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ダイハツ、軽商用車向けFR/4WD車用CVT開発で「第55回市村産業賞 貢献賞」受賞

2023年3月13日 発表

軽商用車「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット トラック」「アトレー」に搭載されるFR用CVT

 ダイハツ工業は3月13日、軽商用車「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット トラック」「アトレー」に搭載されたFR/4WD車用CVT(無段変速機)の開発テーマ「後輪/四輪駆動軽商用車向け無段変速機の開発」が、市村清新技術財団より「第55回市村産業賞 貢献賞」を受賞したと発表した。

 同賞は、優れた国産技術を開発することで、産業分野の発展に貢献・功績のあった技術開発者に贈られるもので、ダイハツの同賞の受賞は、「インテリジェント触媒(自己再生型自動車排ガス浄化触媒)の研究」で第35回市村産業賞 貢献賞を受賞して以来、20年ぶり。受賞者は、米本真也氏、人見貫也氏、荒井理氏の3名となる。

 ダイハツが開発したFR/4WD車用CVTに採用された主な技術としては、低燃費技術の「アウトプットリダクション方式CVT」により、CVT採用によるワイドレシオ化やアウトプットリダクションのギヤレシオ適正化等により、燃費を約17%向上させた。

 また、小型化技術の「前後進パラレル配置」で、前後進の切替を2軸で構成し入力軸に対して両側に振り分けることにより、低背化させることで、従来のAT車と同等の荷室スペースを確保。耐久信頼性技術の「ベルト保護制御」で、常時クラッチ圧を制御することにより、過大入力に対してクラッチを滑らせ逃がすことで、ベルトの耐久信頼性を確保した。

 そのほかにも、4WD技術「3モード電子制御式4WD」で、路面状況に応じて、FR(後輪駆動)から4WD(4輪駆動)まで自動的にトルク分配を制御して走行する「4WDオート」を備えた3モード(2WD/4WDロック/4WDオート)の電子制御式4WDシステムを開発し、多様な環境での走破性を向上させた。

 ダイハツが軽商用車初となるFR車用のCVTを新開発した開発背景としては、軽商用車においては、近年では、女性やシニア、外国人など使用者の多様化や、小口配送の増加に伴う荷崩れ防止の観点から、従来よりも走りやすい滑らかな乗り心地が求められていることに加え、環境問題を背景とした大幅な燃費向上も必須であることから、既存の4速ATから軽乗用車では主流のCVTへ進化させる必要があったとしている。

写真はハイゼット トラック
FR-CVTの構造
ベルト保護制御