ニュース

ヒョンデ、愛知県豊橋市と「電動車災害時派遣協定」締結 「“何かしなければ”との思いで災害協定や地域貢献に関わっていきたい」とチョ・ウォンサン社長

2024年1月29日 開催

ヒョンデと愛知県豊橋市が「電動車災害時派遣協定」を締結

ヒョンデにとって災害協定や地域貢献はトッププライオリティ

 ヒョンデ(Hyundai Mobility Japan)は1月29日、愛知県豊橋市と災害時に移動式電源としてヒョンデのBEV(バッテリ電気自動車)「アイオニック5」「コナ」を提供する「電動車災害時派遣協定」を締結したと発表した。この協定締結とともに、ヒョンデは豊橋市に公用車として使われるアイオニック5を1台寄贈している。ヒョンデが地方自治体と協定締結をするのは今回が初という。

 同日、豊橋市長の浅井由崇氏、Hyundai Mobility Japan 代表取締役社長の趙源祥(チョ・ウォンサン)氏が出席する災害協定締結式が豊橋市役所において開催された。

 ヒョンデは2023年4月、豊橋市に新車整備センター(PDIセンター)を設置。PDIセンターは三河港に隣接し、新車の陸揚げから整備・保管を半径5km圏内で行なえるようにすることで、効率のよい新車整備が可能となり、今後の輸入台数増加を見据えた新車の安定供給を目指している。

 このPDIセンター設置という縁があって今回の「電動車災害時派遣協定」の締結、公用車の寄贈につながっているわけだが、趙社長によると本国でもこうした取り組みは活発に行なわれており、災害協定や地域貢献はトッププライオリティに位置付けられるという。今回の発表は日本における第一歩の取り組みとなるが、令和6年(2024年)能登半島地震の際にはアイオニック5を派遣(トイレやスマートフォンの電源車などとして活用)するなど、「何かしなければ」との思いのもと積極的に災害協定や地域貢献に関わっていきたいとのこと。

協定書をもって記念撮影に応じる浅井由崇市長(左)、Hyundai Mobility Japan 代表取締役社長の趙源祥(チョ・ウォンサン)氏(右)
豊橋市の公用車として使われるアイオニック5。グレードは最上級の「Lounge AWD」(599万円)とのこと
豊橋市のマスコットキャラクター「トヨッキー」(左)と「ハッシー」(右)も応援に駆け付けた。トヨッキーは豊橋市市制施行100周年を記念して開催された「とよはし100祭」のマスコット、ハッシーは防災リーダー応援隊長という役割

 なお、豊橋市のBEV公用車となるアイオニック5は、豊橋市役所職員によるBEVの新しい使い方を市民に広めていくとともに、市内で開催されるイベントの電源としてV2L(Vehicle to Load)機能を使用することで、BEVの持つサステナビリティを活かした使い方を豊橋市民に提供していくという。また、電動車災害時派遣協定を結ぶことによって、地震や台風などの災害で大規模停電が発生した場合に、PDIセンターにあるBEVを豊橋市内の災害対策本部や避難所などに派遣し、非常電源として活用するとしている。

浅井市長「電気自動車を活用した停電時の災害対応力がより一層強化される」

浅井由崇市長

 災害協定締結式で登壇した浅井市長は、能登半島地震の被災地に約150人の職員を派遣し、支援を頑張っているものの、停電によって避難所も大変なことになり、いまだに停電が続いている現状を報告するとともに、「私どもも昨年6月の豪雨で停電し、電気がいざという時に使えないというのは本当に困ったことが起こる。そんなときにヒョンデさんのクルマが来てくれて、そこで充電もできるということ。これは大変ありがたいことだなと思います。今回の協定によりまして、台風や地震など大規模災害のときに避難所の運営に必要な資材の非常用電源、スマートフォンへの充電手段を確保することができるということで、避難者の安全と安心を確保できると思っております。さらに電気自動車を活用した停電時の災害対応力がより一層強化されると思っておりまして、大変ありがたい協定を結ばせていただいたなと思っております」。

「また、アイオニック5という非常に格好がいいクルマを公用車としてご寄贈をいただけるということで、大変ありがたいというふうにも思っております。今回の協定を機に、さらにさまざまな連携を強化していければ大変ありがたいなと思っております」とコメントし、今後の展開についても言及した。

Hyundai Mobility Japan 代表取締役社長 趙源祥氏

 一方、趙社長はPDIセンターについて、日本の中央に位置する豊橋市に設置したことにより効率のよい車両配送ができ、日本での今後の輸入台数の増加を見据えた新車の安定供給が可能となったと報告するとともに、「この協定は万が一の災害時にPDIセンターにあるBEVを豊橋市にお貸しし、避難所などで非常電源として活用していただくもので、BEVを主力車種として展開するヒョンデが豊橋の皆さまに貢献できればと考えてのことでございます」と述べた。

 また、公用車のアイオニック5については「サステナブルで革新的な機能を揃えているだけでなく、最新のV2L、V2H機能を揃えており、万が一の災害時には大きな別の機器を用意する必要がなく、車両に標準装備されたアダプターを使用し、1600Wまでライトや複数台のスマホ充電などに使用できるというメリットがあります。また、アイオニック5を初のBEV公用車として採用することで、よりクリーンな移動手段として活用していただくとともに、豊橋みなとフェスティバルや豊橋まつりといった市内で開催されるイベントの電源としても豊橋市民の皆さまに提供していくことができ、とてもうれしいです」と述べるとともに、今後さらに豊橋市と幅広い提携関係を構築していきたいとし、あいさつを締めくくった。

【訂正】ヒョンデ モビリティ ジャパンよりリリース内容について訂正が入ったため、一部内容を変更して22時10分に再公開しました。