ニュース

【フランクフルトショー 2019】メルセデス・ベンツ、「Vision EQS」でEV時代の高級車像を示す

2030年までに新車の50%を電動化

2019年9月10日(現地時間) 公開

IAA 2019でのメルセデス・ベンツの記者会見ではVision EQSが公開された

 メルセデス・ベンツブランドを展開する独ダイムラーは9月10日(現地時間)、ドイツ フランクフルトで開催されている「フランクフルトモーターショー 2019(IAA2019)」で、メルセデス・ベンツの新しい高級EV「Vision EQS」(ビジョンイーキューエス)を世界初公開した(Vision EQSの発表に関しては関連記事を参照)。

 2019年5月に前CEOのディーター・ツェッチェ氏の後を受けて新CEOに就任したオーラ・ケレニウス氏は「メルセデス・ベンツの未来は、持続的な成長が可能な豪華なクルマだ。メルセデス・ベンツはメルセデス・ベンツであることが期待されており、それが我々の存在意義である」と述べ、電動化車両(EV、PHEV、HVの総称)の時代でも、メルセデス・ベンツらしいクルマをリリースしていくと述べ、その例の1つが今回発表した「Vision EQS」だと紹介した。

メルセデスがメルセデスたるEV車がVision EQS、キーワードはサステナブル・モダン・ラグジュアリー

ダイムラーAG CEO オーラ・ケレニウス氏

 ダイムラーAG CEO オーラ・ケレニウス氏は「我々は現在、大きな変革期にある。それを300名の同僚と一緒にみなさんに説明していきたい。今年の終わりまでに多くの電動化された自動車を提供していく。我々は多数のオプションを用意している」と述べ、一昨年のフランクフルトショーの大きな話題の1つである電動化車両(EV=電気自動車、PHEV=プラグインハイブリッド、HV=ハイブリッド)の取り組みを引き続き推進していくことを説明した。

公開された高級EV「Vision EQS」

 その上で「メルセデスが提供する持続的な成長が可能な自動車は、同時に豪華(ラグジュアリー)である必要がある。Sクラスは、Sクラスである必要があり、メルセデス・ベンツはメルセデス・ベンツであることを期待されており、それが存在意義だ。我々のスマートなエンジニアがそれを実現してくれた」と述べ、高級EV「Vision EQS」を紹介した。ケレニウス氏は「Vision EQSは、サステナブルモダンラグジュアリーな車両だ」と述べ、Vision EQSが環境に配慮していて、持続的な成長が可能であり、現代的なデザインを持っており、そしてメルセデス・ベンツのSクラスなどに期待されている豪華さを実現した車両であることを説明した。

Vision EQS

 ケレニウス氏はVision EQSのデザインは1つのクリアなラインで構成されており、イルミネーションやLEDなどで新しいデザインのイメージを表現していると説明。「モダンラグジュアリー(現代風な豪華さ)はシンプルなデザインだ」とVision EQSのデザイン特徴を表した。

サイドウインドからもイルミネーションによる表現を見ることができる

2039年にカーボンニュートラルを実現する意欲的な取り組みAMBITION2039に注力、2030年までに新車の50%を電動化

GLEクーペ

 ケレニウス氏は、2039年にメルセデスが出荷する乗用車でカーボンニュートラル(炭素中立、CO2の排出と吸収が同じになること、実現すれば環境へのインパクトを大幅に減らすことができる)を実現する取り組み「AMBITION2039」に、今年の5月に次いで言及し、今後20年間で電動化車両への取り組みを行なっていくと強調した。また、2030年までには新車として販売される車両の50%を何らかの電動化(EV、PHEV、HV)して販売していきたいという意向も表明した。

Aクラス Plug-in-hybrid

 そうした電動化車両への取り組みとして、メルセデス・ベンツはいくつかの新しい車両を発表した。今回のフランクフルトショーで世界初公開となった新しい「GLE クーペ」は、4ドアクーペスタイルのSUV。350 d、400 dという6気筒ディーゼルエンジンを搭載した2つのグレードが当初は提供され、そのPHEV(プラグインハイブリッド)仕様が提供される予定だ。また、このほかにも、「Aクラス Plug-in-hybrid」などが紹介された。

300名の同僚が呼ばれて記者会見はフィナーレに

 講演の最後で、ケレニウス氏は300名のメルセデス同僚をステージに呼んだ。呼ばれたのはエンジニアなどの開発に関わる関係者や、ブランドアンバサダーを務める元F1ドライバーのデビッド・クルサード氏などで、最後にケレニウス氏と記念撮影を行ない会見は終了した。