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写真で見る ダイハツ「コペン」
(2014/7/18 00:00)
バブル期に続々とデビューを果たした軽規格オープンカー。ホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」、マツダ「AZ-1」と、それぞれ個性的なキャラクターで一定の人気を博したものの、残念ながら一世代限りで生産を終えてしまった。
そんななか、2002年発売と最後発となったのがダイハツ「コペン」。こちらは10年あまりと長いスパンで生産が続けられたが、惜しまれつつも2012年に生産を終了。軽規格オープンカーの系譜は途切れてしまったかのように思われた。
だがその翌年、2013年の東京モーターショーに2014年発売予定とされる2台のコンセプトカーが展示される。「KOPEN future included Rmz(コペン・フューチャーインクルーデッド アール・エムゼット:以下Rmz)」「KOPEN future included Xmz(コペン・フューチャーインクルーデッド クロス・エムゼット:以下Xmz)」だ。この両車には「同じ骨格のボディーをパネルの着せ替えによって変身させる」という新しい試みが取り入れられた。
そして2014年6月。待望の市販モデルがリリースされた。モーターショーに展示された2タイプともに市販モデルとなって発売されるが、まず先行して発売が開始されたのがRmzの市販モデルにあたる「コペン ローブ(以下ローブ)」。Xmzは「コペン Xモデル(仮称:以下Xモデル)」として2014年秋に発売開始となる予定だ。
ローブのエクステリアはRmzの印象ほぼそのままだ。特徴的なヘッドライト、リアコンビネーションランプは言うに及ばず、ホイールデザインも変わらない。コンセプトカーで取り入れた“着せ替え”という試みも、「DRESS-FORMATION(ドレスフォーメーション)」として実現している。
これはボンネットをはじめ、トランクリッド、前後バンパー、前後フェンダー、ロッカー(パネル)、フューエルリッドといった11個所のパーツを樹脂パネル&ボルト留めとすることで、ユーザーレベルでの外装交換を可能とするものだ。ただし、ローブとXモデルではドアパネル形状が異なるため互換性がなく、ローブの外板を交換してXモデルに変更することはできない。また、2015年の年央には「第3のデザイン」とされる、初代コペンに似た丸形ヘッドライトを採用するモデルの登場もアナウンスされているが、こちらは前後ライトをアッセンブリー交換することでローブと互換性があるという。ヘッドライトを交換すると光軸の問題が出てくるため“ユーザー自身の手で簡単に”とはいかないかもしれないが、発売が楽しみなアイテムと言えそうだ。
ドレスフォーメーションが実現されたのは、「D-Frame(ディーフレーム)」と呼ばれる新骨格構造を採用したことが大きい。これはフレームとモノコックのいいとこ取りをしたような技術で、この結果、骨格のみでボディー剛性を向上させ、初代モデル比で上下曲げ剛性を3倍、ねじれ剛性も1.5倍に高めている。パネル外板による剛性確保を必要としないため、着せ替えが可能になったというわけだ。
エンジンは0.66リッター、直列3気筒DOHC DVVT(連続可変バルブタイミング機構)ターボの「KF」型ユニットを搭載。スペックは最高出力47kW(64PS)/6400rpm、最大トルク92Nm(9.4kgm)/3200rpmで、5速MT、または7速モード付きCVTとの組み合わせとなる。車両重量は5速MT車で850kgと初代より20kgほどアップしているが、ボディー剛性や操縦性などの向上を考慮すれば同等以下と言えるレベル。それでいて、燃費はCVT車で25.2km/L(JC08モード)と初代を遙かに上まわり、エコカー減税の免税(100%減税)対象。5速MT車は若干ダウンして22.2km/L(同)となるものの、エコカー減税の軽減対象(取得税60%、重量税50%それぞれ軽減)となっている。
価格は5速MT車が181万9800円、CVT車が179万8200円。北海道地区はそれぞれ183万600円、180万9000円となる。ボディーカラーはイメージカラーとなる「リキッドシルバーメタリック」など全8色。インテリアカラーはベージュが標準で、ブラックをオプション(3万2400円高)で選択可能。さらに5速MT車にはスーパーLSDが3万2400円高でオプション設定される。