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ル・マン24時間を運営するACOとトヨタ、WEC富士6時間で水素エンジン搭載ハイブリッドカー「GR H2 Racing Concept」公開

水素エンジン搭載ハイブリッドカーとなるGR H2 Racing Concept、日本初公開

 WEC(世界耐久選手権)富士6時間レースが9月8日~10日の3日間にわたって富士スピードウェイで開催されている。このWEC富士6時間において、ル・マン24時間レースの主催者であるACO(Automobile Club de l'Ouest、フランス西部自動車クラブ)は、トヨタ自動車とともに「ゼロエミッション・レーシング」と銘打った水素を活用するレーシングカーの展示を行なっている。

 展示されているのはACOが試作したFCEV「MissionH24」と、TOYOTA GAZOO Racing試作した水素エンジン搭載ハイブリッドカー「GR H2 Racing Concept」と、水素エンジンを搭載する「GRカローラ」。ル・マン24時間レースで世界初公開されたGR H2レーシングコンセプトは日本初公開となり、ユニークなボディ構造などを確認できる貴重な機会となっている。

MissionH24、左に立つのはACO ピエール・フィヨン会長

燃料電池のMissionH24と、水素エンジン搭載車両を並べて展示

 富士スピードウェイのグランドスタンド裏に位置する「イベント広場」では、自動車メーカーやACOによるさまざまな展示が行なわれている。

 ACOが用意した「MissionH24」ブースでは、ACOが推進する水素燃料を利用した2つのハイパーカーのコンセプトカーを展示。1台が「MissionH24」で、ACOの開発パートナーとなるTotalEnergiesよれば、3.4秒で100kphに達し、水素注入時の圧力は450バール、そして満タンまで水素を注入するのにかかる時間は約4分とそのスペックの一部が公開されている。

 一方、GR H2 Racing Conceptは、水素を内燃機関で燃やしながら走る水素エンジンとバッテリのハイブリッド車。イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたあと、日本に運ばれてきたということだった。

ACO ピエール・フィヨン会長とトヨタ自動車 GRカンパニープレジデント 高橋智也氏

 15時からは、ACO会長 ピエール・フィヨン氏、トヨタ自動車 GRカンパニープレジデント 高橋智也氏、富士スピードウェイ 代表取締役 社長執行役員 酒井良氏ら関係者が集合し、記念撮影が行なわれた。

左からACOフィヨン会長、高橋プレジデント、富士スピードウェイ 代表取締役 社長執行役員 酒井良氏
関係者が集合して記念撮影

 なお、ほかにも1991年のル・マン24時間レース優勝車両「マツダ787B」がマツダとトヨタの共同ブースに展示されているほか、トヨタは、トヨタの歴代ル・マン挑戦車両(1985年のトムス85C~現代のGR010–Hybridまで)を展示するなどとしている。

トヨタとマツダの共同出展ブース

 展示されている車両はル・マン24時間レース時に作られた動画の中で紹介されている各車両で、トムス85C、TS010、TS020、TS030 HYBRID、TS040 HYBRID、TS050 HYBRID、そして最新のGR010 HYBRIDが含まれている。それらの車両を実際に現地で自分の目で見ることができる。

GR H2 Racing Concept - World Premiere at Le Mans 24 Hours - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=CMq7MiwVUBk

 なお、現地ではシールも配布予定。このシールはル・マン24時間レースで現地のファン向けに配布されたものと同様のものになるが、富士は上部に「2023 WEC Rd.6 Fuji 6 Hours」という文字が入った限定バージョンになる。なくなり次第終了となるため、気になる方はイベント広場のトヨタ・マツダ共催ブースなどを確認してほしい。

配布予定のシール(予定は変更になる可能性がある)

【お詫びと訂正】記事初出時の配布物の内容について誤りがありました、お詫びして訂正させていただきます。