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単日開催も約4万5000人のファンが東京 お台場に集結。「モータースポーツジャパン2018」レポート

モータースポーツ車両の迫力ある走りを都心の観光地で体感

2018年4月14日 開催

 4月14日、モータースポーツを通じてクルマやバイクの魅力を伝えるイベント「モータースポーツジャパン2018 フェスティバル イン お台場」が、東京 お台場に設けられた特設会場(東京都江東区青海)および周辺の公園地区で開催された。

 例年どおり、土曜日、日曜日の2日間の開催が予定されていたが、天候の悪化が予想された4月15日は開幕前日に中止が決定され、4月14日も一部のプログラムを中止した短縮開催となったものの、会場には4万4917人(主催者発表)もの来場者が訪れて大きな盛り上がりを見せた。

 会場のレイアウトも例年どおりで、アクティブゾーン(A会場)、エクスペリエンスゾーン(B会場)、カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)とジャンル別に分けられ、いずれの会場も無料で楽しめた。

 本記事では特設走行エリアと自動車メーカーやインポーター、各種パーツメーカー、自動車関連の専門学校、サーキットなどの展示ブースが連なる、モータースポーツジャパンのメイン会場ともいえるアクティブゾーン(A会場)を中心にお届けする。

アクティブゾーン(A会場)特設走行エリア

新井敏弘選手によるインプレッサ WRC(1998)のデモンストレーションラン

 アクティブゾーン(A会場)の中でも、都心の観光地であるお台場地区でSUPER GT、ダカールラリー、全日本ラリー参戦マシンやドリフトマシンがエキゾーストノートを響かせる特設走行エリアは、このイベントの目玉の1つ。サーキットやラリーのステージなど、競技会場に足を運ばなければ見ることのできない本物のコンペティションマシンの迫力ある走行を、ここでは1日で楽しめてしまうのだ。

 また、それらのマシンを操るドライバーたちが、カテゴリーやメーカーの垣根を超えてファンの前に一堂に集結するのは極めて珍しく、また競技中には見せないリラックスした姿を見られるのもこのイベントの大きな魅力の1つだ。

ラリーカーのデモラン。スズキ スイフトやスバル WRXといった全日本ラリー参戦マシンのほか、新井敏弘選手によるインプレッサ WRC(1998)の走行も行なわれた
SUPER GTマシンのデモランは、レスサスvs.日産のピット作業(タイヤ交換/ドライバー交代)のタイム計測バトルで行なわれた。ピットクルーの作業を間近に見られる滅多にないチャンスだ
TOYO TIRES Drift デモ
さまざまなカテゴリーのコンペティションマシンを一堂に見ることができるモータースポーツジャパン

プロドライバーのテクニックと素顔が見られるメーカー別カートレース(アクティブゾーン:A会場)

 ジャンルを超えたプロドライバー同士のメーカー別カートレースでは、慣れないアトラクションに緊張するドライバーやワルノリするドライバーなど、競技会場では見せない選手の素顔に会場は盛り上がった。

 参加選手は国内のSUPER GTやスーパーフォーミュラ、全日本ラリー選手権の現役ドライバーで、アメリカのインディカーシリーズやF1、WECなどの世界選手権を戦い抜いてきた猛者も揃った豪華な布陣。笑いだけではないハイレベルな戦いも見どころだった。

サーキットでは見られないトップドライバーの姿に触れられるのもモータースポーツジャパンの魅力だ
ホンダチームは常にテンションMAX
ドライバー交代時に課せられる積み木のゲームに臨むスバル BRZでワンメイクレースを戦う池島選手を、ニュルやSUPER GTを戦う山内選手がサポート
ホンダチームの井沢選手は山本選手とのコンビで積み木に挑む
全日本ラリーチャンピオンの勝田選手は、2018年のラリー・スウェーデンでWRC2初優勝を遂げた息子・貴元選手のヘルメットで出場
笑いでも走りでもファンを魅了するトップドライバー

アクティブゾーン(A会場)展示エリア

F1世界選手権を戦うRed Bull Toro Rosso STR13 PrototypeやMotoGPマシンのRC213Vのほか、マカオで参戦したNSX GT3など、2輪、4輪を多数展示したホンダブース。各メーカーがさまざまなカテゴリーのマシンを多数展示した

