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トヨタ佐藤恒治社長、出荷停止や豊田自動織機の不正にあたりお詫び 「ハイラックス」「ハイエース」などグローバルで月3万6000台に影響

豊田自動織機の不正にあたりお詫びした、トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 佐藤恒治氏

豊田自動織機の不正にあたりお詫びした、トヨタ佐藤社長

 豊田自動織機は1月29日、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の出力試験において違反行為があったと発表。豊田自動織機で対象のエンジンの出荷を一旦停止し、トヨタとしても該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止する。

 国内の出荷停止は本日2直から、国外においては1月30日から出荷停止となる。該当するエンジンは「1GD」「2GD」「F33A」で、搭載された車両は、「ランドクルーザープラド」「ハイエース」「グランエース」「ボンゴブローニイバン(マツダ)」「ダイナ」「デュトロ(日野自動車)」「ハイラックス(欧州、中東、アジア、アフリカ向け)」「フォーチュナー」「ハイラックス(日本向け)」「イノーバ」「ランドクルーザー 300 」「LX500d」と、グローバルで10車種、うち日本6車種。

緊急での報道対応を行なった佐藤社長(右)

 生産台数はグローバルで月産3万6000台、国内での販売台数に対する影響は7000台になる。仮に1年間生産が止まった場合、43万台強の影響となる。

 トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏は、この問題に対して報道対応を実施。ユーザーにお詫びするとともに、現在の状況認識を語った。

 今回トヨタにとって問題となる車種は、ディーゼルエンジンを搭載した車種となり、仕事などライフラインで代替の効かない車種も含まれている。もちろん長納期で知られる車種もあり、さらに納期が伸びてしまい、大きな影響が出ることが予想される。

 トヨタならではの信頼性を築いてきた車種が多く、ランドクルーザー、ハイラックス、ハイエースなど耐久性、信頼性が高いゆえに世界で愛されているクルマが多い。

 佐藤社長はトヨタならではのクルマを信頼してくれていたユーザーに対して迷惑をかけてしまうことに対しお詫び。「本当にお客さまに対して、とくに産業車両といいますと、物流に対して非常に影響力の高い車両ですので、本当に日常の仕事にご迷惑をかけてしまうことを大変重く受け止めておりますし、改めて心からお詫びします。一日も早く正しい手順で仕事をして、再度お許しをいただいて生産につなげるということを全力で取り組んでまいりますし、お困りの事例に対しましては、お客さまごとにケースが違うと思いますが、個別のケースに寄り添いながら対応させていただきたいと思います」と語る。

 影響台数も前述のとおり多く、代替手段についてはという質問に対しては「国内(の販売では月)7000台、グローバルでは3万6000台(月産)の影響になります。代替と言われましても、これは難しいところがございまして、誠意をもって関係当局と全力で、(不正な試験に対する、正常な状態での追試における)数字自体は確認をできておりますので、改めてご了解をいただけるプロセスを最速で対応しまして、ご了解いただきしだい生産を再開できるよう全力で取り組んでいきたい」(佐藤社長)という。

 日野自動車、ダイハツ工業、そして豊田自動織機とトヨタグループで、開発・認証の部分においてルールを守るという当たり前のことがなされていなことが発覚している。その代償は生産停止となり、クルマを必要とするユーザーへ迷惑をかけ、クルマへの信頼、メーカーへの信頼、そしてトヨタブランドでへの信頼を失わせる結果につながっている。

 トヨタとして、「今後は会社立て直しの全社の活動に入り込み、安全と品質が最優先に徹底されるよう、見直しを図っていきます」と発表されており、その徹底が本当に行なわれるのか? トヨタとしての取り組みが強く注目されている。