台車試験で得たデータを使っていた。生産を終了しているクラウンとシエンタでの認証だ。

 一方、RXでは、搭載エンジンの出力が規定どおり出なかったためにソフトウェアに手を加えて提出していた。こちらは恣意的だ。後日エンジン台車の排気管につぶれがあったことから出力不足となったとしている。しかし都合よく変更するのはやはりだめだろう。

 他社でも競争の激しい中で誤差範囲として許容していたケースが多かった。これらをよしとするとなんでもメーカーの都合に合わせられることになり、認証が成立しなくなる。ただ、グローバル化が進む中、誰にとっても重要な大切な認証のあり方を考える時期なのかもしれないと感じた。しばらくは尾を引きそうである。

長男一家の家族、マルちゃん。由緒正しいイギリス産で常に泰然としてる。外の騒がしさとは無縁の存在だ
トバさんはタイガーと兄弟なのに正反対でおとなしくて人懐っこい。マルちゃんとは別の安定感。こうありたいです
少し涼しくなると散歩に行こうと騒ぐムク。誰よりもヤンチャです
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。