 自動車メーカーやインポーター、各種パーツメーカー、自動車関連の専門学校、サーキットなどの展示ブースが連なる展示エリアでは、さまざまなカテゴリーのコンペティションマシンや新車が展示された。

トヨタ自動車は世界選手権に挑むさまざまなカテゴリーのマシンのほか、CVTで全日本ラリーを戦うTGR Vitzも展示
さまざまな現行モデルに加え、2013年、2016年のSUPER GTマシン(MOTUL GT-R)を展示した日産自動車
マツダはLOVE DRIVEの女性ドライバー2人がお出迎え
各展示ブースではプロドライバーと会えるチャンスも多数
アウディ、BMW、メルセデス・ベンツのドイツ3メーカーは展示のほか、特設走行エリアでの同乗デモランも行なった
日野自動車は2018年のダカールラリーに参戦したレンジャーを展示
横浜ゴムはシビック TYPE R TCRなどを展示した
スズキはMOTO GPマシン「GSX-RR」などを展示
東京工科自動車大学校、ホンダの自動車 大学校、日産・自動車大学校、トヨタ東京自動車大学校ブース
ZFブースの展示
富士スピードウェイブース。ゴールデンウィークにSUPER GT 500kmレース、6月にS耐24時間、10月にWEC(世界耐久選手権)開催と、長距離レース目白押しの富士スピードウェイは「耐久の富士」をアピール。かつて十勝24時間レースを制したハイブリッドマシン スープラHV-Rも展示した
スポーツランドSUGOは2輪車の展示とともに、4月末に控えたスーパー耐久レースと5月のスーパーフォーミュラの開催を告知した
鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎはF1グランプリ30回記念大会(鈴鹿)、MotoGP(もてぎ)、トライアル世界選手権(もてぎ)という3つの世界選手権と、8月に行なわれる10時間耐久レース(鈴鹿)をパネルにて展示した

エクスペリエンスゾーン(B会場)

 エクスペリエンスゾーン(B会場)では、日本ジャーナリスト協会(AJAJ)による「みんなの楽ラク運転講習会場」や「ふれあい試乗会」など、実際のクルマに触れるイベントが多数用意された。

 また、2017年までカルチャー&レジェンドゾーン(C会場)で行なわていた、自動車メーカーの歴史を掘り下げた「レジェンド展示」は今回エクスペリエンスゾーンで開催。同じくC会場で展示されていたK4GP車両もこちらに展示された。

 なお、今年のレジェンド展示は60周年を迎えたスバル。スバルの歴史を語る上で欠かせない貴重な車両も展示された。

「Legend of the SUBARU」で展示されたスバル 360 ヤングSSは、2017年にアメリカで行なわれたグレートレース2017への参加車両(左)。青いスバル 360は1958年に60台生産された増加試作型と呼ばれる貴重な初期モデルだ(右)
後にインプレッサでWRCを席巻するスバルが、1988年のサファリラリーに向けて製作したレオーネ 4WD RXターボ。そのテストカーの展示は貴重だった。奥でボンネットを開けているのは1989年に10万km世界速度記録を達成したレガシィ RS。STI(スバルテクニカインターナショナル)の手による歴代Sシリーズも揃って展示された
K4GP参戦車両の展示は、シャパラル2H風などマニアックな車両も多く来場者を楽しませた。マルティニ風カラーのポルシェ 935のようなマシンには人だかりが絶えなかった

カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)

 隣接するダイバーシティ東京プラザと会場を結ぶウエストプロムナードがC会場。毎年恒例のレプリカモデルやヒストリックカーの展示が行なわれた。

それぞれのオーナーの思い入れを感じるレプリカモデルの完成度が素晴らしい展示。例年同様、スタート/フィニッシュ ポディウム風ゲートも用意された
国内外のレースやラリーで活躍するトップドライバーが一堂に集結する貴重なイベント「モータースポーツジャパン」。その充実ぶりと無料で楽しめる気軽さに、短縮開催になったにもかかわらずお台場の会場には4万5000人近いファンが集まった