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マツダ、CO2回収技術でカーボンニュートラルを超えるカーボンネガティブに挑戦

マツダは富士24時間決勝前に、カーボンネガティブに挑戦することを明らかにした

CO2回収技術でカーボンネガティブに挑戦するマツダ

 マツダは5月25日、富士24時間レースの決勝前に今シーズンを含むスーパー耐久に対する取り組みを説明する会見を行なった。会見にはマツダ 技術研究所所長 山本寿英氏、CN・資源循環戦略部部長 木下浩志氏、ファクトリモータースポーツ推進部マネージャー 上杉康範氏、車両開発本部シャシー開発部主幹 奥山和宏氏、エグゼクティブフェロー MAZDA SPIRIT RACING 代表 前田育男氏が出席、CO2回収技術など新たな取り組みを明かした。

 2024年のマツダは、55号車 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptと12号車 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptの2台で参戦。2台で富士24時間に参戦するのは初のことになるという。

これまでのスーパー耐久の取り組み

 これまでマツダは主に燃料の観点からカーボンニュートラル車をST-Qクラスに参戦。ユーグレナのサステオ燃料やHVO燃料など、カーボンニュートラル燃料での参戦を行なってきた。2024年は燃料でカーボンニュートラルを達成するだけでなく、CO2回収技術なども搭載してカーボンネガティブ、走れば走るだけ空気をきれいにしていく技術の開発を行なっていく。

 そのほか、排気抵抗と車両重量配分の改善、ターボ(可変容量機構)およびエグゾーストマニホールドの耐熱性アップなど、走行特性や耐久性の向上などクルマとしての走りの向上を実施。さらにカーボンニュートラルのための車体軽量化技術開発として、980MPaのハイテン材を使用したロワアームなどを投入していく。

カーボンニュートラルに関わるトータルソリューションの技術検証
藻類由来のバイオ燃料研究
藻類由来のバイオ燃料研究
CO2回収技術研究
オンボードでの搭載を目指す
環境統合エコシステムへの挑戦

 このロアアームはハイテン材を使用したことで、重量3kgを2.3kgpへと軽量化。剛性も2倍になっているという。また、溶接についても通常のアルゴン溶接よりもアルゴンガスの割合が多いハイアルゴン溶接を投入。すでにロボット溶接化しており、きれいな溶接面を形成していた。

 注目のCO2回収技術については、カーボンニュートラル系の燃料で90%低減し、車体に搭載するオンボードのCO2回収技術で20%引き下げに、カーボンネガティブに取り組んでいく。

2024年度のスーパー耐久取り組み
すでに投入した技術
左右コーナーウェイト差の改善
耐熱性アップ
排気バルブの耐熱性アップ
シャシー部分での投入技術
ロールセンター適正化
再生カーボンブッシュ
再生カーボンブッシュ
超ハイテン材使用のロアアーム
超ハイテン材使用のロアアーム
軽量化したロアアーム

 このカーボンネガティブ技術については、富士24時間での発表としたかったところであるとしつつ、現状では導入時期は未定とのこと。導入する以上は、量産車に適用できるものであることを示したいと語った。