ニュース

BMW、MINI史上最速の新型「MINI ジョン・クーパー・ワークス GP」日本初公開

MINI JCWから出力は75PS、トルクは130Nmアップ

2020年2月13日 公開

576万円

新型「MINI ジョン・クーパー・ワークス GP」を日本初公開

 ビー・エム・ダブリューは2月13日、2019年11月から予約受付を開始していたMINI史上最速モデルの新型「MINI ジョン・クーパー・ワークス GP(JCW GP)」を、東京 お台場で日本初公開した。世界限定で3000台が生産され、日本への割り当ては240台になる予定だ。価格は576万円。

 お披露目の会場となったのは、東京 お台場の日本科学未来館の地下駐車場。赤い照明に照らされる中、新型JCW GPが豪快な排気音を轟かせながら会場に乗り込んできた。後方にはJCWやJCW クラブマンの各モデルが連なっていた。

MINI ジョン・クーパー・ワークス GPが会場に

MINIの成功は、ディーラーとのONE TEAMであること

MINIディビジョン本部長のピーター・メデラ氏

 発表会で最初に登壇したのは“サニー”のニックネームを持つMINIディビジョン本部長のピーター・メデラ氏だ。

 メデラ氏は日本市場について紹介を行ない、「2019年、MINIは日本で2万3813台が販売され、5年連続で2万台を維持することができるとともに、現在世界で6番目の市場になっています。2002年3月2日から販売されたMINIは、今や5モデルのバリエーションがあり、ガソリン、ディーゼル、PHEV(プラグインハイブリッド)など多彩なパワートレーンとともにファンドライビングを提供してきました。2019年はMINIの60周年を迎えることができ、非常に誇りに思えるマイルストーンとなりました」。

「一方、2020年は今日お披露目する特別モデル以外にも、コンバーチブルサイドウォークエディション、コーンウォールエディションなどMINI クロスオーバーの新モデルが登場する予定です。また、今年はMINIの販売累計台数が30万台を超える予定で、これはすなわち日本がMINIを、そしてMINIが日本を大好きである証拠となります。また、MINIの成功にとって重要なのはディーラーのスタッフたちであり、“ONE TEAM”でユーザーの満足に注力したいと思っています」とコメントした。

新型GPは独ニュルブルクリンクで8分を切る

MINIディビジョン ブランドマネージメント&コミュニケーション マーケィング・マネージャーのアイリーン・ニッケイン氏

 次に登壇したMINIブランド・マーケティング・コミュニケーションマネージャーのアイリーン・ニッケイン氏はジョン・クーパー・ワークスについて振り返り、「MINIブランドのサブブランドとなるジョン・クーパー・ワークスは、エクストリームファン、すなわち極上のスリルを約束するために存在しています。精緻でパワフルで最高レベルのパフォーマンスカーです。車名となったジョン・クーパー氏とは、MINIのデザイナーであるアレック・イシゴニスのよき友人であり、ゲームチェンジャーである伝説のスポーツカーデザイナーです。旧型MINIのポテンシャルに早くから注目し、ジョンクーパー・ワークス車を作り上げ、1960年代のモンテカルロラリーで3度の優勝を果たしました。それが今のジョン・クーパー・ワークス車に繋がっています。その頂点に位置するのはレーシングカーであり、まさにジョン・クーパー・ワークス GPです。2006年に登場した初代GPモデルをドライブした人の感想は、『非常に生々しいドライブ体験で、運転するのが楽しくて仕方がない』といったものでした。2013年の2代目GPは、すでにBMWグループのメンバーになっており、エンジニアリングのレベルが上がりました。ドライバーのフィードバックは圧倒的なものでとにかく凄いという話で、ゴーカートのような反応が素晴らしいと大騒ぎになりました」とコメント。

