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三菱自動車、決算説明会でアライアンスに対する益子修会長の考えを説明
前会長のゴーン氏への思いも
2019年2月1日 22:31
- 2019年2月1日 開催
三菱自動車工業は2月1日、2018年度第3四半期(2018年4月~12月)決算を発表。新本社で行なわれた決算説明会に取締役会長 CEOの益子修氏が登壇。アライアンスに対する考え方、同社前会長のカルロス・ゴーン氏に対する思いについて話した。
記者会見の質疑応答で出された「前会長のゴーン氏はアライアンスの持株会社を作りたいと考えていたようであるが、益子さんはご存知であったのか? また、持株会社を作ることに関してどのように考えているか」との質問に対して、益子氏はアライアンスに対する考え方について話した。
益子氏は「2016年5月に日産自動車と業務資本提携を発表しましたが、短期間で結論を出すことができたのは、ルノー日産アライアンスの基本原則に共感できたことがありました。個々のメンバーの経営ブランド、個性を尊重して、独立性、自主性が担保されていること。最もコンペティティブなメンバーが、その分野と地域でアライアンスをリードして、徹底的に重複を排除するという考え方。関連するすべてのアライアンスメンバーにとってウィンウィンとなるようにプロジェクトを推進すること。この基本原則に基づくアライアンスへの参加が当社の経営問題を解決する最良のソリューションだと考えました。2年間の経験を踏まえて申し上げれば、この判断になんら変化はありません。一方で、この2年間にアライアンスの中で、多くのことを自ら経験して学ぶこともできました。加えて、自動車産業を取り巻く環境も大きく変わっており、改めてアライアンスの目的、狙い、必要性を考えて、アライアンスメンバーが価値観を同じくして、前に進むことが重要であると強く認識しています」と述べた。
そのアライアンスの目的、狙い、必要性について、益子氏は「アライアンスメンバーであることに誇りを持てること。そして、働きがいを実感でき成果を上げることです。これらを実現するには、アライアンスパートナーがお互いをリスペクトし、対等平等の精神で仕事に取り組むことが必要だと考えています。現在われわれが直面する課題は非常に多く多岐にわたっており、1社ですべての課題に対処するのは現実的ではありません、信頼できるパートナーが必要です。とりわけ規模の小さい私どものような会社は、アライアンスの力を有効に活用していくことが不可欠だと考えています」とアライアンスの重要性を説いた。
さらにアライアンスで解決すべき課題について、益子氏は「課題としてCASEに代表される先進IT技術、その領域の強化がありますが、アライアンスの力を結集して取り組んでいくべき領域です。さらに切実なのは2021年から本格化する、欧州、中国で始まる環境規制への対応です。この課題にもアライアンスメンバーが得意な技術を持ち寄り、技術を相互補完する形が望ましいと考えています。シェアリングなどの新しいモビリティのビジネスモデルへの取り組みも、アライアンスの力を発揮できる分野だと思っています」と話した。
最後に「私どもとしてはサポートしてもらうだけでなく、アライアンスをウィンウィンにするために、われわれが強みを持っている地域と得意な商品を今後さらに強化して、アライアンスメンバーに貢献していきたいと考えています。アライアンスを建設的に推進して当社の持続的な成長につなげていくために、各メンバーが、改めてこれらの基本原則と、目的、狙い、必要性を確認して合意することが必要だと思います」との考えを示した。
記者から質問が出た持株会社を作ること関して、益子氏は「持株会社の話については、私は相談されていないのでここでは発言は控えるが、相談を受ければ、私自身、今の原則を持って考えていきたい」とコメントした。
また、「ゴーン氏の逮捕から2か月あまり、どのような心境で過ごされていた?」といった質問に対して、益子氏がゴーン氏への思いを語った。
益子氏は「去年の11月19日にこのニュースを最初に聞いて、何を言われているのか現実感がない、信じられない、よく分からない、といった素朴なものでした。それがだんだん報道の中で逮捕されたことが分かった。この何年間か一緒に仕事をしてきた中で、(逮捕されるような)そういうことは私どもは感じていなかったので、残念だなと思いました。一方でわれわれも内部調査をやってみなければならないということで、1月18日に公表させていただきましたが、不祥事がオランダの日産との合弁会社にありました。これを聞いたときは、非常に悲しいというか、寂しいというか、どうして、あまり論理的に心境を語るのは適切でなく、情緒的なことのほうが強かったですね。というのは、2年近く走ってきて、ここにきて少し三菱自動車の経営の仕方を見直そうかという話をしていたんです。すごくストレッチする経営から、もう少し現実に即した三菱自動車らしさを目指した経営にしようという話を始めたときでしたので、それをやっていればどうなったかというのは、ちょっと見てみたかった気がしますが、もうそれは見ることはできませんので、今度はわれわれ自身が三菱自動車のあるべき姿がどういうものなのか、自分たちで作り上げていきたいと思っています」と述べた。