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コンチネンタル、オールシーズンタイヤの新製品「オールシーズンコンタクト2」説明会 「燃費重視のユーザーにも最適」

2024年3月14日 開催

オープンプライス

プレミアムオールシーズンタイヤ「AllSeasonContact 2」の説明会を開催

 コンチネンタルタイヤ・ジャパンは3月14日、2月15日より発売を開始したプレミアムオールシーズンタイヤ「AllSeasonContact 2(オールシーズン・コンタクト・ツー)」の説明会をベルサール御成門タワー(東京都港区芝公園)で開催した。発売サイズは15~21インチの49サイズで、価格はオープンプライス。

 発表会ではマネージング・ダイレクターのニコラオス・キリアゾプロス氏があいさつするとともに、プロダクト・マネジャーの徐馮落龍氏が日本におけるオールシーズンタイヤ戦略について、技術サービス&トレーニングマネジャーの小川直人氏が製品について説明した。

「AllSeasonContact 2」では前モデル「AllSeasonContact」から進化したアダプティブ・パターンを採用し、オフセット・Vシェイプ・パターンとC字型のトレッドブロックを特徴とする。また、タイヤのセンター部分にセルフ・レインフォース・リンクで連結されたC字型ブロック・パターンを配置することでトレッド剛性を高めており、使用開始からタイヤの寿命の終わりまで、優れたハンドリング性能が持続するという
タイヤサイドには1年を通して高いパフォーマンスを発揮するタイヤであることを、四季折々のアイコンで表現
厳しい寒冷地でも冬性能を発揮することが認証されていることを示す「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク」が入る
電気自動車との親和性とeモビリティへの準備ができていることを示す「EVチェック・マーク」も
こちらは前モデル「AllSeasonContact」
グローバルにおける戦略などについて語ったコンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社 マネージング・ダイレクターのニコラオス・キリアゾプロス氏
製品紹介を行なったコンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社 技術サービス&トレーニングマネジャーの小川直人氏

 今回のAllSeasonContact 2は、あらゆるタイプの車両のニーズを念頭に置いて開発が進められたといい、新しいトレッドパターンデザイン、ラバーコンパウンド、カーカス構造の採用とその組み合わせにより、スノー性能を妥協することなくドライハンドリング性能の向上、ウェットとドライにおける制動距離の大幅な短縮を実現。また、転がり抵抗性能も大きく向上しているという。

 パターンでは前作の「AllSeasonContact」から進化したアダプティブ・パターンを採用し、オフセット・Vシェイプ・パターンとC字型のトレッドブロックを特徴とした。外側に向かって開いた方向性のあるオフセット・Vシェイプ・パターンとオープン・ショルダー・グルーブが効率的に水を排出することで、優れた耐ハイドロプレーニング性能とウェット路面での安全性を発揮。また、タイヤのセンター部分にセルフ・レインフォース・リンクで連結されたC字型ブロック・パターンを配置することでトレッド剛性を高めており、使用開始からタイヤの寿命の終わりまで、優れたハンドリング性能が持続するという。

 また、AllSeasonContact 2ではエネルギー効率を向上させるためにカーカスとインナーライナーに低ヒステリシスの新素材を使用しており、これによってエネルギー損失が減り、転がり抵抗が向上。さらにアダプティブ・パターンの採用で力の伝達が最適化され、タイヤ摩耗の低減、タイヤ寿命が延びるといった効果も得られたという。

 加えてオールシーズンタイヤ専用の「チリ・ブレンド・コンパウンド」と名づけられたオールシーズンタイヤに求められる性能バランスの高いコンパウンドを用い、冬の寒冷な路面や雪道での確実なグリップ力と正確なステアリングレスポンスをはじめ、温暖な時期やドライ・ウェット両路面でも優れたブレーキング性能を発揮するとした。

 結果として、従来のAllSeasonContactと比べて転がり抵抗は6%向上、耐摩耗性は15%向上しているという。

AllSeasonContact 2のサイドウォールデザイン
開発の焦点
電動車にも最適とするAllSeasonContact 2
燃費性能とロングライフについて
スマート・エナジー・カーカスの説明
アダプティブ・パターンの説明
C字型のトレッドブロックとオープン・ショルダー・グルーブの説明
C字型ブロック・テクノロジーの特徴
オールシーズンタイヤ専用の「チリ・ブレンド・コンパウンド」と名づけられたオールシーズンタイヤに求められる性能バランスの高いコンパウンドを用いる
性能チャート
オールシーズンタイヤの路面適合表

市場縮小の中、オールシーズンタイヤの販売本数は前年から25%の増加

コンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社 プロダクト・マネジャーの徐馮落龍氏

 説明会で登壇したプロダクト・マネジャーの徐馮落龍氏は日本におけるオールシーズンタイヤ戦略について解説を行ない、オールシーズンタイヤは日本国内の市販用タイヤ販売の約1.6%(2023年、数量ベース)にとどまるものの、ここ数年は販売を伸ばし続けており、2019年と比べると販売数量は約1.4倍に達した。また前年比では25%増と2ケタ成長を見せているという。

 このことについて、徐馮落龍氏は「2023年の市販用タイヤの販売本数は、物価高による消費者や企業マインドの低下の影響で約7%減になっております。この市場縮小の環境において、オールシーズンタイヤは前年から25%の増加という2ケタの成長を達成しました。このように、オールシーズンタイヤの市場は急速に成長しており、今後もその成長が続くことが予想されております」とコメント。

日本におけるオールシーズンタイヤトレンド

 そうした中で同社のオールシーズンタイヤはどのようなユーザーをターゲットとしているか。これについては「日本では夏タイヤを冬タイヤに切り替えることに悩む方がいらっしゃいます。そこでコストの削減、保管スペースの節約を訴求点としてオールシーズンタイヤの関心が高まっています。しかしながら、オールシーズンタイヤに対して『中途半端な製品で安全性に欠けているのではないか』『摩耗が速いのではないか』『音がうるさいのではないか』というイメージが過去にはあった。コンチネンタルのオールシーズンタイヤはユーザー1人ひとりのニーズに対する柔軟性を重視しております。安全、環境への配慮、コスト、便利さなど、ユーザーが求めているさまざまな要素をタイヤにバランスをよく取り入れることが私たちの製品、製品設計の開発方針になっております。私たちは質の高いソリューションを提供することを目指しております」と説明。

 そして新製品となるAllSeasonContact 2については、「安全性に関わる性能や環境への影響を最小限に抑える配慮、それにコスト削減や便利さを追求したトップレベルのオールシーズンタイヤとなっております。さらに、日本市場に合わせた成分を持つオールシーズンタイヤで、転がり抵抗を低減することで燃費を重視するユーザーにも最適だと思います。転がり抵抗性能は大部分のサイズでEUタイヤラベルにおけるグレード『B』を獲得し、これはJATMAラベルの『AA』に相当します」と説明する。

 また、ウェット・ブレーキ性能についても主要サイズで優れた性能となるグレード「B」(EUタイヤラベル)となっており、こちらもJATMAラベルの「b」に相当。加えて静粛性のグレード「B」はJATMAラベルの「低車外音タイヤ」に該当するとのこと。そのほか徐馮落龍氏は、「スリーピークマウンテン・スノーフレークマークを持ち、雪道での走行も可能ですし、突然の雪にも対応できるような安心感をもたらすことができます」とアピールした。

コンチネンタルタイヤにおけるオールシーズンタイヤ作りの考え方
燃費重視のユーザーにも最適だという
AllSeasonContact 2の製品概念
14インチから21インチまで幅広くカバー
さまざまな日本車に適合する