写真で見る
写真で見る ホンダ「シビック セダン」「シビック ハッチバック」(2017年フルモデルチェンジ)
2017年8月1日 07:00
本田技研工業の「シビック」は、ホンダの顔とも言えるロングセラーモデルだ。1972年に初代が登場して以来、コンパクトなハッチバックスタイルと走りのよさで多くのユーザーを魅了。クーペやセダンなどさまざまな派生モデルを生み出しつつ、2016年には世界170の国や地域で販売され、累計で2400万台あまりが生産された。しかし、Cセグメントに大型化した8代目の販売終了をもって日本市場からは消滅。9代目は日本市場に投入されることもなく、2009年と2010年に「TYPE R EURO」、2015年に「TYPE R」をそれぞれ限定販売するに留まった。
その一方、北米では2015年から10代目のセダンモデルが販売を開始。続いて欧州、中国でも発売され、2016年には北米カー・オブ・ザ・イヤーを獲得する。そして、パリモーターショーでスポーツモデルのTYPE R プロトタイプ、そのベース車両となるハッチバックモデルが発表された。日本では同車を取り巻く各ニュースを指をくわえて見ているしかなかったが、2017年初頭に開催された「東京オートサロン 2017」で同年夏の国内投入を明言。そして7月27日に発表が行なわれ、9月29日から発売されることになった。
シビック セダン
シビックシリーズのベースモデルと言えるのがこのセダン。9代目から引き続きCセグメントモデルとなっているが、新型では低重心・低慣性の新世代プラットフォームを採用。4650×1800×1415mm(全長×全幅×全高)というロー&ワイドなスタイリングに優れた空力処理と静粛性を詰め込み、居住性と快適性を向上させている。
エンジンは直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴VTECの「L15B」ユニットを車体フロントに横置き。小排気量エンジンに小型ターボを組み合わせた「ダウンサイジングターボ」モデルとなるが、「直噴」をはじめ、バルブタイミングの位相を連続可変する「吸排気デュアルVTC」、過給圧制御の自由度を高める「電動ウェイストゲート付ターボチャージャー」、耐ノッキング性能を高める「ナトリウム封入エキゾーストバルブ」などの採用により、環境性能を高めつつも走りを追求。このエンジンは「ステップワゴン」にも搭載されているが、シビックでの採用にあたっては過給圧を高めるとともに吸排気量の増加、バルブタイミングのセッティング変更などにより、自然吸気の2.4リッターエンジンに匹敵する最高出力127kW(173PS)/5500rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpmを発生している。
組み合わされるトランスミッションは7速モードとパドルシフトを備えたCVTで、駆動方式はFF(2WD)のみ。ガソリンは無鉛レギュラー仕様となっており、JC08モード燃費は19.4km/Lとハイレベルな数値となっている。
安全面では、衝突被害軽減ブレーキ、渋滞追従機能付きACCなどを含めた「Honda SENSING(ホンダ センシング)」、4輪のブレーキを独立制御して車両の挙動をコントロールする「アジャイルハンドリングアシスト(AHA)」、LEDヘッドライト、LEDフォグランプなどが標準装備という充実した内容となる。
ボディカラーは注文色で3万7800円高となる「ホワイトオーキッド・パール」のほか、セダン専用色の「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」(5万9400円高)と「コスミックブルー・メタリック」、標準色の「ルナシルバー・メタリック」「クリスタルブラック・パール」の計5色が用意される。
グレード設定のない1モデル展開で価格は265万320円。レザーインテリア、運転席8ウェイパワーシート、助手席4ウェイパワーシート、17インチ ノイズリデューシングアルミホイール+215/50 R17タイヤがセットオプションとして用意されている。生産は埼玉製作所 寄居工場。
シビック ハッチバック
北米市場では追加モデルとして登場したハッチバック。3ドア、5ドアの違いがあるとはいえ、日本市場としてはセダンよりこちらの方が“シビックらしいモデル”と言えるかもしれない。
基本骨格をセダンと共有していることもあって、ホイールベースは2700mmと共通。ただ、ボディサイズは4520×1800×1435mm(全長×全幅×全高)となり、全長はリアオーバーハング分で130mm短く、さらにホイールサイズをセダンより2インチ大きな18インチとすることでスポーティなシルエットを演出している。
エンジンは直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴VTECターボと、一見セダンと同じように思えるが、型式としては「L15C」と別ユニットになる。構造面で大きな違いは、エキゾーストシステム全体をストレートレイアウト化することにより排気流量を拡大していることと、燃料をハイオク仕様としている点。また、組み合わされるトランスミッションもセダンと同じCVTのほかに、6速MTがラインアップされている。
駆動方式はFF(2WD)のみ。最高出力はCVT車が134kW(182PS)/6000rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpm。6速MT車はターボの過給圧をアップすることで、最高出力は500rpm低い回転数で同様の数値134kW(182PS)をマークするとともに、最大トルクは20Nmアップして240Nm(24.5kgm)/1900-5000rpmと、スポーティなフィーリングを強めたセッティングとなっている。JC08モード燃費はCVT車が18.0km/L、6速MT車が17.4km/L。
主要装備はセダンと基本的に同様で、ボディカラーはハッチバック専用色となる「フレームレッド」「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」、そのほかセダンと同じ「ホワイトオーキッド・パール」「ルナシルバー・メタリック」「クリスタルブラック・パール」の計5色。
セダン同様1グレードのみで、価格はCVT車/6速MT車ともに280万440円。セットオプションはレザーインテリア、運転席8ウェイパワーシート、助手席4ウェイパワーシートの組み合わせ。生産は英国 スウィンドン工場。