CES 2018

【CES 2018】5G、AI、ロボディクスなど出展トレンドを示した「2018 Tech Trends to Watch」

自動車エレクトロニクスなど2018年の主要業界の市場予想

2018年1月7日(現地時間) 開催

CES 2018の出展領域を分類したスライド

 米国ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーイベント「CES 2018」。同イベントの開催期間中の1月7日(現地時間)、2018年におけるテクノロジーのトレンドを示すセッション「2018 Tech Trends to Watch」が開催された。

 セッションでは、CESを運営するCTA(Consumer Technology Association)で市場調査を担当するシニアディレクターのSteve Koenig氏とシニアマネージャーのLesley Rohrbaugh氏が登壇して、2018年の主要業界の市場予想やCES会場における出展トレンドなどが示された。

シニアディレクターのSteve Koenig氏
シニアマネージャーのLesley Rohrbaugh氏

 同日、CTAは2018年の市場予測を発表。プレスリリースでは米国のコンシューマー・テクノロジー業界が2018年に3.9%成長し、その市場規模は3510億ドル(約39兆円)に達するとの見通しを示し、その3510億ドルの売上の51%を占めるトップ5のカテゴリとしては、「スマートフォン」「ラップトップ」「TV」「自動車エレクトロニクス」「タブレット」を挙げた。

2018年の市場予測

 スマートフォンについては出荷台数が1億8900万台(前年比2%増)に達し、売上は629億ドル(同3%増)。次いで、ラップトップは出荷台数5010万台(同3%増)で売上284億ドル。テレビは総販売台数4420万台(同2%増)で売上高221億ドル(2%増)となり、そのうち半数を占める4K TVは2200万台(同27%増)となり売上159億ドル(同14%増)。

 自動車エレクトロニクスについては、ドライバーアシスト機能からエンタテイメントシステムまで工場出荷の総額が159億ドル(同5.9%増)になると予測された。タブレットに関しては4560万台(同12%減)の販売と、売上高125億ドル(同13%減)と予想。

 一方、2018年のコンシューマーテクノロジー業界を牽引する米国のコネクティッドデバイス出荷は7億1500万台(同6.6%増)に達すると予測。この成長に大きく貢献すると予測される特定の製品として「スマート・スピーカー」「スマートホーム」「バーチャルリアリティ(VR)」「ドローン」「ウェアラブル」が挙げられた。

 スマート・スピーカーはAmazon EchoやGoogle Homeなどの音声制御のスマート・スピーカーがヒット。2017年の販売台数は279%増加したとし、2018年の販売台数は4360万台(同60%増)、売上高は93%増の38億ドルとなると予測。また、スマート・スピーカーの人気がスマートホーム市場に効果が波及し、関連デバイスの出荷は2018年に4080万台に達し、売上45億ドル(同34%増)になると予測。

 VR/ARヘッドセットとアイウェアの成長も継続し、ユニット出荷は25%増、売上高は18億ドル。ドローンも2018年は過去最高の370万台(同20%増)、売上高は12億ドル(同17%増)となる見込み。ウェアラブルデバイスは、フィットネス・アクティビティ・トラッカー、その他の健康とフィットネス・デバイス関連を合わせて4930万台(同4%増)となり、売上高64億ドル(同1%増)と予測。

 Koenig氏とRohrbaugh氏によるセッションでは、こうした市場環境を反映してCES 2018会場における出展も、「5G」「人工知能」「ロボット工学」「デジタル感知器とネイティブインターフェース」「AR/VR関連」「スマートシティ」「スポーツイノベーション」「デジタル治療」といった領域に分類ができると報告された。

CES2018の出展トレンドの分類

 とくに5Gテクノロジーに関しては、高速大容量、低遅延という特徴により、モバイル通信に留まらず、産業、自動車、健康、AR/VRの領域にまで活用が及ぶという。そうしたコネクティッドデバイスの出荷も順調に成長し、2021年には7億9100万台に達するとの見通しが示された。

5Gを使ったテクノロジーの展開予想
コネクティッドデバイスの出荷は2021年に7億9100万台に達するとの見通し

 また、AIの活用についてはスマート・スピーカーの事例を紹介。スマート・スピーカーについては2019年に出荷のピークを迎えて5676万台を記録するとの予測。フォードによるインフォテイメントへのALEXA採用の事例も紹介され、自動車の領域においても、自動運転のほかインフォテイメントシステムなど、AIの活用が自動車領域においても進んでいることが示された。

AI(人工知能)の動向を示したスライド
スマートスピーカーは2019年に出荷のピークを迎えるとの予測

会場で示されたスライド

ロボティクスデバイスの動向
ロボティクスデバイスの動向
顔認証を採用など認証技術のトレンド
AR/VR領域の動向
AR/VR領域の動向
スマートシティ領域での動向
スポーツ分野での動向
医療領域における動向

編集部:椿山和雄