ニュース

スズキ、「スペーシア」をフルモデルチェンジ。「後退時ブレーキサポート」「ヘッドアップディスプレイ」軽初採用

マイルドハイブリッドと軽量ボディの採用でJC08モード燃費は30.0km/L

2017年12月14日 発売

スペーシア:133万3800円~158万9760円

スペーシア カスタム:157万6800円~190万8360円

スーツケースをデザインモチーフにした新型「スペーシア」

 スズキは12月14日、「家族や仲間と楽しく使える軽ハイトワゴン」をコンセプトにした新型軽自動車「スペーシア」「スペーシア カスタム」を発売した。価格はスペーシアが133万3800円~158万9760円、スペーシア カスタムが157万6800円~190万8360円。

スペーシア
モデルエンジン変速機駆動方式価格JC08モード燃費(km/L)エコカー減税 (取得税/重量税)
HYBRID G直列3気筒DOHC 0.66リッター(マイルドハイブリッド)CVT2WD(FF)1,333,800円30.060%/75%
4WD1,454,760円26.440%/50%
HYBRID X2WD(FF)1,468,800円28.3
4WD1,589,760円26.4
スペーシア カスタム
モデルエンジン変速機駆動方式価格JC08モード燃費(km/L)エコカー減税 (取得税/重量税)
HYBRID GS直列3気筒DOHC 0.66リッター(マイルドハイブリッド)CVT2WD(FF)1,576,800円28.240%/50%
4WD1,697,760円26.4
HYBRID XS2WD(FF)1,690,200円28.2
4WD1,811,160円26.4
HYBRID XSターボ直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ(マイルドハイブリッド)2WD(FF)1,787,400円25.620%/25%
4WD1,908,360円24.0
新型「スペーシア カスタム」

 スペーシア/スペーシア カスタムでは、新しくマイルドハイブリッドを全車に搭載。自然吸気エンジン車に搭載される直列3気筒DOHC 0.66リッターの「R06A型」エンジンは、燃費向上技術として、吸気系部品に走行風を直接当てて効果的に冷却を行なうエアガイドを追加。トランスミッションに約5kg軽量化したCVTを組み合わせたほか、リチウムイオンバッテリーを3Aから10Aに大容量化し、モーターの出力を2.3kWへと高出力化。クリープ走行を最長10秒間可能にして、JC08モード燃費を最高30.0km/Lに向上させた。

 プラットフォームには「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。アンダーボディ構造をなめらかな形状にするとともに、サスペンション部品を骨格部品の一部として利用。さらに、骨格同士が結合する部分を力のかかる部品の固定に利用することで補強部品を削減し、軽量化とボディ剛性を両立させた。

 新軽量衝撃吸収ボディ「TECT」では、1180MPa、980MPaの超高張力鋼板のボディ全体における使用率を従来モデルの11%から16%に高め、軽量化による燃費性能の向上を図っている。

新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用して、ボディ剛性と軽量化を両立
ボディでは1180MPaや980MPaといった超高張力鋼板の使用率を高めて軽量化を行ない、燃費性能を向上
全車でエンジンとCVTの制御変更とともに、モーターアシストをトルクアップさせて加速を行なう「パワーモード」のスイッチをステアリングに設定

 足まわりではHEARTECTに合わせたサスペンションを採用。フロントが全車マクファーンストラット式、リアは2WD車がトーションビーム式、4WD車がI.T.L式となり、フロントサスペンションとリアのトーションビーム式サスペンションでは、軽量化や高剛性化、乗り心地や操安性の向上が図られている。

「後退時ブレーキサポート」「ヘッドアップディスプレイ」を軽自動車初採用

軽自動車初となる「後退時ブレーキサポート」を採用

 安全装備においては、全車標準装備となる「衝突被害軽減ブレーキ」の機能に、軽自動車初採用となる「後退時ブレーキサポート」を追加。リアバンパーに内蔵した4つの超音波センサーが車両後方にある障害物を検知すると自動ブレーキを作動させる。

