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トヨタ、“ジャパンカラーセレクション”の12色を全車展示した「クラウン」発表会
2.0リッター直噴ターボやボディーの剛性強化などによる走りの魅力をアピール
(2015/10/2 14:25)
- 2015年10月1日開催
トヨタ自動車は10月1日、同日にマイナーチェンジを行った「クラウン アスリート」「クラウン ロイヤル」について解説する記者発表会を都内で開催した。新しいクラウン アスリートの価格は388万円~610万円、クラウン ロイヤルの価格は373万~590万6000円。このほかのバリエーションや装備などの詳細については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20151001_723704.html)を参照していただきたい。
東京・お台場のメガウェブで行われた発表会では、開発に携わったトヨタ自動車 製品企画本部 チーフエンジニア 秋山晃氏に加え、ゲストとしてモータージャーナリストの菊谷聡氏が登壇。2人によるトークセッション形式でマイナーチェンジした新しいクラウン アスリートとクラウン ロイヤルについて紹介された。
秋山チーフエンジニアは1954年に誕生したクラウンが、一貫して日本国内専用車として進化を続けてきた歴史について紹介。新しい2モデルも日本専用開発車として、日本のユーザーの使い方、日本の道路事情に合わせて開発を行ったことで、上級クラスとしての少し大きめなボディーサイズでも取り回しでユーザーが困らないよう、5.2mの最小回転半径を実現していると解説。これはプリウスやオーリスと同じ数値で、狭い路地や駐車場などでも気を使うことなく、パレットの小さめな立体駐車場でもタイヤをこすりつけずに済むようにこだわっていると語った。
また、菊谷氏から欧州でも主流となってきている“ダウンサイジングターボ”をクラウンに採用した理由について問われ、「日本では信号待ちが多くて渋滞も頻繁に起きるので、ストップアンドゴーが大変多いという環境になります。この場合ではハイブリッドのほうが燃費を高めやすくなります。しかし、クラウンのような高級車にお乗りのお客さまは、燃費を求める一方で余裕のある走り、気持ちのよい加速を求められる人も多いのです。そういった観点で、加給を行うダウンサイジングターボという選択肢が生まれてきました」と秋山チーフエンジニアは回答している。
さらに秋山チーフエンジニアは、新しいエンジンの投入に合わせてボディーやサスペンションなどに改良を行っていることを紹介。クルマ造りではトータルバランスが大切であると語り、構造用接着剤の採用やボディー接合部のスポット溶接の増し打ちなどを実施していることを明かした。これらは日本の道に合わせた最適な乗り心地や静粛性、軽快なハンドリングなどを追究していくための施策で、さらにサスペンションでは、クラウンの伝統であるサスペンションアームの剛性も路面からの入力に使う「いなし効果」の思想をさらに進化させていると紹介。足まわりを引き締めて旋回中の安定性を高め、ステアリング操作に対する応答性を向上させているが、一方で路面からの小さな入力を吸収して微振動を抑える新開発ブッシュの採用により、乗り心地も犠牲にしていないと解説した。
また、この発表会に先立って新しい2モデルに試乗したという菊谷氏は、「発表前ということで、富士スピードウェイのショートコースでの試乗だったのですが、クラウンらしいなめらかで上質な走りと合わせて、コーナーをちょっと速めのスピードで走っても、思いどおりのクルマが動いて、安定して安心したコーナーリングが印象的でした」「思いどおりに動く新しいクラウンですが、とくに2.0リッターターボの印象がよかったです。爽快な加速感で、あらゆる速度域でアクセル操作に俊敏に反応します。ターボというと、私も古い人間なもので、ある瞬間から突然加給が始まるイメージもあるんですが、これはそうではなくて、デリケートに、フラットトルクで扱いやすいと感じました」と新しいクラウンを運転した印象について述べている。
このほかに秋山チーフエンジニアは、今回のマイナーチェンジで注目してほしいポイントとして、クラウン アスリートにオプション設定した「ジャパンカラーセレクションパッケージ」について紹介。マイナーチェンジ前にもクラウン アスリートでは「ピンク」「空色」「若草色」といった大胆なボディーカラーを提案してきたが、今回は日本専用というクラウンのイメージを訴求するため、「茜色(アカネイロ)」「常盤色(トキワイロ)」「群青(グンジョウ)」など日本の伝統色の名前をサブネームとして与えられた12色のボディーカラーが用意され、さらにセットオプションとして「白」「黒」「こがね」という3種類の内装色をラインアップ。オプション価格は27万円~55万6200円とかなり高額だが、さまざまなカラーリングを選んで楽しめるようになっている。
この「ジャパンカラーセレクションパッケージ」について秋山チーフエンジニアは「日本ほど四季の移り変わりによって景色が変化し、これを楽しめる国はほかにありません。そんな日本ならではの四季や時の移り変わりを表す色をセレクトして12色をオプション設定しています」と解説。またこれについて菊谷氏も「きれいな色で、またネーミングもすごく日本らしい表現でよいですね」とコメントしている。
発表会の展示では、この「ジャパンカラーセレクションパッケージ」12色が全色展示されており、10月2日~2016年1月末まで会場となったメガウェブでは「ジャパンカラーセレクションパッケージ」の6色を含む新しいクラウン アスリートとクラウン ロイヤルを計12台、さらに同日に一部改良を行ったクラウン マジェスタ1台を特別展示する予定。