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新東名は「先端技術を集めた世界に冠たる道路に」
NEXCO中日本、記者会見を開催

会見するNEXCO中日本の長谷川氏と、中日本エクシスの並木氏

2012年1月27日発表



 NEXCO中日本は27日、新東名高速道路の御殿場JCT(ジャンクション)〜三ヶ日JCTを4月14日に開通すること、開通区間に13のSA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)を開設することを発表した。

 同日、NEXCO中日本とグループ会社の中日本エクシスは、都内の同社東京支社で記者会見を開催、新東名高速とSA・PAについて説明した。

通行料金は値下げに
 会見では同社東京広報部の長谷川周三部長が、開通区間の詳細を解説した。

 御殿場JCT〜三ヶ日JCTの距離は約162km。一気にこれだけの長距離区間を開通区間として最長となる。御殿場JCT、三ヶ日JCTのほか、新清水JCTでも東名高速道路と接続する(東名高速側は清水JCT)。

 

御殿場JCT

 東名高速道路のこの区間は、交通容量を48,000台/日として設計されているが、現状は74,000台/日で完全に容量オーバー。この数字は2010年の年間平均であり、休日はさらに交通量が増え、渋滞が頻発している。

 ここを、東名高速と同じく2×2車線(4車線)の新東名高速で多重化することで、容量は96,000台/日に増え、平均速度が79.5km/hから96.9km/hに上がることが見込まれている。「ゴールデンウィークや夏の繁忙期でも、この区間は渋滞を解消できるのではないか」(長谷川部長)と期待される。

 また、東名または新東名のどちらかが通行止めになっても、迂回することができるなど、多重化のメリットは大きい。例えばこの区間の東名高速 由比PA付近は海沿いにあり、高波で通行止めになることがあるが、こうした場合も山側の新東名に迂回することができる。

 さらに新東名は山側にあるため、東海地震でも東名よりも震度が低いと予想され、被害を受けにくいとしている。実際、2011年3月11日の東日本大震災では、東名と並行する国道1号が23時間にわたって通行止めになったが、新東名の藤枝岡部IC〜新富士ICに消防車などの緊急車両を通して緊急輸送路とした。

 なお、新東名の御殿場JCT〜三ヶ日JCT間は、東名の同区間より約10km短い。このため通行料金が東名よりも200円安くなる。新東名、東名のどちらを通行しても、距離が短い方の料金が適用されるため、値下げになる。たとえば東京〜名古屋の普通車料金は現在7,200円だが、新東名開通後は6,900円になる。

東名にある新東名の案内看板

最高速度は未定
 新東名の工事は1993年11月に始まり、18年5カ月で開通に至ったが、「先端技術を集めた世界に冠たる道路にしたい」との意気込みで設計、建設されている。

 まず道路はカーブや坂道をゆるやかにし、走行しやすくした。東名のカーブが最小半径300m、最大勾配が5%なのに対し、新東名はそれぞれ3,000m、2%。勾配をゆるくするためと、また東名よりも山側に作られていることもあって、長い橋梁やトンネルが多いが、これらの設計にもさまざまな先端技術が使われ、土木関連の賞を受賞した部分も多い。

高架や長大橋梁が多い新東名。写真は葛山高架橋 新富士川橋は土木学会田中賞を受賞した のり面に堆肥を吹きつける

 設計速度は120km/h。片側3車線として設計し片側2車線で運用するため余裕もあるため、東名では100km/hとなっている最高速度の引き上げが期待されるところだが、これは公安委員会が決めること。「(引き上げを)公安委員会がOKするとは思えない」というのが同社の考えだ。

 また、新東名では、1kmピッチでカメラを設置。このカメラには事故車や落下物を自動検知する機能があり、検知するとやはり1kmピッチで設けられた簡易情報板に、前方に障害があることを表示し、ITSスポット(DSRC)でも通知する。

 トンネル内の照明には、従来の上から真下を照らすのでなく、やや前方を照らす「プロビーム照明」を採用。これにより前の車が浮きだして明るく見えるようになる。

 SA・PAには逆走車の検知装置と表示板を設置。逆走を検知すると、逆走車にその旨を表示して警告する。

 さらに、建設のために伐採した樹木の種から苗木を作り、のり面に植えることで元の植生を維持。伐採した樹木は堆肥として、のり面に吹きつけて活用するなど、環境にも配慮している。

複合商業施設「NEOPASA」を開設
 新東名の開通区間には次のようなJCT、IC、SA、PAが設けられる。

施設名 備考
御殿場JCT
長泉沼津IC
駿河湾沼津SA NEOPASA駿河湾沼津
新富士IC
新清水IC
清水PA NEOPASA清水
新清水JCT
清水いはらIC
清水JCT
新静岡IC
静岡SA NEOPASA静岡
スマートIC
藤枝岡部IC
藤枝PA
島田金谷IC
掛川PA
森掛川IC
遠州森町PA
浜松浜北IC
浜松SA NEOPASA浜松
スマートIC
浜松いなさJCT 三遠南信自動車道と接続
浜松いなさIC
三ヶ日JCT
開設されるSA・PA

 このうちSA・PAはそれぞれに個性をもたせ、「金太郎飴にならないようにした」(中日本エクシスの開発リーシング部 並木嘉久副部長)。

 また駿河湾沼津SA、清水PA、静岡SA、浜松SAには複合商業施設「NEOPASA(ネオパーサ)」が設けられる。これまで同社は「EXPASA(エクスパーサ)」と呼ぶ新しいSA・PAの施設を開設し、SA・PAが旅の目的地となるよう、SA・PAの魅力を高める取り組みを行なってきた。

 NEOPASAは基本的にこの延長線上にあるもので、SA・PAではあまりみられないテナントを多数入れ、SA・PAのある地域とのつながりを重視するが、EXPASAよりもゆとりがあり、飲食以外のアパレルや雑貨などのテナントなども入れる。店舗数は13の施設で121にのぼり、うち67は高速道路初出店となる。

 例えばNEOPASA駿河湾沼津は、新東名で唯一オーシャンビューで設置されていることから、女性をターゲットとして「リゾートマインド」をコンセプトにする。NEOPASA清水は「くるまライフ・コミュニティーパーク」として、ガレージをモチーフとした建物に、バイク用品のクシタニや、車内で使える雑貨などを扱う玉屋、ユナイテッドアローズなどが出店する。また、駿河湾沼津と浜松にはドッグランとドッグカフェが、静岡にはドッグランが設けられる。

 さらに、すべてのSA・PAは一般道からも利用できる「ぷらっとパーク」として整備。一般道用の出入口と駐車場が用意される。

オーシャンビューのNEOPASA駿河湾沼津(下り) 清水PA 足柄SAのぷらっとパーク

【お詫びと訂正】記事初出時、新東名完成後の交通容量を誤って記載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:田中真一郎)
2012年 1月 27日