 また、後退時に後方に障害物がある状況で誤って強くアクセルを踏み込んだ際にエンジン出力を抑制する「後方誤発進抑制機能」や、駐車の際に障害物との距離を知らせてくれる「リヤパーキングセンサー」も搭載して、後方の安全性を高めている。

 さらに、フロントウィンドウに車両情報をカラー表示する「ヘッドアップディスプレイ」も軽自動車のオプション装備として初採用。車速やシフトポジション、瞬間燃費といった基本情報やエアコン表示のほかに、対応するナビと連動して交差点案内を表示。衝突被害軽減ブレーキなどの警告のほかに、進入禁止の標識も表示可能とした。

 ヘッドアップディスプレイとともにオプションとなる「全方位モニター用カメラパッケージ」では、こちらも軽自動車初となる「3Dビュー」の表示を採用。車両を斜め上空から見たような映像の「室外視点」と、運転席からの目線で車体を透かして外を見るような映像の「室内視点」の2種類の表示を用意。好みに応じて切り替えられるようにした。

 なお、これらの装備によりスペーシア/スペーシア カスタムは、経済産業省や国土交通省などが推進する安全運転サポート車のうち、高齢運転者にとくに推奨する「セーフティ・サポートカーS(通称:サポカーS)」の「ワイド」に該当している。

「スズキ セーフティ サポート」は単眼カメラとレーザーレーダーを用いてクルマや歩行者を認識。「前方衝突警報機能」「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト」「自動ブレーキ機能」を備える「デュアルセンサーブレーキサポート」、「誤発進抑制機能」「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「先行車発進お知らせ機能」「ハイビームアシスト」などの先進安全機能に加え、ヘッドアップディスプレイの搭載車では「標識認識機能[進入禁止]」も装備
スズキ セーフティ サポートに追加された「後退時ブレーキサポート」「後方誤発進抑制機能」「リヤパーキングセンサー」は、リアバンパーに内蔵したセンサーで障害物を検知
ヘッドアップディスプレイの投影イメージ
スペーシアのヘッドアップディスプレイ表示例
スペーシア カスタムのヘッドアップディスプレイ表示例
全方位モニターの認識範囲イメージ
全方位モニターの表示イメージ
「フロントシートSRSサイドエアバッグ」を全車標準装備。なお、スペーシア カスタムの「HYBRID XSターボ」には「SRSカーテンエアバッグ」も標準装備される

ワクワクするデザインのエクステリアと、使い勝手や快適性にこだわったインテリア

スペーシア/スペーシア カスタムともに、ボディサイズは3395×1475×1785mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2460mm。スペーシアのツートーンルーフ車はルーフレールを装着して全高が1800mmとなる。新型では、スライドドアの開口高と開口幅が従来モデルに比べてそれぞれ20mm拡大され、乗り降りのしやすさを向上させている

“何気ない日常にも楽しさを与えてくれるワクワク感を表現した”というエクステリアデザインは、フロントウィンドウガラスを立ててボンネット位置を高くすることで大きさを表現するとともに、ベルトラインを高くしてボディの厚みを強調。加えて、スペーシアではあふれる楽しさ、カスタムでは堂々としたたたずまいを表現。

 スペーシアは、「仲間や家族と出かけてたくさんの思い出を詰め込んで帰ってきてほしい」という思いから、スーツケースをデザインモチーフにして遊び心を表現。フロントグリルはスーツケースのジッパーを、ホイールキャップはスーツケースのキャスターをイメージした。

 また、インテリアでは、インパネのアッパーボックス部分にスーツケースをモチーフにしたデザイン採用。また、赤のアクセントカラーを取り入れるとともに、水平基調のスタイリングで伸びやかさと見晴らしのよさを表現している。

