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ルーフから音が降り注ぐ「メティオサウンド」や「ジムニー」「ハイエース」の車種専用アイテムなど アルパイン2024年度新製品発表会
2024年5月29日 19:55
- 2024年5月28日 開催
カーエレクトロニクス関連製品の開発、製造、販売を行なうアルプスアルパインの国内マーケティングを担う企業がアルパインマーケティングだ。そのアルパインマーケティングが2024年5月28日に、神奈川県横浜市港北区にある事業所にて、発売予定の新製品を紹介する「アルパイン新製品プレス発表会」を開催した。
今回発表した製品は、車種専用スピーカーキットの「Metio Sound(メティオサウンド)」、車種専用カーナビ、ドライブレコーダー内蔵デジタルミラーなどで、車種ごとにオーナーの意見を積極的に取り入れることで使いやすさやフィティングの満足度向上を実現するものとなっている。
ルーフスピーカーを採用したメティオサウンド
アルパインはカーオーディオの分野でも人気の高いブランドだが、今回の発表会では車種専用スピーカーを用いた新しいサウンド体験ができる「メティオサウンド」を公開。9月より販売を開始すると発表した。
メティオサウンドは、スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」、トヨタ「ハイエース」、「ヴォクシー/ノア/エスクァイア(80系)」、三菱自動車「デリカD:5」「デリカミニ」、日産「セレナ(C28/C27)」用を設定。システム構成は5cmのルーフスピーカーに加えて、ドア部にウーファーが付く。さらにルーフスピーカーのレベルを調整するための専用ネットワーク、ルーフスピーカー取り付け用型紙とドアチューニング用のフェルトが同梱される。
あまり遮音性の高くない車種の場合、ドア下部(乗員の足下)に付くスピーカーから鳴る音楽は、走行中に発生している騒音によってマスクされてしまうこともある。また、足下のスピーカーではそもそも「耳」からの距離や向きが音楽を聴くことに対して不利な条件でもあるのだ。
そこで前席の天井という頭(耳)の近くに小型のスピーカーを取り付けることで、ロードノイズに影響されにくくした。また、頭上から音が鳴るのは、これまでのカーオーディオで重視していたステレオ感ではなく、音に広がりが分かりつつ中高音が聴きやすい特性となり、その聞こえ方はアルパインの開発陣も高く評価しているという。
それに加えて純正スピーカー取り付け部に、低音域の音を出すドアウーファーを組み込むことでさらに音の聞こえ方を向上させている。
なお、ルーフライニングの裏に付けるため、ルーフが受ける日差しの熱によるスピーカーへの影響が気になるので確認したところ、熱対策を施したものを使っているので真夏であってもスピーカーおよび取り付けスペーサなど構成パーツに影響はないとのこと。
ルーフライニングにはもともとスピーカーがないので、装着も容易ではない。とくにスピーカー位置が耳に近いだけに、取り付ける場所が数cmずれるだけで音の聞こえ方が変わってくるという。また、ルーフライニングとルーフ外板にクリアランスが必要という条件もあり、クリアランスがないとスピーカーが収まらなかったり、磁石がルーフ外板に付いてしまうそうだ。
そこでメティオサウンドでは、アルパインが車種ごとにスピーカー取り付け位置をテストして最適な位置を割り出し、その場所へのフィッティングを確実に行なえるよう位置決め用の型紙を付属している。
さらにスピーカーを固定するプレートなどの形状、サイズの設定にもこだわったことで、ルーフスピーカーを取り付けする際、ルーフライニングの取り外し作業を不要とした。これによりメティオサウンドの取り付け想定時間は1.5時間~2時間。取り付け工賃の予想は1万6000円くらい(工賃は1時間8000円で計算)という見込み。
ジムニー/ジムニーシエラ専用新製品
ジムニー/ジムニーシエラ用の新製品として紹介されたのは専用デザインを採用した10型大画面カーナビ「ビッグX」と「ドライブレコーダー搭載デジタルミラー」。そして「メティオサウンド」である。発売予定は9月。
ジムニーはボディ形状からフロントウインドウの高さがあまりない。特に中央部分はルームミラーとナビとの「出っ張り」によって、より狭くなっている。
もちろん運転には何も問題ないが、画面の大きなディスプレイや大型ルームミラーを取り付けると、さすがにドライバー視界の狭さが気になってくるそうで、アルパインがオーナーイベントで大型ディスプレイを提案したところ、視界の狭さを指摘する声は多かったという。
そこでアルパインは、純正ナビ取り付け部の下にあったデザイン用と思われるデッドスペースも取り付けスペースとして活用することで、10型という大画面ながらダッシュボード上部への飛び出しを抑えることに成功した。
ビッグXに使用されるディスプレイは、10型大画面の高画質WXGA液晶。機能ではAppleCarPlayとAndroid Autoに対応。またamazon Alexaにも対応している。
そのほか、CD、DVD、地デジといったメディアに対応し、サウンドについてもアルパインのノウハウを注いだハイクオリティサウンドになっている。
ハイエース専用新製品
ハイエース用には、11型大画面カーナビ「パーフェクトフィットビッグX」と「メティオサウンド」。そしてワイドボディ専用のOPTMサウンドシステム「OPTM8-HIW」が発表された。それぞれの発売予定は「パーフェクトフィットビッグX」と「メティオサウンド」が6月。「OPTM8-HIW」が6月下旬となっている。
ハイエース専用の「パーフェクトフィットビッグX」は11型WXGA液晶/FM・AMチューナー/Bluetooth/HDMI/AppleCarPlay/AndroidAuto/AmazonAlexaに対応していて、特徴はフィッティングのキレイさだ。
従来から発売している「フローティングビッグX」は、画面こそ大きくて見やすいが、ダッシュボードとディスプレイの間にすき間ができていた。
そこでよりスタリッシュな仕上げを求める声に応えるため、ディスプレイ裏側とダッシュボードの隙間を埋める専用パネルを追加。これはスーパーGL専用だが、ワイドボディには別途カバー(左側用)を使うことでスーパーGL同様にキレイなフィットを実現している。
新たなコンセプトの「メティオサウンド」は、ノイズの多さやスピーカー取り付け位置の関係からハイエースや軽自動車など、音楽を聴くには課題の多かった車種にとって画期的と言えるので、設定車種に乗っている人はぜひ注目してほしい。そしてアルパインに対しては車種設定の拡大も期待したいところだ。