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SUPER GT坂東代表記者会見、2022年のレースカレンダーは国内8戦で距離は360km程度へ延長

SUPER GTのプロモーター、株式会社GTアソシエイション代表取締役 坂東正明氏

 SUPER GT第4戦もてぎが7月17日~18日の2日間にわたってツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催されている。18日午後の決勝レースに先立つ午前、SUPER GTのプロモーターであるGTアソシエイション 坂東正明氏による代表定例記者会見が実施された。坂東代表からは、「来年もタイとマレーシアへの渡航は難しいと考えており、国内で8戦、鈴鹿と富士が2戦ずつ、そこに岡山の開幕戦、スポーツランドSUGO、オートポリス、ツインリンクもてぎで1戦ずつというスケジュールを検討している」
と、来期以降のカレンダーに対する希望意向表明が行なわれた。2022年のSUPER GTに関しては国内で8戦が行なわれる可能性が高い。

ワクチンの接種が進んでもパドック内のPCR検査を継続していく

──では冒頭に坂東代表からコメントを。

坂東氏:5月からのスケジュールで、間が大分空いてしまった。スケジュールの変更で鈴鹿の延期などがあったが、2か月半もレースがないという状況の中で、自分はレースが必要な体質なのだと再確認した。コロナの影響の中でイベント行事をやっていくのにそれなりに影響が出てしまっているが、それでもそこから立ち上がり、きちんとイベントを運営して最後までやり通すことが大事だ。

 そうした状況の中でモータースポーツのファンに、サーキットに来ることができない方にもきちんと情報を届けていくことが大事で、ファンの皆様との絆を維持していくことが重要だ。メディアのみなさまにも協力しながら取り組んで行きたい。

 ここまで、チーム、メーカー、ドライバー、プロモーター、オーガナイザー、みんなが協力してイベントを作り上げてきた。今後もSUPER GTを盛り上げていけるように一丸となってがんばっていきたい。

──第3戦の鈴鹿が延期になってことで、第4戦が第3戦よりも先に行なわれる。その第3戦鈴鹿は1000kmレースではないが、夏という恒例のタイミングに戻ってくることになった。その経緯を教えてほしい。

坂東氏:三重県がステージ4になり、鈴鹿では病院のベッドを確保しているという話だったし、我々のイベントに向けてはPCR検査も行なっているが、事故が起こったときを考えると、やってやれないことはなかったが、地元への影響なども考慮してやむを得ずに延期した。

 そうしたときに元々はSROがやっていたSuzuka 10hが海外からの機材や物資などの搬入、そしてスタッフの入国や入国した後の2週間の隔離などさまざまな条件を考慮した結果難しいということもあり、ここの日にちが空いていた。ほかの日付も検討したり、鈴鹿以外でという可能性、さらには最終戦に鈴鹿を持ってくるなども考慮したが、オーガナザーとも話し合った結果、さまざまな選択肢の中からこのスケジュールがベストだと判断してこの日付になった。

──GTAなどの努力によってパドックに入る関係者に対してはPCR検査が行なわれている、モータースポーツの場合は、最初からパスコントロールがあるので円滑に入場制限が行なわれている。そうした中で、ワクチンの接種では65歳以上が70%になり、現役世代にも接種が進んでいる。それと同時にワクチンパスポートというのが発給されることも検討している。基本的には海外渡航メインになるだろうけど、そうしたものの利用の可能性は?