ジッパーをモチーフにしたフロントグリルやスーツケースのキャスターをイメージしたホイールキャップなど、遊び心のあるスペーシアのエクステリアデザイン
スペーシアでは、ベージュとブラックの2種類からインテリアカラーを選択できる
赤のアクセントカラーを各所に配色

 スペーシア カスタムでは、2色のメッキを用いた大型のフロントグリル、目力の強いLEDヘッドライトやLEDフォグランプで迫力と存在感を表現。インテリアは、ブラックパールのカラーパネルとメッキ加飾で、迫力のある華やかな雰囲気を演出。「HYBRID XS」「HYBRID XSターボ」では、肩まわりを強調したデザインのシートに合皮を用いたほか、シフトノブやステアリングには赤ステッチを施した本革を使用し、迫力感を演出している。

2色のメッキを用いた大型のフロントグリルと、LEDのヘッドライトやフォグランプで迫力と存在感を表現したスペーシア カスタムのエクステリア
「HYBRID GS」のインテリア
「HYBRID XS」「HYBRID XSターボ」のインテリア

 さらに、スペーシア/スペーシア カスタム共通のユーティリティアイテムとして、パワースライドドアが閉まる動作中にドアロックを予約できる「パワースライドドア予約ロック機能」、ハイト系ワゴンで発生しやすい前席と後席の空調の違いを改善する送風機「スリムサーキュレーター」、後方視界を向上させる「後方視界支援ミラー」をスズキ車として初採用。エアコンの風を拡散させ、風当たりをソフトにする「エアコンルーバー」を軽自動車として初めて採用した。

 また、左フロントタイヤまわりの死角を低減するために、室内の左Aピラーの脇にサイドアンダーミラーを設置したほか、シートリフターの調整量を上下で20mm増やし、ステアリングのチルト量を5mm増やすなど、さまざまな体格に合わせたドライビングポジションがとれるようにしている。

「パワースライドドア予約ロック機構」はイグニッションOFFでパワースライドドア以外のドアが閉まっているときに携帯リモコンから施錠することで作動
「スリムサーキュレーター」は、従来モデルより35mm拡大した1410mmの室内高に影響しないようスリム型のものとして、細いスリットから速い空気を送り出すことで、送風口の下の空気も一緒に流れるように工夫されている
HYBRID Gを除くモデルに装備される「後方視界支援ミラー」は、リアガラスの視界を妨げない位置に設置
「エアコンルーバー」は、中央のノブを回すとルーバー内のフィンの角度が変わり、風を拡散することができる
HYBRID Gを除くモデルでは、ロールサンシェードを左右のリアドアトリムに内蔵
リアシートはワンタッチフォールディング式。シートスライド量は従来モデルより50mm増えた210mm
リアシートを格納すると27インチ自転車が搭載可能
タイヤを溝に沿わせることで自転車を積みやすくするガイドを設置
スペーシア/スペーシア カスタムは収納も充実。助手席のカラーパネルは、ボタンを押すと助手席のインパネアッパーボックスとなるほか、ティッシュボックスがすっぽり入るインパネボックスや使わないときは収納できるドリンクホルダーも設置
助手席のシート下は、取っ手の付いた収納ボックスになっている
フロントドアミドルポケット/フロントドアポケット[ペットボトルホルダー付]
リアクォーターポケットにはHYBRID Gを除くモデルにアクセサリーソケットが装着され、スマートフォンなどを充電しながら収納することができる

 ボディカラーは、スペーシアがモノトーン10色と、車体色に合わせてルーフがブラックもしくはホワイトとなるツートーン4色を設定。スペーシア カスタムはモノトーン9色と、ルーフがブラックとなるツートーン5色を設定。なお、スペーシアのみ、ツートーンルーフ車にはルーフレールが装着される。

スペーシアのボディカラー
「オフブルーメタリック」
「チアフルピンク メタリック」
スペーシア カスタムのボディカラー
「ピュアホワイトパール」
ムーンライトバイオレットパールメタリック