写真で見るメルセデス・ベンツ「Eクラス・クーペ」


 メルセデス・ベンツのミドルクラスサルーン「Eクラス」にクーペモデルが登場した。Eクラスのクーペは14年ぶり。

 ボディーサイズは4705×1785×1395mm(全長×全幅×全高)。セダンに比べて全長で165mm、全幅で70mm、前高で75mm小さくなっている。むしろ以前の「CLK」に近いサイズだ。

 外観はEクラスのアイコンである4灯ライトはセダンと同じ雰囲気を持つが、グリルが桟の目が粗いタイプとなり、スリーポインテッドスターがグリル側にある。

 内装に目をやると、Eクラスセダンのシフトレバーはコラムの電子スイッチ式レバーなのに対し、クーペのシフトレバーはフロアトンネル上のごく一般的なものとなっている。

 サッシュレスのフロントドアに加え、Bピラーのないボディー、完全に開くリアサイドウインドーなどでセダンと異なるイメージを持たせることに成功している。乗員側からは、窓を全開にすれば、左右に遮るもののない開放感も味わえる。

 安全装備はセダンと同等の装備。歩行者との衝突時にボンネット後端を跳ね上げて歩行者への衝撃を弱める「アクティブボンネット」、先行車や対向車を検知してヘッドライトの配光を連続変化させる「アダプティブハイビームアシスト」などが標準装備となる。

 V型6気筒 DOHC 3.5リッターエンジン搭載の「E350 クーペ」と、V型8気筒 DOHC 5.5リッターエンジン搭載の「E550 クーペ」が選べるが、撮影車は「E 350 クーペ」(860万円)。オプションとして本革巻きウッドステアリング&シフトノブ、前席のマルチコントロールシートバック、シートベンチレーター、パドルシフトがセットになった「ラグジュアリーパッケージ」(30万円)が装備されている。

ライトの形状を見ればEクラスと分かるが、全体ではクーペらしくまとめられている。一見、尻すぼみに見えるスタイルも、間近でさまざまな角度から見ているとバランスよく感じられてくるから不思議だ。ボディーカラーはファイアオパール
フロントは2本の桟があるグリルと、そこに配置される大きなスリーポインテッドスターがクーペのアイコンとなる
ライト類は4灯で、外側がバイキセノンタイプ。ハイビームとロービームを連続で変化するなど多機能。ライトの下はLEDナイトドライビングライト
フロントのウインカーは、ライトの外周にオレンジ色のLEDが配置されるタイプサイドのウインカーはドアミラーに内蔵、ミラーはヒーター付きフロンドウインドー。ワイパーはフラットタイプを2本装備
Bピラーのないクーペボディー、いわゆる“2ドア・ハードトップ”。リアのウインドーは完全に開き、シートベルトはボディー側に付くため視界が遮られない
テールランプはハイマウントストップランプを含めてLEDで埋め尽くされるテールエンドもV字ラインで尖ってる
グレードを示す「E350」のオーナメントマフラーのテールエンドは2本出し低排出ガスのプレートが付くが、エコカー減税対象車ではない
ドアのグリップ燃料は無鉛プレミアム。キャップをキャッチしておく場所も装備するV型6気筒DOHC 3.5リッターエンジン。最高出力200kW(272PS)、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発生し、7速ATを介して後輪を駆動する
タイヤは標準仕様で前後とも235/45R17。撮影車はContiSportContact 3を履いていた

 

運転席まわり。セダンと機能面では共通点が多いが、シフトレバーの位置やエアコンルーバーの形状などが異なるメーターはセンターがスピードと各種ディスプレイ、左に時計、右にタコメーターはメルセデス・ベンツの伝統的配置7速ATのシフトレバーは一般的なセンタートンネル上に配置。ウッドのシフトノブはオプション
ステアリングホイールには左側にCOMANDシステムの操作ボタン、右はオーディオやハンズフリー通話の操作ボタンがあるエンジンはプッシュスタート式。ヘッドライトのスイッチもダッシュボード側。その下にはサイドブレーキのリリースレバーもある。さらに足元を保護するニーエアバッグもこの位置にある
シフトノブは根元がレザーのブーツで覆われているが、実際の操作はゲート式と同じフロントドアには4枚分のウインドーの開閉とサイドミラー操作、パワーシートの操作部がある。ポケット内にはトランクオープナーがある。触りにくい場所に置くことで誤操作を防ぐ工夫のようだランバーサポート、サイドサポートなどの調整を行う操作スイッチはシート横にある
オーディオ操作部分にはCD挿入のスリットと、丸いつまみの下にはMP3ファイルを記録したメモリーカードを挿入するPCカードスロットがある。その下はエアコンの操作コンソールにはドリンクホルダーと物入れがあるATなので2ペダル。さらに左はパーキングブレーキのペダル
シートカラーは「アーモンドベージュ」。後席へのアクセスの際は、電動で前に倒れるプレートにもメルセデス・ベンツの文字

 

オーディオの外部入力はグローブボックス内にある。ケーブルの交換でiPod、USB、音声入力が選べるバイザー裏にはミラー。電灯は天井側にあるルームライト類の操作系は天井にある
前後バンパー付近に物体があるとLEDが点灯、アラームで知らせてくれるキーは持っているだけでよいスマートキー「キーレスゴー」タイプ

 

リアシートは2名乗車シート間にはドリンクホルダーを装備
左右分割シートを倒すことでトランクルーム拡大が可能

 

トランクルームはVDA法式計測で415リットル。長物は後席を倒すことで収納も可能スペアタイヤはボード下に収納される
トランクルーム右側にはファーストエイドキットとヒューズボックスファーストエイドキットの内容

 

ギアをバックに入れると液晶画面はリアビューを表示する。ステアリングの切り角によって予測ラインが表示されるカメラはナンバープレート上部に配置

 

スピードメーター中央は各種情報を表示する。トリップメーターと外気温、シフトポジションを表示経過時間を表示する詳細なトリップメーター燃費や搭載ガソリンでの航続見込み距離も表示
クルマの方向も表示できる。カーナビでの道案内利用時は右左折情報も表示するメンテナンスまでの日数タイヤ空気圧の警告も
細かなクルマの動作も設定できる。イージーエントリーの設定もここからラジオの選局も可能設定リセットもできる
HDDカーナビは精細な画面と落ち着いた配色フロアコンソールのCOMANDコントローラーで操作するラジオもCOMANDコントローラーの回して選局することもできる
Bluetooth携帯電話の接続が可能テレビは地デジ対応

(正田拓也、Photo:鈴木広一郎)
2009年 10月 9日