ニュース
ジェイテクトの歯車一体軸受「JIGB」が人とくるまのテクノロジー展2025に初出展
2025年5月22日 15:40
- 2025年5月21日~23日 開催
人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMAがパシフィコ横浜で5月21日~23日に開催されている。
入場は無料となるが、事前来場登録が必要。来場登録を行なえば同時に開催されているオンライン展示会 STAGE 1(5月14日~6月4日開催)にも参加できる。なお、オンライン展示会のみの参加も可能。
ジェイテクトは、ジェイテクトグループの持つコンピタンスを活かした「地球にやさしいモビリティ」「楽しく安全・快適な移動時間」「匠技術の伝承により省人に貢献」「過酷環境でも安定した電源供給」の4つのソリューションを実現する製品を紹介している。
今回初出展となるのが、「地球にやさしいモビリティ」のソリューションを実現する製品の歯車一体軸受「JIGB」(JTEKT Integrated Gear Bearing)。JIGBは、これまで別々の部品として組み込まれていたギヤとベアリング(起動輪)を一体化した製品で、内輪一体タイプと、外輪一体タイプの2種類が開発された。内輪一体タイプではベアリング外径が約10%、外輪一対タイプでは歯車外径が約10%小型化できているとのこと。
開発の背景には、これからのモビリティには電動車の性能向上、車内エンタテインメントの要求など、多種多様な視点での機能価値向上が求められていといい、ジェイテクトでは安心・安全を中心に電費、小型化、低NVを高次元に成立させるニーズが高いと考え、ジェイテクトグループ各社の歯車、軸受のコアコンピタンスを集結。モビリティのさらなる小型化、軽量化、高効率化へのソリューション提案としてJIGBを開発した。
開発では、ギヤは歯元の折損や歯先の欠け、ベアリングは異物に対する耐圧痕性や内部・表面起点の剥離寿命といった、それぞれ留意しなければいけない部分が異なることに加え、必要とされる強度の違い、ギヤとベアリングのそれぞれで最適化された開発が行なわれているなどのことから、ギヤとベアリングの両方を一体化して成立させるのは簡単ではなかったという。しかし、ジェイテクトにはさまざまな基盤技術や要素技術のエキスパートが居ることから、その知見を集結することで、問題を解決するソリューションが提案できたとのこと。
例えば、JIGBを電動車に採用することで、ユニット小型・軽量・高効率化を実現できるとともに、車両ユニット設計の自由度が向上可能。車室空間を有効活用したり、車両外観デザインを変えたり、航続距離を伸ばしたりなど、車両のシルエットやパッケージングの革新につながるソリューションになるとしている。
まだ市場に導入されてはいないというものの、導入検討が進められているとのことで、JIGBを採用した車両が登場するのも、そう遠くない日のことになるだろう。
また、「楽しく安全・快適な移動時間」の技術となる、人中心の自動操舵制御システム「Pairdriver」は、これからの自動運転シーンが到来した際に、ドライバーのステアリング操舵力と自動運転システムをうまくバランスさせる技術。こちらもまだ市場導入前の技術となるが、EPS(電動パワーステアリング)を介して自動運転システムとドライバーの意思をつなげ、ドライバーのステアリング操作などの情報と、車内外に取り付けられたセンサーによって検知・解析された車両運動とを統合し、自動運転走行中にシステムがドライバーのステアリング操作を検知すると、アシストを伴いながらスムーズにシステムとドライバーの意思を同調させながら車両を操舵していく。
これまでは自動運転システムがタイヤに伝える舵角制御と、ドライバーのステアリング操作によるアシスト制御の入力を足し合わせとしていたことから、自動運転とドライバーの介入がうまく両立せず、ドライバーのステアリング操作時に違和感が生じてしまっていたという。Pairdriverではドライバーの操舵を舵角に変換することで、自動運転の追従性を保ちつつなめらかにドライバーの介入ができるようになっている。
さらに、Pairdriverはソフトウェアであるため、ハードウェアに依存せずカスタマイズが可能。自動運転システムを主体にするか、ドライバーを主体にするかの制御は自由に可変でき、パーソナライズもできるとしている。
そのほかにも、水素エンジン用高圧減圧弁や高圧水素バルブ、さまざまな用途で活用される高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy」などの製品展示も行なわれている。