イベントレポート

【東京モーターショー 2019】メルセデス・ベンツは「VISION EQS」やPHEVなど電動化モデル計13台を展示

アジア/ジャパンプレミア以外の発売モデルも

2019年10月23日 開幕

2019年10月25日 プレビューデー

2019年10月25日~11月4日 一般公開日

「VISION EQS」と、写真左からメルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 上野金太郎氏、ダイムラー メルセデス・ベンツ乗用車 海外セールス/マーケティング部門 最高責任者 マティアス・ルアーズ氏、ダイムラー メルセデス・ベンツ研究開発部門 アドバンスド・デザイン シニアマネージャー ホルガー・フッツェンラウブ氏

 10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回東京モーターショー2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。

 東京ビッグサイト 南1ホール(SP03)に位置するメルセデス・ベンツ/スマートのブースでは、「メルセデスの“いま”をお伝えする」をテーマに計13台の車両を展示している。

 10月23日に行なわれたプレスカンファレンスでは、冒頭にメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長 兼 CEO 上野金太郎氏が登壇。コネクト、自動運転、シェア&サービス、電動化の頭文字からとった「CASE」戦略について触れ、とりわけ「E」の電動化が必須の要素で、この推進のために立ち上げたのが、電動モビリティを包括するブランド「EQ」であることを説明した。7月には日本でメルセデス・ベンツ初のEVとなる「EQC」を導入。「ダイムラーは本年中に電気自動車とプラグイン・ハイブリッド車を20モデル導入し、2030年までにはその販売比率を50%以上にすると言及し、今後も電動化を加速させていく」と語った。

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 上野金太郎氏
「VISION EQS」が登場

 続けて「VISION EQS(アジアプレミア、参考展示)」が登場。ダイムラー メルセデス・ベンツ研究開発部門 アドバンスド・デザイン シニアマネージャー ホルガー・フッツェンラウブ氏が、「VISION EQSは“持続可能な現代的ラグジュアリー”のビジョンを形にした、21世紀の100%電動ラグジュアリーセダン」と紹介。デザインキーワードは“one bow(ひと張りの弓)”。「シャープな線が1本あればよい」「1つの弓形でフォルム全体を描き出す」という考え方にもとづくデザインであること、テールランプなどの照明機能を滑らかに統合していること、ボディ周囲を取り巻く“lightbelt”やデジタルLEDマトリックスグリル、DIGITALLIGHTヘッドライトで、周囲と光のシグナルでコミュニケーションができることなどを説明した。

ダイムラー メルセデス・ベンツ研究開発部門 アドバンスド・デザイン シニアマネージャー ホルガー・フッツェンラウブ氏

 VISION EQSは前後車軸に電動モーターを搭載。駆動方式は4WDで、出力は約350kWあり、トルクは約760Nm。0-100km/h加速は4.5秒未満と公表されている。WLTPモードで最大700km走行できる。

VISION EQS(アジアプレミア、参考展示)
VISION EQS

 続けて、ダイムラー メルセデス・ベンツ乗用車 海外セールス/マーケティング部門 最高責任者 マティアス・ルアーズ氏が、ディーゼルプラグインハイブリッド「E 350 de(ジャパンプレミア、発表モデル)」、燃料電池とバッテリーの両方をエネルギー源として搭載する独特なプラグインハイブリッドの「GLC F-CELL(ジャパンプレミア、発表モデル)」を紹介。続けて「スマート EQ フォーツー(アジアプレミア、参考展示)」、新型「Vクラス」「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+」「メルセデスAMG A 35 4MATIC Sedan」を紹介した。

ダイムラー メルセデス・ベンツ乗用車 海外セールス/マーケティング部門 最高責任者 マティアス・ルアーズ氏
「GLC F-CELL」と「スマート EQ フォーツー」が同時にアンベール
新型「Vクラス」がアンベール
「E 350 de」が登場
「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1」が登場

スマート EQ フォーツー(アジアプレミア、欧州モデル参考展示)

 スマート EQ フォーツーは、2人乗りのEV。スマートでは2018年に3気筒ガソリンエンジンは廃止され、EVのみの展開となっている。

スマート EQ フォーツー
スマート EQ フォーツー

E 350 de(ジャパンプレミア、発表モデル)

 クリーンディーゼル・プラグインハイブリッドのE 350 deと、ガソリン・プラグインハイブリッドの「E 350 e」を発表した。同日より注文受付を開始。価格はE 350 deが875万円、E 350 eが852万円。納車は12月以降を予定する。

モデルパワートレインステアリング価格
E 350 e アバンギャルド スポーツ直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ +プラグインハイブリッド8,520,000円
E 350 de アバンギャルド スポーツ直列4気筒 2.0リッター直噴 ディーゼルターボ +プラグインハイブリッド8,750,000円

 E 350 deは最高出力143kW(194PS)、最大トルク400Nmを発生する直列4気筒2.0リッター クリーンディーゼルターボエンジンが搭載され、組み合わせるモーターは最高出力90kW(122PS)、最大トルク440Nmを発生。システム総合では最高出力225kW(306PS)、最大トルク700Nmとなる。電気モーターのみで走行可能な航続距離は最長で50km(WLTPモードでの欧州参考値)。

