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写真で見る 三菱自動車「デリカD:5」

新型デリカD:5。左が新たに設定されるURBAN GEAR(アーバンギア)

 三菱自動車工業「デリカD:5」は箱形のボディを持つワンボックスタイプのミニバン。デリカシリーズとしては1968年に発売された「デリカ トラック」以来の歴史を持ち、今年50周年を迎えるロングセラーモデルだ。現行モデルは2007年に登場した5代目で、名称をデリカD:5へとチェンジ。そして、今回行なわれるビッグマイナーチェンジにより、内外装を一新するとともに最新の安全技術や電子制御4WDを採用するなど、よりいっそうの進化を遂げている。

 初代デリカ トラックは「デリバリーカー」から名付けられたモデルだったが、その後、箱形ボディを持つライトバン、9名乗車可能なコーチ、ポップアップルーフを持つキャンピングバンなどのバリエーションを追加。1979年には2代目となる「デリカ スターワゴン」にバトンタッチ。1982年に日本初のキャブオーバー4WD車を追加したことで、アウトドア好きのユーザーを惹きつけるとともに、その後の方向性を決定付けた。

 1986年に登場する3代目は2代目のコンセプトを踏襲。フルキャブ構造に加えモノコックボディを採用することで快適性を高めた。1994年にデビューする4代目は「デリカ スペースギア」へと名称を変更。エンジンをノーズ部に収めることでウォークスルーをはじめとする多彩なシートアレンジを可能に。2007年に登場する5代目からはデリカD:5へとチェンジ。最新のプラットフォームや電子制御4WDなどを備えたミニバンへと進化を遂げている。

 今回登場する新型はユーザーから寄せられた評価を元に、悪路走破性や安定性といった個性はそのままに安全装備、質感、静粛性など弱点とされていた部分の改善に注力。同時に強くなりすぎていた“アウトドア色”を薄めつつ、上質感を高めフォーマルな方向へと舵を切ったのが特長だ。

 新たなデザインコンセプトは「TOUGHT TO BE GENTLE」。デリカD:5ならではのタフなイメージと箱形フォルムを継承しており、ボディサイズも4800×1795×1875mm(全長×全幅×全高)とほぼ変わらない。最低地上高は210mmから185mmへと下げられているものの、新型は樹脂パーツを含んでいるためで実際は同等の数値だという。とはいえ、アプローチアングル21.0(従来比23.5)度、ランプブレークオーバーアングル16.5(同18.0)度、デパーチャーアングル23.0(同22.5)度(数値はすべて標準車)と減少傾向は否めない。

 ディテールを見ていくと、フロントまわりは三菱車における最新のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」とマルチLEDヘッドライトを採用し、加えてワイドなリアガーニッシュを採用することで、洗練されたイメージを高めていることが見て取れる。また、新型の方向性を端的に表わしているモデルとして、新たに「URBAN GEAR(アーバンギア)」を設定。専用デザインのフロントマスクとリアガーニッシュなどにより、プレミアム感を表現している。

 インテリアは直線基調のイメージはそのままに上質感を高めた。特にインパネまわりはソフトパッドをはじめ、金属感のあるセレクトモードダイヤルやサバ杢柄(標準車)の立体木目を採用するなど、見た目だけでなく“触感”においてもひとクラス上を目指した仕上がりとなっている。

 パワートレーンは直列4気筒 2.2リッターディーゼル「4N14」ユニットと8速スポーツモードATの組み合わせ。同ユニットはインタークーラーとターボチャージャーを装備するとともに、尿素SCRシステムとして「AdBlue」を採用することで排出ガスを浄化するクリーンディーゼルエンジン。最高出力107kW(145PS)/3500rpm、最大トルク380Nm(38.7kgfm)/2000rpmのスペックを実現するとともに、JC08モード燃費は13.6km/Lを達成している。駆動方式は継続して三菱自動車ならではの「AWC(All Wheel Control)」思想による電子制御4WDシステムを搭載。ただし、新たにヨーレイトフィードバック制御が追加され、よりドライバーのステアリング操作に忠実な挙動を実現している。

 今回のマイナーチェンジにより大きく進化を果たしたのが安全面で、新たに予防安全技術「e-Assist」を採用している。具体的には衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」をはじめ、レーンチェンジアシスト機能付きの後側方車両検知警報システム「BSW/LCA」、後退時車両検知警報システム「RCTA」などの機能を搭載している。また、全車速追従のレーダークルーズコントロールシステム「ACC」も搭載しており、安全性とともに快適性も高められている。

 グレードは標準車が「M」「G」「G-Power Package」「P」の4タイプ、アーバンギアが「G」「G-Power Package」の2タイプ。Mは2列目がベンチシートとなる8名定員モデルのみで、それ以外は2列目がキャプテンシートとなる7名定員モデルも選択可能となっている。

