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NEXCO東日本、震災の影響で不通となっていた常磐道の広野IC~常磐富岡IC間を2月22日15時に再開通

茨城県初の道ナカ商業施設「パサール守谷(上り)」が3月19日10時オープン

定例記者会見の様子
2014年1月29日開催

 NEXCO東日本は1月29日、1月度の定例記者会見を開催し、東日本大震災の影響で通行止めとしていた常磐道 広野IC(インターチェンジ)~常磐富岡ICまでの区間を2月22日15時に再開通すると発表した。これにより、東日本大震災の影響により不通となっていたNEXCO東日本管理下の高速道路は全線開通することになる。

NEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏

 会見に出席したNEXCO東日本 代表取締役社長の廣瀨博氏は、常磐道再開通にあたって「常磐道の再開通に関しては、当初は年度内と発表していたが、地元や関係各所のご協力で予想していたよりも1カ月早く開通することができた。今後は1日も早く常磐自動車道の全通を実現したい」とコメントしている。

 EV(電気自動車)用の充電インフラについても、新たに多数の充電設備が設置されることが明らかになった。現在同社では16個所のSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)にEV用充電インフラを持っているが、新たに66個所のSA/PAに各1基ずつ急速充電器を設置する。これにより、充電インフラは合計82個所に設置されることになる。

 充電インフラ整備は首都圏近郊のほか、特に東京から新潟、および仙台までのSA/PAを中心に整備を進め、首都圏などでは約30kmごと、そのほかの地域でも50kmごとに1個所が設置される。このためEVで東京から新潟・仙台に向けて移動する場合でも、高速道路に乗ったまま目的地まで移動できるとしている。今回の整備計画は経済産業省の「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」による補助金を受け、NEXCO東日本と日産自動車、ジャパンチャージネットワークの3社が共同事業として実施するもので、運用開始は2014年秋ごろを予定している。

 また、常磐道 守谷SA(上り)に茨城県初の道ナカ商業施設「パサール守谷」が3月19日10時にオープンすることも紹介された。パサールとしては5個所目の出店となる。高速道路初出店の店舗を含めた21店がフードコートなどに出店するほか、地元生産者による生鮮野菜などの販売も行われる。さらに守谷SAは災害時の防災拠点モデルエリアともなっており、首都直下型地震が発生した場合に救助活動の前線基地としても利用できるよう設計されている。このため、SA/PAとして初めて、有事の際は商業施設内のレイアウトを変更し、自衛隊や消防など緊急出動してきた機関が共同で災害対策室として使えるよう整備されている。キッズスペースや大型テーブルは可動式で、ベンチシート内部には電源やLAN機材なども収納されているという。また、停電や断水時などにも防災拠点として機能するよう、自家発電設備や太陽光パネル、井戸なども設置されている。

Pasar守谷の外観イメージ
施設内には21のショップがオープンする

 次に、平成25年における交通事故の発生状況と対策についても発表された。NEXCO東日本管内での平成25年の事故件数は57件、死亡者は59人。死傷事故率は全事故件数に対して平成23年が4.67%、平成24年が4.60%、平成25年が4.45%とやや減少する傾向にある。

 死亡事故の大きな原因としては、故障などで車両を停止させたあと、車外に出ていて後続車にはねられるといった人とクルマの接触事故、停止車両への追突、シートベルトを付けていないことが原因の車外放出という3点が挙げられた。人とクルマの事故は死亡者59人のうち11人が該当し、停止車両への追突は16人、車外放出は9人が該当している。

 また、高速道路に歩行者や自転車などが立ち入る問題について、昨年度となる平成24年は1年間で1500件、1日あたり平均4件の通報があったという。特に首都圏近郊、京葉道、第三京浜、横浜新道で顕著に発生し、なかでも京葉道は270件の通報が寄せられた。保護されたのは60歳以上の人が半数で、高齢者の立ち入りが最も多いという結果となっている。NEXCO東日本では再発防止のため、識者らのアドバイスを受けて立ち入り防止策を強化。2013年12月から京葉道の無人ランプのほぼすべてにイラストなどを用いた路面シールや警告灯付きのポールなどを設置して対策しており、この結果、通報件数は約半分に減少し、効果が認められるという。

 なお、NEXCO東日本の平成25年12月実績は、1日あたりの交通量が278万6000台で対前年比105.6%。料金収入は対前年比105.3%となる540億4300万円。ともに前年比を上まわった主な要因として、圏央道新規開通や東北復興需要による増加を挙げた。

 12月のSA/PAでの売上げについては、全体で110億5700万円で前年比5.9%増加。このうち、飲食・商品販売が約76億5000万円となって4.6%増、ガソリンは約34億1000万円で9%増となった。飲食関連が好調な原因は、12月の太平洋側は比較的穏やかな天候に恵まれたためとし、ガソリン関連は各油種とも単価上昇や、軽油の給油需要が増えたことなどを理由としている。

(清宮信志)