 E 350 eは最高出力155kW(211PS)、最大トルク350Nmを発生する、直列4気筒 2.0リッターターボエンジンを搭載。組み合わせるモーターはE 350 deと同じで、システム総合では最高出力は235kW(320PS)、最大トルク700Nmとなる。電気モーターのみで走行可能な航続距離もE 350 deと同じ最長で50km(WLTPモードでの欧州参考値)。

 希望すれば、200V、30A(6.0kWh)に対応する交流普通充電器本体を無償提供するほか、設置にかかる費用負担を軽減するため10万円のサポートも実施される。

E 350 de
E 350 de

V 220 d アバンギャルド ロング(ジャパンプレミア、発表モデル)

 プレミアムミニバンの新型Vクラスを発表。同日より注文受付を開始した。価格は740万円~950万円。FRレイアウトで7名が乗車でき、左右両側の電動スライドドア、リアエンターテインメントシステムなど、充実した装備を持つミニバンモデル。フロントデザインを刷新し、2列目に高級感あるシートを装備させる「エクスクルーシブシートパッケージ」をオプションで用意するなど、さらに高級感を高めている。

モデルエンジンステアリング価格
V 220 d直列4気筒 2.2リッター直噴ディーゼルターボ7,400,000円
V 220 d アバンギャルド ロング7,640,000円
V 220 d アバンギャルド エクストラロング7,900,000円
V 260 アバンギャルド ロング9,500,000円

 ラインアップされる「V 260 アバンギャルド ロング」は、新型Vクラス発表を記念した全国限定105台の特別仕様車。納車は今回ブースに展示された「V 220 d アバンギャルド ロング」とV 260 アバンギャルドロングが2020年1月ごろ、そのほかのモデルは2020年春ごろを予定する。

V 220 d アバンギャルド ロング
V 220 d アバンギャルド ロング

メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1(ジャパンプレミア、発表モデル)

 メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+とメルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1を発表した。価格はAMG A 45 S 4MATIC+が790万円、メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1が919万円。同日より注文受付を開始し、納車は11月以降を予定する。

モデルエンジンステアリング価格
メルセデス AMG A 45 S 4MATIC+直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ7,900,000円
メルセデス AMG A 45 S 4MATIC+ Edition19,190,000円

 新設計の直列4気筒 2.0リッター直噴ターボ「M139」型エンジンを搭載し、最高出力421PS、最大トルク500Nm/5000-5250rpmを発生する。これは量産される2.0リッターの4気筒エンジンとしては世界最高としている。レブリミットは7200rpm。ターボチャージャーとエキゾーストマニホールドがエンジンの後方に、インテークマニホールドなどの吸気系がエンジンの前方に配置され、エンジン搭載位置を下げている。トルク可変配分4輪駆動の「AMG 4MATIC+」により、トルクの前後配分比率を前後100:0~50:50までの範囲で状況に応じて連続可変制御される。

メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1
メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1

メルセデスAMG A 35 4MATIC セダン(ジャパンプレミア)

 メルセデスAMG A 35 4MATIC セダンを発表し、同日より注文受付を開始した。価格は638万円。納車は12月以降を予定する。

モデルエンジンステアリング価格
メルセデスAMG A 35 4MATIC セダン直列4気筒 2.0リッター直噴 ターボ6,380,000円

 Aクラスなどの前輪駆動アーキテクチャーモデルに高出力なエンジン、トラクションを確保する4輪駆動システム、シャシー補強、サスペンションのセッティングなどで高次元のドライビングパフォーマンスを実現。従来の「メルセデスAMG 45シリーズ」より戦略的な価格設定がされている。

メルセデスAMG A 35 4MATIC セダン
メルセデスAMG A 35 4MATIC セダン

メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+

 メルセデスAMG独自開発となる初の4ドアクーペ。ツインターボチャージャー付の直列6気筒 3.0リッターエンジンを搭載し、トランスミッションには9速ATを組み合わせる。最高出力は270kW(367PS)。

メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+
メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+

GLC F-CELL(ジャパンプレミア、発表モデル)

 GLC F-CELLは、燃料電池とバッテリーの両方をエネルギー源として搭載。その電力で、最高出力147kW(200PS)、最大トルク350Nmを発生する。燃料電池が発電する電力のみで走行するモードでは336km以上の走行が可能で、バッテリーのみでは41km走行できる。燃料電池とバッテリーの双方を使用して加速性能や効率を高めるハイブリッドモードも搭載。価格は1050万円。欧州と日本でのみの販売予定で、日本での納車開始は2020年中ごろとなる予定。

GLC F-CELL
GLC F-CELL

メルセデス・ベンツ EQC

 7月に発表された、日本におけるメルセデス・ベンツ初のEV。SUVスタイルで、前後アクスルにそれぞれ1つずつモーターを搭載する4WDシステムを採用。2つのモーター総合で最大出力300kW(408PS)、最大トルク765Nmを発生する。

メルセデス・ベンツ初のEVとなるEQC
EQC
S 560 ロング ショーファー リミテッド
CLA 200 d クーペ
C 200 ローレウス エディション
GLC 300 4MATIC

 ブース内では、ライフスタイル商品「メルセデス・ベンツ コレクション」の販売も実施。東京モーターショー記念のミニカーも販売されている。

ライフスタイル商品「メルセデス・ベンツ コレクション」の販売
東京モーターショー記念の300 SL クーペ Wのミニカー
シュタイフのテディベア

村上俊一