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写真で見る トヨタ「ヤリス」(世界初公開)
2019年10月16日 15:00
トヨタ自動車「ヤリス」は新世代のコンパクトカー。初代モデルは日本では「ヴィッツ」として1999年にデビューし、4代目となる新型からは海外モデルと同じヤリスとして販売されることになる。今回はワールドプレミアのため概要のみの公開で、スペックなど細かな数値は未発表。正式発表は12月中旬、発売は2020年2月中旬が予定されている。
ヤリスの最大の特長となるのが、コンパクトカー向け「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に基づいた「GA-Bプラットフォーム」を採用したこと。これにより既存の「プリウス」などと同じく、軽量&高剛性、低重心ボディを実現。具体的には現行型より車両重量を50kg軽量化するとともに、ねじり剛性を30%以上高め、重心高は15mm下げられている。ボディサイズは3940×1695×1500mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2550mmと、ほぼ現行型と同等の数値をキープ。最小回転半径も4.8mと同等だ。
パワートレーンはガソリンエンジン2タイプとハイブリッド1タイプの計3タイプが用意される。
ハイブリッドは新型1.5リッターガソリンエンジンとの組み合わせとなるハイブリッドシステム(THS II)を新開発。「ダイナミックフォースエンジン」と名付けられた1.5リッターユニットは、直列3気筒で97.6×80.5φとロングストローク化。高圧縮比化されていることに加え、吸排気ともに可変バルブタイミング機構「VVT-iE(吸気側)」「VVT-i(排気側)」を備えるなど、出力と燃費の向上が図られている。現時点で細かい数字は発表されていないものの、全域でトルクアップを果たしているという。ハイブリッドユニットはリチウムイオンバッテリーや高出力モーターの採用により、現行型よりモーター出力を約30%アップするとともに、燃費面でも伝達損失を約30%抑えることで省燃費化。駆動方式は2WD(FF)のほか、同社のコンパクトカーでは初採用となる電気式4WD「E-Four」が設定されている。
1.5リッターガソリンエンジンはTNGAコンセプトに基づいた、新開発の直列3気筒直噴ユニット。現行型に設定されている1.3リッターユニットより、全域で30%ほどのトルクアップを果たしているという。駆動方式は2WD(FF)と4WDで、組み合わされるトランスミッションは発進ギヤ付の「Direct Shift-CVT」と6速iMT(2WD車のみ)となる。
1.0リッターガソリンエンジンは、現行型にも搭載されている「1KR-FE」を継承。ただし、全域希薄燃焼化による燃費向上に加え、6kgもの軽量化が図られている。トランスミッションは改良型の「Super CVT-i」で、変速比幅を低速側に12%、高速側に4%拡大することで燃費改善にも寄与する。駆動方式は2WD(FF)のみ。
安全装備面ではミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「Totota Safety Sence」を標準装備。歩行者や自転車(昼間)検知を行なうプリクラッシュセーフティは、トヨタ車初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者検知機能を追加。さらに、こちらもトヨタ車初となる「低速時加速抑制」をはじめ、「レーダークルーズコントロール」「レーントレーシングアシスト」「オートマチックハイビーム(AHB)」「ロードサインアシスト(RSA)」などを備えている。
注目機能となるのが駐車支援機能「Advanced Park」。こちらもトヨタ車初となる装備で、これまでのシステムと異なり、ステアリングだけでなくアクセルやブレーキまで車両が制御。ドライバーはシフト操作のみで駐車が可能となる。さらに駐車位置を登録しておくことで、白線が引かれていないスペースでも利用できる機能も備えている。
コネクティッド機能は先ごろ発表となった「カローラ」とほぼ同様で、ディスプレイオーディオと、auの4G回線を利用するDCM(車載通信機)が標準装備となる。「Apple CarPlay」や「Android Auto」を利用するためには地デジチューナーとのセットオプション(税別3万円)を購入する必要がある点も変わらない。
グレードは1.0リッターガソリン車が「X」「X“M package”」「G」の3タイプ。1.5リッターガソリン車と1.5リッターハイブリッド車は、それぞれ「X」「G」「Z」の3タイプを用意。ボディカラーはモノトーンがトヨタ初採用の「コーラルクリスタルシャイン」「アイスピンクメタリック」など12色を用意するほか、ルーフを「ブラック」や「ホワイト」に塗り分ける2トーンカラーを6タイプ用意する。