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出光興産、超小型EVを活用したカーシェアリングの実証実験の国内2か所目を開始
岐阜県飛騨市・高山市に続き、千葉県館山市にて実施
2020年5月21日 16:37
- 2020年5月21日 発表
出光興産は5月21日、千葉県館山市で超小型EV(電気自動車)を活用したカーシェアリング事業「オートシェア」の実証実験を開始したと発表した。
これは2019年8月に開始した岐阜県飛騨市・高山市に続き、2か所目となる。本実証では、車両を充電するカーポートに、子会社のソーラーフロンティアにて開発中の軽量CIS太陽電池を設置し、再生可能エネルギーで走行するEVを活用したシェアリング事業の実証を行なうもの。
出光興産は、環境負荷低減を見据えた次世代事業の創出を重要な経営課題と捉える一方で、地域の重要なエネルギーインフラを担うSSネットワークを維持するために、デジタル技術を活用しながら、さまざまなサービスを展開してSSネットワークの新たな価値創造に取り組んでいる。その1つとして、2019年8月より岐阜県飛騨市・高山市で、超小型EVを活用したカーシェアリング「オートシェア」の実証実験を開始し、公共交通機関が乏しい地方部における超小型EVを活用したMaaSの有用性について検証を進めている。
軽量CIS太陽電池付のカーポート
新たに実証を開始する館山市では、出光興産系列の販売店である丸高石油に、タジマモーターコーポレーションが開発する超小型EV「ジャイアン」を計4台貸与し、一般と法人を対象にカーシェアリングサービスを提供する。
今回の実証では、車両を充電するカーポートの屋根に軽量CIS太陽電池を設置することで、再生可能エネルギーで走行するEVシェアリングサービスを提供する。この軽量CIS太陽電池は、パネルの表面材と基板を従来のものから変更することで、従来のCIS型太陽電池と同等の出力・特性を維持しながら重さを3分の1程度に押さえつつ、「割れない」「曲がる」という特性を実現したものだという。
さらにカーポートにはダイヘンが開発した非接触充電設備を利用し、軽量CIS太陽電池で発電された電気をワイヤレスで車両に充電する。自然災害が多い日本では、災害時にも安定的に電力供給ができる地域マイクログリッドの必要性が提唱されており、本実証を通じて地産地消型の分散電源を活用したMaaS事業の可能性を検証し、新しいモビリティ社会の創出に取り組むとしている。
オートシェアについて
オートシェアは超小型EVを活用した一般・法人向けのカーシェアリングサービスとなる。館山市では地元企業や駅前など駐車場3か所をカーステーションとし、地元住民の買い物など、近距離移動の足としてカーシェアリングサービスを提供する。
一部車両は、丸高石油から地元企業に貸与され、平日は営業車として使用され、休・祝日は一般向けあるいは別の企業向けにカーシェアリング車として貸し出すとしている。またオートシェア公式サイトから無料会員登録をすることで、誰でも手軽に次世代のモビリティが体験できる。
なお、本実証実験は、館山市の了承のもと、国土交通省が掲げる「超小型モビリティの認定制度」に基づき申請し、関東運輸局より認定を受けており、館山市内の決められた区間での公道走行が認められている。