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アストンマーティン、「V12 Speedster」初公開。フロントウィンドウもない“圧倒的な2シータースポーツ”

生産台数は88台で価格は76万5000ポンド

2020年3月4日(現地時間) 発表

アストンマーティンの新型オープン2シーター「V12 Speedster」

 アストンマーティンは3月4日(現地時間)、新型オープン2シーター「V12 Speedster」を初公開した。88台が限定生産され、価格は76万5000ポンド(付加価値税込)。すでにオーダーを受け付けており、2021年第1四半期から納車を開始する予定。

 V12 Speedsterは、2013年にアストンマーティンの創立100周年に合わせて製作されたコンセプトカー「CC100スピードスター・コンセプト」の最新バージョンとして位置付けられるモデル。

 大排気量エンジンを搭載することを示す長いフロントセクションとコンパクトに集約された2人分の乗員スペースを備え、ルーフやフロントウィンドウも持たない一方で左右のシート間を分断する“背骨のような形状”のコンポーネントを設定。大胆でエモーショナルなスタイリングをさらに強調するため、航空機メーカーのボーイングとのコラボレーションを実施。アメリカをはじめ多数の国で採用されている戦闘機「F/A-18 ホーネット」をモチーフとして、ボディカラーに「スカイフォール・シルバー」が与えられている。

アストンマーティン V12 Speedsterイメージムービー(7分45秒 無音)

 プラットフォームは「DBS スーパーレッジェーラ」「ヴァンテージ」などのエレメントを流用し、最新の接着アルミニウム構造を採用。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式で、「スポーツ」「スポーツ+」「トラック」の3モードを用意するアダプティブ・ダンピングも採用。フロントに410mm径、リアに360mm径のディスクを備えるカーボンセラミック・ブレーキを標準装備し、セントラルロック・メカニズムの21インチ鍛造アロイホイールも標準装備となる。また、ボディ外板はそのほとんどがカーボンファイバー製になるとのこと。

 パワートレーンでは、最高出力700HP、最大トルク735Nmを発生するV型12気筒DOHC 5.2リッターツインターボエンジンをフロントミッドに配置。ZF製8速ATを介して路面に伝え、100km/h加速は3.5秒、最高速は300km/hとしている。また、V12 Speedster専用のエキゾーストシステムが用意され、野太く爽快なエキゾーストノートを響かせるという。

V12 Speedsterはボーイングとのコラボレーションにより、ボディカラーに戦闘機「F/A-18 ホーネット」をモチーフとした「スカイフォール・シルバー」が与えられている

 外観ではアストンマーティンモデルの特徴的なフロントグリルやヘッドライトによってフロントマスクを構成しつつ、V型12気筒という大型のエンジンを搭載するスペースがあることを視覚的にアピールするため、「ノストリル」と呼ばれるデザインエレメントをボンネット上に採用。幅広いショルダーや2つのハンプ、低く軽快なリアエンドなどにより、このモデルが持つドライビングパフォーマンスをドライバーの感性に訴えかける。

 インテリアでも“新たな限界に挑戦”しており、素材面で伝統とモダンを融合。構造部材として機能するサテン・カーボンファイバーと伝統あるハンドクラフト・サドルレザーやクローム、アルミニウム、3Dプリント・ラバーなどを見事に調和させ、視覚と物理の両面でインテリアの重量感を軽減。スリムで効率的なスタイルを確立している。

アストンマーティンモデルの特徴的なフロントグリルなどを受け継ぎつつ、「ノストリル」と呼ばれるボンネット上のデザインエレメント、2つのハンプなどが新たな個性として与えられている
“背骨のような形状”のコンポーネントは、シートに座る乗員にとっても大きなデザイン上のアクセントになる
ハンドクラフト・サドルレザーによる上質感とカーボン素材が生む先進性を兼ね備える
ボーイングとのコラボレーションによる演出は車内にも施されている

 発表内でアストンマーティン・ラゴンダ 社長兼グループ最高経営責任者(CEO)のアンディ・パーマー氏は、「本日、アストンマーティンの最新かつもっともエキサイティングなスペシャル・モデルを披露できることに大きな誇りを覚えています。V12 Speedsterは、Q by Aston Martinチームの多彩な能力と決意を雄弁に物語っています。チームメンバーは、最も要求が厳しく、情熱的なお客さまに向けて、圧倒的な2シーター・スポーツを創造することに全精力を傾けました」と述べている。

V12 Speedster