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トヨタとデンヨー、水素で発電する「FC電源車」 連続約72時間の給電と約450Lの生成水を活用

9月より実証運転開始

2020年9月17日 発表

FC電源車(完成車両イメージ)

 トヨタ自動車とデンヨーは9月17日、水素を使って発電するFC電源車(燃料電池電源車)を共同開発したと発表した。連続約72時間の給電を実現するとともに、発電時の生成水をシャワーなどへ活用可能として、今後、実証運転を通じて実用化に向けた取り組みを進めていくとしている。

 両社が共同開発したFC電源車は、トヨタの小型トラック「ダイナ」をベースに、動力源にはFCV(燃料電池自動車)「MIRAI(ミライ)」に搭載されているFCシステムを活用し、電力供給のためにデンヨーが開発したFC専用給電機器を搭載した。また、長距離移動・長時間発電を可能とするように、水素約65kgを搭載できる水素タンク27本を採用した。

 これにより、連続発電時間は発電時最大出力8.5kWで約72時間(片道約100km・往復約200kmの場所まで行って給電する場合を想定し、往復の走行用水素量を確保した上での発電)、発電時には約450Lの生成水(最大発生量)も発生するという。

 この取り組みは、環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の採択を受けて実施されるもの。デンヨーとトヨタは、温暖化防止に向けたCO2排出量の削減や大気汚染防止のためには、商用車・産業車両の燃料電池化が必要であると考えるとともに、電動車が社会システムの中において提供できる重要な価値の1つとして、災害発生時や屋外イベントなどさまざまな場面において、必要な時に必要な場所で大量の電力を供給することができる機能があるという。

 今後、9月より実証運転を行ない、従来型のエンジン式発電機と比べて、さまざまな負荷機器への影響、CO2の排出削減量などFC電源車ならではの効果を検証していくとしている。

FC電源車の基本スペック

車両
全長×全幅×最高地上高:6.380×2.220×2.240m
総重量:7.265t

搭載水素
高圧水素タンク本数:27本
タンク内容積:1626L
水素貯蔵量:約65kg

給電機能
定格出力:三相出力・単相出力合計8.5kW
供給電力量:約612kWh
定格電圧/相数/周波数:AC200V・AC100V/三相4線・単相3線/50・60Hz
連続発電時間(発電時最大出力8.5kW):約72時間(片道約100km・往復約200kmの場所まで行って給電する場合を想定し、往復の走行用水素量を確保した上での発電)

生成水(最大発生量):約450L