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写真で見る 三菱自動車「デリカD:5」
2018年11月21日 13:30
三菱自動車工業「デリカD:5」は箱形のボディを持つワンボックスタイプのミニバン。デリカシリーズとしては1968年に発売された「デリカ トラック」以来の歴史を持ち、今年50周年を迎えるロングセラーモデルだ。現行モデルは2007年に登場した5代目で、名称をデリカD:5へとチェンジ。そして、今回行なわれるビッグマイナーチェンジにより、内外装を一新するとともに最新の安全技術や電子制御4WDを採用するなど、よりいっそうの進化を遂げている。
初代デリカ トラックは「デリバリーカー」から名付けられたモデルだったが、その後、箱形ボディを持つライトバン、9名乗車可能なコーチ、ポップアップルーフを持つキャンピングバンなどのバリエーションを追加。1979年には2代目となる「デリカ スターワゴン」にバトンタッチ。1982年に日本初のキャブオーバー4WD車を追加したことで、アウトドア好きのユーザーを惹きつけるとともに、その後の方向性を決定付けた。
1986年に登場する3代目は2代目のコンセプトを踏襲。フルキャブ構造に加えモノコックボディを採用することで快適性を高めた。1994年にデビューする4代目は「デリカ スペースギア」へと名称を変更。エンジンをノーズ部に収めることでウォークスルーをはじめとする多彩なシートアレンジを可能に。2007年に登場する5代目からはデリカD:5へとチェンジ。最新のプラットフォームや電子制御4WDなどを備えたミニバンへと進化を遂げている。
今回登場する新型はユーザーから寄せられた評価を元に、悪路走破性や安定性といった個性はそのままに安全装備、質感、静粛性など弱点とされていた部分の改善に注力。同時に強くなりすぎていた“アウトドア色”を薄めつつ、上質感を高めフォーマルな方向へと舵を切ったのが特長だ。
新たなデザインコンセプトは「TOUGHT TO BE GENTLE」。デリカD:5ならではのタフなイメージと箱形フォルムを継承しており、ボディサイズも4800×1795×1875mm(全長×全幅×全高)とほぼ変わらない。最低地上高は210mmから185mmへと下げられているものの、新型は樹脂パーツを含んでいるためで実際は同等の数値だという。とはいえ、アプローチアングル21.0(従来比23.5)度、ランプブレークオーバーアングル16.5(同18.0)度、デパーチャーアングル23.0(同22.5)度(数値はすべて標準車)と減少傾向は否めない。
ディテールを見ていくと、フロントまわりは三菱車における最新のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」とマルチLEDヘッドライトを採用し、加えてワイドなリアガーニッシュを採用することで、洗練されたイメージを高めていることが見て取れる。また、新型の方向性を端的に表わしているモデルとして、新たに「URBAN GEAR(アーバンギア)」を設定。専用デザインのフロントマスクとリアガーニッシュなどにより、プレミアム感を表現している。
インテリアは直線基調のイメージはそのままに上質感を高めた。特にインパネまわりはソフトパッドをはじめ、金属感のあるセレクトモードダイヤルやサバ杢柄(標準車)の立体木目を採用するなど、見た目だけでなく“触感”においてもひとクラス上を目指した仕上がりとなっている。
パワートレーンは直列4気筒 2.2リッターディーゼル「4N14」ユニットと8速スポーツモードATの組み合わせ。同ユニットはインタークーラーとターボチャージャーを装備するとともに、尿素SCRシステムとして「AdBlue」を採用することで排出ガスを浄化するクリーンディーゼルエンジン。最高出力107kW(145PS)/3500rpm、最大トルク380Nm(38.7kgfm)/2000rpmのスペックを実現するとともに、JC08モード燃費は13.6km/Lを達成している。駆動方式は継続して三菱自動車ならではの「AWC(All Wheel Control)」思想による電子制御4WDシステムを搭載。ただし、新たにヨーレイトフィードバック制御が追加され、よりドライバーのステアリング操作に忠実な挙動を実現している。
今回のマイナーチェンジにより大きく進化を果たしたのが安全面で、新たに予防安全技術「e-Assist」を採用している。具体的には衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」をはじめ、レーンチェンジアシスト機能付きの後側方車両検知警報システム「BSW/LCA」、後退時車両検知警報システム「RCTA」などの機能を搭載している。また、全車速追従のレーダークルーズコントロールシステム「ACC」も搭載しており、安全性とともに快適性も高められている。
グレードは標準車が「M」「G」「G-Power Package」「P」の4タイプ、アーバンギアが「G」「G-Power Package」の2タイプ。Mは2列目がベンチシートとなる8名定員モデルのみで、それ以外は2列目がキャプテンシートとなる7名定員モデルも選択可能となっている。
ボディカラーは標準車がモノトーン4色、2トーン4色の計8色。アーバンギアはモノトーンのみの3色を設定する。
車両価格は約385万円~約425万円(予定)とアナウンスされている。