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トヨタとホンダ、燃料電池バスで電気を届ける「ムービングイー」の実証実験開始 災害時の電力確保へ
移動式発電・給電システムを構築して電気を届ける実証実験
2020年8月31日 19:11
- 2020年8月31日 発表
トヨタ自動車と本田技術研究所は8月31日、災害時の電力確保を目指して、トヨタの燃料電池バスとホンダの可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを組み合わせた移動式発電・給電システム「Moving e(ムービングイー)」を構築して、いつでも・どこでも電気を届ける実証実験を開始すると発表した。
トヨタとホンダは、近年、台風や豪雨などの災害により送電網がダメージを受け、家庭や避難所に電気が届かないという問題に対して、両社の技術を持ち寄り移動式発電・給電システムのMoving eを構築した。
電気を届けるという実証実験は、移動式のシステムであるMoving eについて、災害時には災害対応の一助として被災地で電力供給を行なう一方、平常時にもイベントなどで日常的な活用が可能な“フェーズフリー”のシステムとして、ニーズや使い勝手を検証するもの。
両社が構築したMoving eは、トヨタの燃料電池バス「CHARGING STATION(チャージングステーション)」と、ホンダの可搬型外部給電器「Power Exporter(パワーエクスポーター)9000」、可搬型バッテリー「LiB-AID(リベイド)E500」「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」、モバイルパワーパックの充電・給電器「Honda Mobile Power Pack Charge&Supply Concept(チャージアンドサプライ コンセプト)」で構成される。
実証実験では、CHARGING STATIONにすべての機材を積み込んで必要な場所へ移動し、電気を供給。具体的には燃料電池バスを電源とし、可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを用いてバスから電気を取り出し、電気製品に電気を供給する。
トヨタの燃料電池バスのCHARGING STATIONは、従来型の「トヨタFCバス」をベースに、高圧水素タンクの本数を倍増させて水素搭載量を大幅に増やすことにより、高出力かつ大容量の発電能力(最高出力18kW、発電量454kWh)を備えており、災害などによる停電時にはPower Exporter 9000を介して、発電した電気を可搬型の大容量バッテリーのHonda Mobile Power PackやLiB-AID E500に貯めることで、避難所などの屋内や車内などで電気が使用できる。
また、CHARGING STATIONには車内に仮眠が取れるスペースを作っており、災害発生時には、休憩の場所としても活用することができるとしている。
今後、Moving eは、実証に協力してもらえる自治体や企業に活用してもらうことで、日常時や非常時にも役立てる「フェーズフリー」なシステムであることを実証していく。