ニュース

災害時に電動車の給電機能活用。国交省と経産省が周知に向けマニュアル公表

2020年7月10日 発表

主な車種の外部給電機能について

 国土交通省と経済産業省は7月10日、非常時にEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)、HV(ハイブリッド車)などの電動車から給電できることを周知するため、電動車保有者や電動車の活用を検討している自治体などの参考となるマニュアルを作成して公表した。

 国交省では7月6日に防災・減災対策本部を開催して「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」をとりまとめ、その主要施策の1つとして電動車の給電機能の活用を進めることにした。

 国交省と経産省が連携して作成したマニュアル「災害時における電動車の活用促進マニュアル」では、電動車を保有者や電動車の活用を検討している自治体などの参考となるよう、電動車の外部給電機能、給電時の注意事項などをまとめた。

 電動車では、ハイブリッド車を含めて100V用電源コンセントを利用可能な車種も多く存在しているが、これら電動車の保有者の中には電動車から給電ができることを認識していない人もいるといった課題があるとしている。

 実際に、令和元年房総半島台風(第15号)による停電の際には、自動車メーカーが被災地に電動車を派遣して、外部給電機能を活用した活動を行なっており、具体的には、避難所での携帯電話の充電や乳幼児、高齢者などがいる個人宅や老人ホームなどでの給電を行なっている。

 今後、国交省と経産省は連携しながら、同マニュアルを用いて自治体などに対して、災害時における電動車の活用について周知、啓発を行なっていくとしている。

 なお、注意事項として災害などで浸水・冠水した車両については、感電・火災が発生するおそれがあるので使用しないでほしいと呼びかけている。

国交省と経産省が連携して作成した「災害時における電動車の活用促進マニュアル」