坂東氏:現在のワクチンの接種が進めば、2回受ければ渡航時に2週間の行動制限が3日になるなどがワクチンパスポートの考え方だと思う。現在我々の体制としては、パドックに入る全員にPCR検査を義務づけている。仮にみんながワクチン接種することになれば、ほかの運用にするということは考えられる。

 しかし、現状としては2回受けている人、1回しか受けていない人、受けていない人と異なる状況の関係者が混載している状況。したがって現状でPCR検査をなくそうとかいうのは難しい。実際我々のPCR検査も1800人からの関係者が受けて、関係者で1人だけ陽性が出たという状況で、我々が予想していたよりも出ていない現状だ。関係者全員が意識的に健康管理を行なない、検温、マスク、手洗いなどの取り組みを行なっている結果だと考えている。我々のやり方はパドックとそれ以外の導線をキッチリわけて、それははかのプロモーターやオーガナイザーにも参考していただいている。

 こうした取り組みは鈴鹿でも変わらず行なう計画だ。お客さまに対しては何らかの対応はありかもしれない。

2022年は国内で8戦、マレーシアなどの国外戦は2023年のウインターシリーズとして検討。2022年のレース距離は360km程度になる見通し

──2022年度のカレンダー、JAFへの申請はこれからだと思うが、海外戦も含めてどう進めて行くのか? 2023年度も含めてどうするのか?

坂東氏:各オーガナイザー(サーキットなど)に対してこのスケジュールで出してほしいという書類は提出している。あくまでスケジュールを最終的に決めるのはJAFなので、その発表をお待ちいただきたいが、われわれの意向としてはマレーシアとタイへの渡航は依然として難しいだろうと判断しており、来年も国内8戦にしたい。開幕戦は今年と同じく岡山で、富士と鈴鹿が2戦ずつ、スポーツランドSUGO、オートポリス、ツインリンクもてぎがそれぞれ1戦ずつで11月の初旬に終わるようなスケジュールを考えている。

(例年スケジュールの過密問題が業界全体の課題となっているので)2週間程度は、SUPER GTに関わるメンバーはお休みを取るという仕組みにするということを今後提案してみようと思っている。

 また、来年は11月の初旬で終わるようなスケジュールを考えており(今年は富士が最終戦で11月末)、その後年末からマレーシアにいってテストをすることも検討していきたい。そして、その後再来年の1月か2月にウインターレースとして向こうで開催することができないかということを検討している。それを見越して、来年の開幕戦のスケジュールも、通常は4月の2週目にやっているが、それを3週目にして、2023年にウインターシリーズをやってみたときに帰って来られるかどうかをテストする。そうした形で海外戦は今後検討していきたいと思っている。

 また、環境に関する取り組みもマニファクチャラーと相談しながら進めていきたい。チームのコストとの関係や、どこからできるのかなどを相談しながら、F1、WEC、WRCなどで導入が検討されているEフューエルの導入を進めていきたい。その導入には石油業界とも相談しないといけないし、トヨタ、日産、ホンダの3社とも相談しながらやっていきたい。

 タイヤの持ち込みセットやタイヤもより長く持つ方向で検討していきたい。今よりも少ないセットで走れるタイヤ作り、エンジンも長く持つモノを作ってもらう。開発には「距離」という概念を導入してもらうことで、多少ギリギリかもしれないけど、ピットストップの燃料補給でギリギリになるような距離にしたい。そうすると、より長く持つタイヤを開発する方向にシフトしていくだろうと考えている。

 最終的にどういう形でカーボンニュートラルを実現していくのかは、国の政策などにも関係してくる。日本にあったカーボンニュートラルが必要だと考えている。ただ、五感を損なうようなモータースポーツはあり得ないと考えており、それを損なわずにどのように実現していくかを検討していく。

 トヨタやホンダは同じエンジンを利用してスーパーフォーミュラもやっており、そことの関係性も重要だ。そのあたりはきちんとトヨタやホンダとも話をしながらやっていきたい。

──レース距離は320kmや330kmをイメージしているのか(現行のSUPER GTのレースは短くて250km、通常は300km、長いレースで500km)? またそれは来年から導入されるのか?

坂東氏:来年からの導入を検討している。距離に関してはもう少し長くないと意味がないので、360km程度になると考えている。マニファクチャラーなどとも相談しながら我々が決断していきたい。