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住友ゴム、「アクティブトレッド技術」が国際タイヤ技術展で「R&D Breakthrough of the Year」受賞

2025年3月7日 発表
住友ゴム工業の「アクティブトレッド技術」が「R&D Breakthrough of the Year」を受賞した

 住友ゴム工業は3月6日、ドイツのハノーバーで3月4日~6日(現地時間)に開催された「Tire Technology Expo 2025」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」にて、「アクティブトレッド技術」が「R&D Breakthrough of the Year」を受賞したと発表した。

 アクティブトレッドは、ゴムの中に路面状態の変化に反応する2つの「スイッチ」を組み込むことで、ポリマーの動きをコントロールすることに成功した新技術。

 1つ目の「水スイッチ」では、ゴム内のポリマー間の結合の一部を「共有結合」から水で脱着できる「イオン結合」に置換。水に触れて「水スイッチ」が働くことで、ゴム表面が柔らかくなり、ウェット路面でグリップ性能が向上する。

水で柔らかくなる「水スイッチ」イメージ
ウェット路面でもグリップを維持できる技術を確立

 2つ目の「温度スイッチ」では、低温では混ざり、高温になると分離するコンセプトの素材を開発。「温度スイッチ」が働くことで、低温で柔らかくなり、氷上路面でも柔らかくグリップするという従来からある素材とは、逆の性質を示すという。

低温で柔らかくなる「温度スイッチ」イメージ

 現地で開催された授賞式には、材料開発本部 材料企画部長の馬渕貴裕氏、Sumitomo Rubber Europe GmbH マネージングディレクターのDr.Bernd Löwenhaupt氏と、ジェネラルマネージャーの児島良治氏が出席し、「この度、大学、研究機関、パートナーサプライヤーの支援と協力のもと、アクティブトレッド技術の開発に成功しました。当社はR&D活動の加速を継続し、アクティブトレッド技術をさらに強化し、それらを当社の性能持続技術と組み合わせることに注力しています。これにより、タイヤの製造数を減らし、資源を節約し、持続可能な材料の採用を促進することで、持続可能な社会に貢献することを目指しています。住友の経営理念のもと、これからも人々に喜びと幸福をもたらす未来をお届けするタイヤの開発に取り組んでまいります」と述べている。

授賞式の様子

「Tire Technology Expo」は、2001年より欧州で開催されているタイヤ製造などに関する技術発表・展示会で、タイヤメーカーをはじめ素材メーカー、公的研究機関などがその研究成果を発表し、10の分野で優秀な技術を表彰するもの。

 住友ゴムの「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」での受賞は、2010年の「第4世代ランフラットタイヤ技術」、2017年の「新材料開発技術 ADVANCED 4D NANO DESIGN」、2019年の「SENSING CORE」、2022年の「性能持続技術」、2023年の「バイオポリマー合成の研究」、「酵素評価方法の発明」、2024年の「タイヤ製造における水素エネルギーと太陽光発電の活用」に続き、今回で2年連続、通算8回となる。

Tire Technology Expo 2025ロゴ