さまざまなジャンルの選手や監督がお台場に集結し、モータースポーツの魅力を伝える「モータースポーツジャパン」は今回で12回目の開催だ モータースポーツを通じてクルマやバイクの魅力を伝えるイベント「モータスポーツジャパン2017フェスティバル イン お台場」が、4月15日~16日の2日間にわたり東京 お台場に設けられた特設会場(東京都江東区青海)および周辺の公園地区で開催された。春の開催となって3年目、2日間にわたり天候に恵まれた今年の入場者数は15日に5万3894人、16日に6万7770人の累計12万1664人(すべて主催者発表)と、大いに盛り上がりを見せた。
16日に行なわれたセレモニーでは、このイベントのスーパーバイザーを務める近藤真彦氏が来場し、モータースポーツファンはもとよりお台場のショッピングモールでショッピングを楽しんでいるファミリーにもぜひここで本物を見て、触れて、聞いて、モータースポーツの魅力を知ってもらいたいと語った。
会場のレイアウトは昨年同様、アクティブゾーン(A会場)、エクスペリエンスゾーン(B会場)、カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)とジャンル別に分けられ、いずれの会場も終日無料で楽しめた。
大会のスーパーバイザーを務める近藤真彦氏は16日に来場し、今までモータースポーツに触れる機会がなかった人もぜひこのイベントでモータースポーツの魅力に触れてもらいたいと語った アクティブゾーン(A会場)
特設走行エリアで走行する本物のコンペティションマシンの姿と音はイベントの華だ。写真は全日本ラリーに参戦する新井敏弘選手のスバルWRX STIターマック仕様 アクティブゾーン(A会場)は、特設走行エリアと自動車メーカーやインポーター、各種パーツメーカー、自動車関連の専門学校、サーキットなどの展示ブースが連なるモータースポーツジャパンのメイン会場とも言えるエリアだ。
特設走行エリアではドリフト、全日本ラリー、ダカールラリー、SUPER GTなど各カテゴリーのマシンのデモンストレーションランや、カテゴリーを超えたプロフェッショナルドライバー同士で争われるカート大会が行なわれ、都心の観光地に終日エキゾーストノートを響かせた。
新井選手のWRXとはマシンの姿勢が大きく違う勝田範彦選手の全日本ラリー参戦マシンはグラベル仕様 おなじみアドバンカラーのランサーエボリューションXは奴田原文雄選手がドライブ 日本では見る機会のなかなかない貴重なBAJA1000参戦マシンも走行 日野レンジャーダカールラリー参戦車は今年も圧巻の走りを披露 SUPER GTマシンも最新モデルからちょっと懐かしいモデルまでが走行し、レースさながらのタイヤ交換作業も披露した プロドライバーによる白熱したメーカー対抗お台場KARTグランプリ 5月にツインリンクもてぎで世界選手権が開催されるトライアル世界選手権のデモンストレーション 三菱自動車工業のブースでは、3月にジュネーブショーで世界初公開された新型SUV「エクリプス クロス」を日本初公開 レクサス(トヨタ自動車)およびトヨタブースではWRC参戦中のヤリスWRCを展示 マツダブースでは2016年のデイトナ24時間レース参戦車のミニカーも登場 モビリティランド(鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎ)ブース 今年も多くの自動車関連の大学校、専門学校が出展した JAF(日本自動車連盟)はロードサービスの展示をせず、モータースポーツ関連に注力したクイズラリーやトークショーを実施 関谷正徳氏がプロデュースし、女性レーサーだけで争われる「競争女子選手権」 下肢障害者の運転をサポートするハンドドライブ装置装着車のブースには青木拓磨選手の姿も レース中は近寄りがたいトップドライバーもここでは身近に感じられる。会場内ではマシンの移動も行なわれ、すべてが目の前で行なわれる身近さはこのイベント最大の特徴だ エクスペリエンスゾーン(B会場)
エクスペリエンスゾーン(B会場)で行なわれた「ふれあい試乗会」 エクスペリエンスゾーン(B会場)は日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)による「みんなの楽ラク運転講習会」や、国内外の最新モデルの同乗試乗体験ができる「ふれあい試乗会」など、体験型イベントが行なわれるゾーンだ。
中でも、今回初の試みとして自動車免許を持たない18歳以下の参加者が実際に運転体験をするという意欲的なプログラムも用意され、ゾーン全体が年齢層を問わずクルマの楽しさを感じながら安全に対する意識向上を促すプログラムが多数用意されていた。
国内外の最新モデルが一堂に揃った「ふれあい試乗会」 試乗は元全日本ジムカーナチャンピオンの斎藤邦夫選手やレーシングドライバーの近藤翼選手も担当した 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)による「みんなの楽ラク運転講習会」 車庫入れや縦列駐車の講習などのほか、初の試みとして自動車免許を持たない18歳以下の参加者を対象とした「U-18運転予備校」も行なわれた カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)
ダイバーシティ東京プラザに隣接したカルチャー&レジェンドゾーン(C会場)では、「レジェンド・オブ・トヨタ」と銘打ったトヨタの歴史的モータースポーツ車両の展示のほか、かつてセリカ GT-FOURでWRCを戦った藤本吉郎氏や、トヨタのレーシングマシンで数々のレースを戦った関谷正徳氏ら、往年のトヨタワークスドライバーのスペシャルトークショーが行なわれた。また、例年通りオーナーズレプリカやヒストリックカーの展示も行なわれ、来場者を楽しませた。
今年のカルチャー&レジェンドゾーン(C会場)では「レジェンド・オブ・トヨタ」コーナーが設けられた 例年通り多くのヒストリックカー、レプリカオーナーが集まった 大会両日ともに夕方からはレプリカ&ヒストリックカーがA会場特設走行エリアに入り、グリッドウォークが行なわれた ラリーカーが多いレプリカの中で、極めて珍しいSUPER GTマシンのレプリカ。アンドレ・ロッテラー選手の直筆サイン入り 高価なスポーツカーや輸入車だけではなく、かつて若者の生活に根ざしたモデルを見るのも楽しい。写真の1985年式トヨタカローラII1500SRは、オリジナルそのままに保たれた程度のよさもさることながら、トノボードに置かれたスピーカーやリアハッチガラス上部のステッカー、ドアポケットの地図に感じる当時の空気感もまた楽しい