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トヨタ、1500Wの電力を供給できる新型「ヤリス」は“災害時の備え”としても選ぶ価値あり
新型ヤリス ワークショップレポート(外部給電システム編)
2019年10月18日 10:00
トヨタ自動車は10月16日、新しいコンパクトカー「ヤリス」を公開した。ヤリスは長年トヨタのコンパクトカーの中心的地位にあった「ヴィッツ」の4代目にあたるモデルで、新型モデルから世界統一名称として車名をヤリスに変更。トヨタが考える新世代のコンパクトカーを具体化したものになっている。
東京 お台場で開催された発表会では、ヤリスの特徴を解説するために「デザイン」「パワートレーン」「プラットフォーム」「安全装備」「駐車支援」「外部給電システム」6項目でワークショップに開催したので、その内容を1つずつ紹介していく。
本稿ではヤリスを含め、現在トヨタが力を入れてラインアップを広げている「外部給電システム」について取り上げる。
トヨタではハイブリッドカーやPHV(プラグインハイブリッドカー)、FCV(燃料電池車)に1500Wの外部給電機能を設定している。ヤリスのラインアップにはリダクション機構付のTHS II(M15A 1.5リッター“ダイナミックフォースエンジン”)を搭載したハイブリッドモデルが設定されており、このクルマにも最大1500Wの給電が可能な外部給電機能である「AC100V アクセサリーコンセント」がオプション設定されることになった。
この装備は車内でAC100V 最大消費電力1500W以下の電気製品を使用できるようにするもの。使用方法はパーキングブレーキを掛けてさらにフットブレーキを踏む。その状態で「READYインジケーター」が点灯していることを確認し、ダッシュボード右下にある「AC100V」スイッチを押すと作動状態になる。走行用バッテリーがフル充電の状態では、1500Wをフルに使った状態でも2~3時間は持つということだ。なお、使用する電気の容量が1500Wを超えてしまった場合、クルマ側の保護機能が働いて電気をシャットダウンする安全機能も備えている。
外部給電機能には車両の走行機能を停止して“発電機的に使うモード”もあり、この状態ではガソリンが満タンであれば4日ほど電源として使用できるということだ。この数値は電気製品の使用状況や外気温などによっても変化するが、それでも電気がない場所で複数の家電製品を動かせるほどの電気の給電が可能になるということは、アウトドアレジャーだけでなく、災害などの影響で停電が起きた際にとても心強いものとなる。
クルマを購入する理由は移動や運搬の手段としての利用が基本になるだろうが、最近は自然災害による長期停電などのニュースを目にすることが多いだけに、外部給電システムがあるクルマを選ぶといざという時の備えにもなる。この点が世間に認知されてくると、クルマを所有する理由に「災害時の備え」という項目が追加されるようになるかもしれない。