 ボディカラーは標準車がモノトーン4色、2トーン4色の計8色。アーバンギアはモノトーンのみの3色を設定する。

 車両価格は約385万円~約425万円(予定)とアナウンスされている。

デリカD:5

撮影車両はPグレード。ボディカラーはウォームホワイトパール×スターリングシルバーメタリックの2トーン。前後のアンダーガーニッシュはディーラーオプション
横基調の大型グリルはハニカムパターンを配し力強さを強調
フロントウィンドウ上部にe-Assist用のカメラを配置
フロントまわりはエッジの効いた直線基調のデザイン
リアコンビランプから続くガーニッシュはD:5ならではのポイント
エンジンは従来通り4N14ユニットを搭載。圧縮比を14.9から14.4へ下げるとともに効率をアップ。新たに尿素SCRシステムを採用することで環境性能も高められている
燃料タンク容量は64L。JC08モード燃費は13.0km/Lから13.6km/Lへと向上
Mグレード以外には225/55 R18タイヤとアルミホイールが標準。タイヤは「M+S」表記のある横浜ゴム製「ジオランダーSUV G055」
水平基調でフラットな面を持つインパネ。ソフトパッドや木目調パネル、シルバー加飾などにより上質な仕上がり
ステアリングは全車シルバー加飾の付いた本革巻タイプを採用。パドルシフトも標準
シフトゲートはストレートタイプ。シフトレバーはメッキアクセントの付いた本革巻タイプ
セレクトモードダイヤルは2WD、4WD、LOCKの3モード切り替え式
ペダルまわり
メーターパネルはシンプルな2眼タイプ。中央に4.2インチ液晶採用のマルチインフォメーションディスプレイを配置
オーディオは6スピーカーのみ標準でインパネには10.1型画面対応スペースを用意。オリジナルの10.1型ナビゲーションはオプション
10.1型ナビゲーションはHDディスプレイを採用し、4分割画面表示が可能
前後左右4つのカメラを利用したマルチアラウンドモニターはPグレードに標準装備。Gグレード以上はオプション
左右独立温度コントロール式フルオートエアコンは全車標準装備
キーレスオペレーションと助手席側電動スライドドアは全車標準装備。運転席側電動スライドドアはGグレード以上、エレクトリックテールゲートはG-Power Packageグレード以上に標準
ステアリングコラム右側のスイッチ群
運転席&助手席サンバイザー裏には照明付きバニティミラーを装備
フロントシート上方には照明やサングラスポケットが備わる
インパネ下部
DC12Vソケットと、オプションのナビゲーションを選択すると装着されるUSB端子を装備。上部はETC車載器用のスペース
最下部にはフタ付きのポケット
運転席と助手席の間にあるフロアコンソールには、収納と4つのカップホルダーを用意
助手席前にはグローブボックス
ルーフビームガーニッシュはPグレードのみ装備
ゆったりとしたフロントシートの中央側にはアームレストを装備。座面中央には幾何学模様が描かれる
運転席ドアトリムにもインパネと同じくソフトパッドや木目調パネルが配され、上質なイメージをアップ
8人乗りは2列目が6:4分割ベンチシートになる。中央部にはアームレストを装備
スライドドアのステップ部
3列目は5:5分割ベンチシート
ボディ側にアームレストとカップホルダーを装備
ベージュのシートカラー
G-Power Package以上の運転席および助手席にはシートヒーターが標準
シートバックにはスマホなどの収納ができるポケットが用意される
ベージュカラーの運転席ドアトリム
7人乗りの2列目シート
3列目
フル乗車時のラゲッジスペース
3列目は跳ね上げ式
2列目もスライド可能。最前方にセットすればより広いスペースが確保できる
3列目の収納状態
固定ベルトはキチンと収納できる
ラゲッジフロア下に工具などを収納するスペースを用意
AdBlueのタンクもここに
エレクトリックテールゲートはG-Power Package以上に標準
ラゲッジ部の壁面に荷物固定用のフックを用意。フックはボルトで固定されており、外せば棚やポールを装着する際の固定用ナットとして利用できる
フロアにもフックを用意
リアにもDC12Vソケットを用意。こちらはGグレード以上に標準

デリカD:5 アーバンギア

撮影車両はG-Power Package。ボディカラーはアイガーグレーメタリック
フロングリルは横基調のデザインを強調。バンパーもエアロタイプを装着することで押し出し感を強めている
テールゲートスポイラーはオプション
リアガーニッシュはクリアタイプに
専用のバッヂが付く
タイヤは225/55 R18で標準車と同サイズ。アルミホイールは専用の切削光輝仕上げ
インパネまわりでは木目調パネルがサバ杢からバール杢に
キーレスオペレーションキーとオプションのリモコンエンジンスターター
フロアコンソールボックスは標準車と同じ。Gグレード以上にはAC100V電源を装備
シート形状は標準車と同様
運転席ドアトリム。インパネ同様、木目調パネルが異なる
キャプテンシートタイプの2列目
3列目
1列目&2列目のフラットアレンジ
2列目(キャプテンシート)&3列目のフラットアレンジ
2列目(ベンチシート)&3列目のフラットアレンジ
7名乗車モデルのラゲッジアレンジ

ライトパターン

ライトの点灯パターン。左がアーバンギア、右が標準車
リアコンビネーションランプの点灯パターン(標準車)
リアコンビネーションランプの点灯パターン(アーバンギア)