 また、MINI ジョン・クーパー・ワークス GPについては「新型GPは独ニュルブルクリンクでの究極のテストを行ないました。世界最難関のレーストラックでのラップタイムが8分以内であれば偉業であると言ってよく、新型は7分56秒69を達成しました。真のスポーツカーの証明です」と紹介した。

306PS、0-100km加速5.2秒、最高速265km/h

MINIディビジョン営業本部長の山口智之氏(右)

 新型MINI JCW GPから降り立ったのは、MINIディビジョンの営業本部長である山口智之氏だ。紹介された新型のスペックなどは以下の通りになる。

 MINI JCW GPが搭載する直列4気筒2.0リッターガソリンターボエンジンは、最高出力225kW(306PS)/5000-6250rpm、最大トルク450Nm/1750-4500rpmを発生。エンジンクランクシャフト、ベアリング、ピストン、コネクティングロッド、バイブレーションダンパー、オイル供給とクーリングの両システムなど、パワーアップのための最適化を各部に施すことでベースモデルの「MINI JCW」から出力で75PS、トルクで130Nmアップさせることに成功した。8速ATとトルセンLSD(機械式リミテッドスリップ・デフ)を組み合わせた動力性能は、0-100km/h加速5.2秒、最高速265km/hを実現。歴代市販MINIの中で最速のパフォーマンスを発揮するとともに、スポーツエキゾーストシステムにより情熱的で力強いサウンドを奏でるという。

最高出力225kW(306PS)/5000-6250rpm、最大トルク450Nm/1750-4500rpmを発生する直列4気筒2.0リッターターボエンジン

 このほかの改良点は、エンジンマウント、ボディ構造、前後サスペンションシステムの変更による10mm低い車高、スポーツブレーキシステムなど多岐にわたり、サーキットでの走行性能が最大限にアップされている。この結果は如実に現れており、独ニュルブルクリンク北コースでのラップタイムは、先代JCW GPより30秒以上短縮した8分以内を記録したそうだ。

 3ドアハッチバックをベースにエアロダイナミクスを追求したエクステリアは、前後の大型バンパー、拡大したワイドトレッドに対応するハンドメイドのカーボンファイバー製ホイールアーチカバー、車両正面からも見える大型リアスポイラー(サイドにGPのロゴ入り)、ステンレス製センター出しダブルテールパイプなど、アグレッシブな専用装備を満載。カラーは見る角度によってライトグレーからブルーバイオレットに色が変化する新開発の「グレーメタリック」を採用し、アクセントでルーフとミラーキャップをメルティングシルバーで塗装した。

ボディカラーは専用開発の「レーシング・グレー・メタリック」を採用するとともに、ルーフとミラーキャップはメルティング・シルバーとした。足下は軽量鍛造18インチホイールにハンコック「VENTUS S1 evo Z」(225/35R18)の組み合わせで、専用サスペンションやスポーツブレーキシステムなども備わる
ワイドなトレッド、大きなフロントエプロン、張り出したホイールアーチカバーを備えたフロントデザイン、車両正面からも見えるリアスポイラーなどを採用したほか、ボディサイドに装備されたホイールアーチカバーはハンドメイドで成型されたカーボンファイバー製となる

 一方のインテリアは、先代と同様に後席を取り払った2シーター仕様とし、前席背後にクロスバーを配置してレーシーな雰囲気を醸し出した。パドルシフトは六角形の模様を刻んだ金属製とし、ステアリングホイールのスポークや助手席周辺のトリムストリップは3Dプリンターで成形したパーツを使用。デジタルメータークラスターが専用となるとともに、トリムストリップ部分には世界限定3000台のシリアルナンバーが刻印されている。

インテリアではリアシートを装備せず、フロントシートの後ろにはクロスバーのみを採用することでレースの雰囲気を演出。さらに六角形の模様が刻まれた金属性のパドルシフトや、ステアリングホイールのスポーク部と助手席まわりのインテリアトリムストリップなど、3Dプリンターによって成形したパーツを採用する