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内閣官房、2050年カーボンニュートラルに向けたグリーン成長戦略など成長戦略実行計画案公開
2021年6月3日 19:10
- 2021年6月2日 開催
内閣官房は、6月2日開催の第11回成長戦略会議の配布資料を公開。2050年カーボンニュートラルに向けたグリーン成長戦略などを盛り込んだ成長戦略実行計画案を示した。
その中で自動車に関連するものとして、2050年カーボンニュートラルに向けて、2030年までに1000基程度の水素ステーションを整備、EV用急速充電設備を3万基設置し、遅くとも2030年までにガソリン車並みの利便性を実現させるなどの計画が示された。
公開された成長戦略実行計画案は第1章~第16章からなり、2050年カーボンニュートラルに関連して「第3章 グリーン分野の成長」、第4章「グリーン成長戦略に向けた新たな投資の実現」が示され、「脱炭素化を目指し、グローバルにサプライチェーンの取引先を選別する動きも加速しており、温暖化への対応が成長の成否を決する時代に突入している。再生可能エネルギーを最大限導入する必要がある。2050年カーボンニュートラルという高い目標の実現に向けて、グリーン成長戦略の具体化を進める」などと狙いが記された。
自動車分野においては、第3章「グリーン分野の成長」の中で、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化を目指し、エネルギーの脱炭素化と合わせて、包括的な支援策を実施し、電動化を推進する。電気自動車・燃料電池自動車等の導入促進に加え、電池の次世代技術開発・製造立地推進、水素ステーションの整備、電気自動車向けの急速充電設備の整備等により、電動車について、遅くとも2030年までにガソリン車並みの経済性・利便性を実現するとの計画が示された。
また、第4章「グリーン成長戦略に向けた新たな投資の実現」の中では.水素ステーションの整備については、燃料電池自動車・燃料電池バス及び燃料電池トラックの普及を見据え、2030年までに1000基程度の水素ステーションについて、人流・物流を考慮しながら最適な配置となるよう整備する。バスやトラックなど商用車向けの水素ステーションについては、事業所専用の充填設備も含め、整備を推進するとした。
電気自動車向けの急速充電設備の整備については、充電設備の不足は、電気自動車普及の妨げとなる。急速充電設備を3万基設置し、遅くとも2030年までにガソリン車並みの利便性を実現するよう、強力に整備を進めるとの計画が示された。
なお、カーボンニュートラルに伴う産業構造転換として、2050年カーボンニュートラルに伴う産業構造転換を支援するとして「例えば、自動車の電動化に伴い、エンジン部品サプライヤーが電動部品製造に挑戦したり、ガソリンスタンド・整備拠点が地域の新たな人流・物流・サービス拠点・EVステーション化したりする等の攻めの業態転換を支援する。あわせて、産業構造転換に伴う失業なき労働移動を支援する」との文言も盛り込まれた。