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メルセデス・ベンツ、新型「GLS」の上半期導入など2020年に新モデル10車種発売
年頭記者懇談会に女子プロゴルファー 稲見萌寧選手も登場
2020年1月30日 08:00
- 2020年1月29日 開催
メルセデス・ベンツ日本は1月29日、東京 六本木の「Mercedes me Tokyo」で2020年の年頭記者懇談会を開催。メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が2019年の振り返りと2020年の事業方針、新たに導入を予定するモデルなどについて解説した。
2019年の振り返りでは、グローバルの新車販売で前年比1.3%増となる233万9562台を販売。過去最高記録の更新を果たし、9年連続で前年比増を達成したほか、プレミアムカーセグメントでも4年連続の首位になっているという。日本国内では2018年の6万7531台からわずかに減少した6万6523台の販売となったが、5年連続で純輸入車ナンバーワン、7年連続でプレミアムブランドナンバーワンになったとしている。
販売台数減の理由について、上野社長は「昨年に猛威を振るった自然災害によって一部のモデルで配車遅延が発生した影響」と説明。しかし、引き続き高水準であることがうれしいと語った。このほか、メルセデス・ベンツのシティコンパクトブランドであるスマートでは、モデルサイクルの端境期と電動化にシフトするタイミングが重なり、対前年19.3%減の1990台の販売となった。
2019年には中核モデルである「Cクラス」の大規模フェイスリフトが行なわれたほか、新しいコンパクトモデルを多数市場投入。また、人気を集めているSUVやハイパフォーマンスモデルに位置付けられるメルセデスAMGなども販売を牽引。コンパクトモデルでは2018年10月に発売した「Aクラス」がフルイヤー販売となり、さらに「Aクラス セダン」「Bクラス」「CLA」なども立て続けて発売。現在ではコンパクトモデルがメルセデス・ベンツの販売割合で約3割を占めているという。
また、新しい「GLC」「GLE」を発売したSUVは輸入車ブランド最多となる8車種をラインアップ。メルセデスAMGでは過去最多となる8000台以上を販売。中でも2019年から登場した「35シリーズ」や「AMG GT 4ドアクーペ」などが販売増に貢献している。
マーケティング活動ではより多くのユーザーに親しんでもらえるよう、2011年の開設から1000万人以上が来場しているブランド発信拠点のMercedes me Tokyoに加え、2019年は女性をターゲットとした「Mercedes me GINZA the limited store」を東京 銀座に期間限定オープン。12月から約1年限定の「Mercedes me@Shinagawa Prince Hotel」を品川プリンスホテルにオープンさせるなど、ユーザーとの新しい接点を作るため積極的に取り組んでいる。また、同じく12月には「Mercedes me Tokyo NEXTDOOR」内に新しい飲食店「Minatoya 3」をオープン。ここでしか食べられない専用メニューの肉そば「Minatoya 3 Vision“Mercedes-AMG GT Atatakai-Nikusoba”」を提供するなどユニークな活動も行なっている。
新型「GLS」を2020年上半期に導入予定
2020年の活動としては、新型モデルの市場投入で2019年同等の販売水準を目指す。魅力的な製品ラインアップとサービスの提供、幅広いマーケティング活動で新しいユーザーにブランド体験を提供しつつ、既存ユーザーの満足度を高めて継続的にメルセデス・ベンツ車を選んでもらうことに取り組み、「最も愛されるブランドへ」という2020年の目標を達成していくという。
具体策としては、2020年には新型モデル10車種を導入予定。新世代の「MFA2(モジュラー フロントドライブ アーキテクチャー2)」を採用するAクラス、Aクラス セダン、Bクラス、CLA、CLA シューティングブレークの5車種に、SUVの新型モデル2車種を追加して7車種のラインアップでさらなる拡販を図っていく。
SUVでは、最大のボディサイズと最上級のラグジュアリーテイストを持つ新型「GLS」を2020年上半期に導入予定。好調に推移しているメルセデスAMGの35シリーズのラインアップをさらに拡充し、より多くのユーザーにメルセデスAMGが持つドライビングパフォーマンスを提供していく。
また、独ダイムラーが提唱している「CASE」を推進するため、メルセデス・ベンツ初のEV(電気自動車)「EQC」や、クリーンディーゼルプラグインハイブリッドを採用する日本初の乗用車「E 350 de」、FCV(燃料電池車)として世界初のプラグインハイブリッドを実現した「GLC F-CELL」など、2019年にリリースした各電動モデルが本格的に配車が開始されるほか、新しい電動モデルの導入も予定しているという。
コネクテッド機能では、2018年10月に受注を開始したAクラスで導入がスタートした対話型インフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」はすでに販売モデルの約3割で搭載されており、この割合を2020年内に7割まで拡大する計画としている。また、将来的に自動車事故をゼロにしていくための重要なステップと位置付ける自動運転の関連技術では、すでに販売モデルのほぼすべてに安全運転支援システムを設定。1月から、CクラスやコンパクトモデルをWebサービス「プレオーダー メルセデス」経由で購入する人を対象に、安全運転支援システムの「レーダーセーフティパッケージ」を無償提供するキャンペーンも実施している。
シェアードサービスでは、2019年からメルセデス・ベンツ車を体感してもらうことを主眼にしてスタートしたレンタルサービス「メルセデス・ベンツ レント」を全国21拠点で実施しており、Aクラスで6時間7700円からという手ごろな料金設定や、Webサイトで手続きが完了する利便性などが好評を博し、休日などは予約でいっぱいになるケースもあるという。今後は拠点数や貸し出し車両の拡充を図り、さらなる利用増を目指していく。
女子プロゴルファー 稲見萌寧選手が「メルセデス サポート」契約選手に
このほか、メルセデス・ベンツのブランドに親しみを持ってもらうためのマーケティング活動として、モータースポーツやゴルフ、テニス、野球、自転車競技などのスポーツ支援を行なっており、中でもメルセデス・ベンツユーザーとの親和性が高いゴルフに注力して取り組みを実施。2012年から日本女子プロゴルフ協会、2019年から日本ゴルフツアー機構のオフィシャルパートナーを務めており、各地を転戦する選手の移動を支援する「メルセデス サポート」として7選手と契約。さらにこの会場で、女子プロゴルファーの稲見萌寧選手と新たに契約することも発表された。
アフターサービス体制を充実させて保有台数増に対応
このほか、販売好調が続いて国内のメルセデス・ベンツ保有台数が過去最高の76万台に達し、今後もさらに増加する見込みとなっていることを受け、サービスキャパシティを2023年までに2019年比で約16%拡大させることを計画。正規販売店を通じたメンテナンスを利用してもらいやすくするため、新車購入から5年間の維持費を車検時の諸経費を除いてセット価格にするサービスプログラム「あんしんMAX」を提案していく。
また、コネクテッド機能の「Mercedes me Connect」を使い、遠隔からの故障診断の実施、入庫前のパーツ発注などを可能としてスムーズなアフターサービスの提供が可能になるという。
最後に上野社長は「本年も魅力的なプロダクトとサービスの展開、ブランド体験の提供などを通じ、お客さまに愛され、選ばれるブランドになることを努力してまいります」と締めくくった。
会場では2019年に発売された新型車や改良モデルなどの車両展示を実施。中でも2019年2月にマイナーチェンジを行なった「メルセデス AMG GT」は、同社が車両を用意して展示するのはこれが初めてになるという。