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「ツインリンクもてぎ2&4レース」スーパーフォーミュラ第4戦は関口雄飛選手が今季初優勝
ポイントリーダーの山本尚貴選手が総合5位に後退。チャンピオンシップはさらなる混戦へ
2016年8月22日 15:45
- 2016年8月21日 開催
ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で8月21日、「ツインリンクもてぎ2&4レース」として「全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦」の決勝(52周)が開催。ポールポジションの関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/TOYOTA RI4A)が危なげない走りで今季初優勝を飾り、ポイントランキングでもトップに躍り出た。2位にはアンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM'S/TOYOTA RI4A)、3位には石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING/TOYOTA RI4A)が入った。
関口選手が予選、決勝をつうじて強さを見せる
前日までの不安定な天候とは打って変わって晴れ上がり、ドライコンディションとなった8月21日の決勝レース。ポールポジションから好スタートを切った関口選手は、ホールショットを決めてオープニングラップも制し、2ラップ目には2番手を走るロッテラー選手に早くも3.5秒の差を付けて独走態勢に持ち込む。
オープニングラップ後の並びは、関口選手、ロッテラー選手、野尻智紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING HONDA/HR-414E)、石浦選手の順。関口選手は快調に飛ばし、じりじりと2位以下との差を広げていった。
3番手を走行していた野尻選手は5ラップ目に突如スローダウンし、ピットイン後にリタイアとなった。SUPER GTなどでも活躍するジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(TOCHU ENEX TEAM IMPUL/TOYOTA RI4A)も、8ラップ目にマシントラブルでピットインしてそのままリタイアしている。
レース全体の3分の1となる17周が経過し、各車最初のタイヤ交換・給油のピットインを終えた時点で、トップの関口選手とロッテラー選手とのタイム差はおよそ8秒。そこから石浦選手、国本雄資選手(P.MU/CERUMO・INGING/TOYOTA RI4A)、ジェームス・ロシター選手(KONDO RACING/TOYOTA RI4A)、中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING/HONDA HR-414E)と続き、元F1ドライバーの小林可夢偉選手(SUNOCO TEAM LEMANS/TOYOTA RI4A)は8番手に付ける。
上位陣の2回目のピットインとなった36周目、最初にピットロードに飛び込んできたのは2番手走行中のロッテラー選手。この間に石浦選手は猛プッシュをかけ、1周したあとにピットイン。ロッテラー選手の前にピットアウトするべく素早いピット作業で再スタートを切るも、タッチの差でロッテラー選手の後塵を拝する形となってしまった。
周回数が40を超えたレース後半、ロッテラー選手はトップを独走する関口選手に一時は10秒以上の差をつけられていたが、2回目のピットイン後は8秒、その後は6秒程度にまで詰め寄るも、45ラップ目に痛恨のオーバーランを喫し、再び関口選手との差は8秒以上にまで開いてしまった。
それどころか、このミスから3番手の石浦選手との差が詰まって0.5秒差で追撃を受ける格好に。なんとかペースを取り戻して接近戦になることは避けられたロッテラー選手だったが、前に追いつくには至らず、結局最初から最後までトップを譲らなかった関口選手がポール・トゥ・ウインで今期初勝利。ロッテラー選手、石浦選手がそれに続き、年間ポイントランキングでも関口選手17ポイント、ロッテラー選手15.5ポイント、石浦選手15ポイントと順に並んだ。これにより、シリーズランキングは5位までがわずか3ポイント差というさらなる混戦の様相を呈している。
先日入籍を発表し、前戦までのポイントリーダーである山本尚貴選手(TEAM 無限/HONDA HR-414E)は予選8番手。決勝ではスタート直後に1コーナーの飛び込みでオーバーランしてしまい、すぐにコースに復帰したものの最下位に転落した。
その後に猛烈な追い上げを見せたが8位に順位を戻すまでが精一杯で、ポイントランキングでも5位に後退する結果となった。今回のレースにおける10位までのリザルトは以下のとおり。
順位 | ゼッケン・ドライバー(チーム名) |
---|---|
1 | 20 関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/TOYOTA RI4A) |
2 | 36 アンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM'S/TOYOTA RI4A) |
3 | 1 石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING/TOYOTA RI4A) |
4 | 2 国本雄資選手(P.MU/CERUMO・INGING/TOYOTA RI4A) |
5 | 3 ジェームス・ロシター選手(KONDO RACING/TOYOTA RI4A) |
6 | 41 ストフェル・バンドーン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/HONDA HR-414E) |
7 | 37 中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM'S/TOYOTA RI4A) |
8 | 16 山本尚貴選手(TEAM 無限/HONDA HR-414E) |
9 | 8 小林可夢偉選手(SUNOCO TEAM LEMANS/TOYOTA RI4A) |
10 | 64 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING/HONDA HR-414E) |
表彰台3選手のコメント
関口選手:「昨日の予選からチームに助けられた。今日はスタートだけ決めて前に出れば絶対に抜かれない自信があったので、1コーナーだけは前に行きたいと思っていて、そのとおりになったし、あとはクルマもすごく速かったので、なにも心配なくイージーに勝てました。本当にチーム感謝です」。
「(金曜日の専有走行でスタート練習を繰り返していた点について)スタートが苦手なのでそこを重点的にやっていたんですけど、やっぱり苦手なのでうまくいかなかった。自信はなかったですけど、今回勝つことによってシリーズポイントランキングで1~3位になれる、自分のレース人生を大きく変えられるチャンスだと思っていた」。
ロッテラー選手:「スタートはすごくよくて1つポジションを上げられて、その後、野尻選手がロックアップ(タイヤロック)して2位に上がることができて、しばらくその状態をキープできた。ソフトタイヤを使っていた関口選手は本当に速く、僕自身プッシュしすぎたところもあったと思ったけれど、中盤から後半にかけて安定して走ることができた。ただ、今回はブルーフラッグが多くてトラフィックに悩まされた。最後の5ラップはミディアムタイヤがタレてきて、2位をキープするべく走った」。
石浦選手:「スタートを決めてトップに立ちたかったんですけど、練習ではうまくいっていたものの、本番で動き出しがわるくて、練習のときからイン側もあまりグリップ感がなかったので、その影響もあって何台か前に出られてしまったのは大失敗だったなと思う。ただ、クルマはすごく速くて、前にクルマがいなければもっと速いペースで走れた。最後のピットインのあと、アンドレ(ロッテラー選手)との差が開いちゃいましたけど、その後は1分36秒の真ん中くらいでラップできたし、ポテンシャル自体はすごく高かったなと思います」。