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SUPER GTシリーズ最終戦で3位ゴールの38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平）が年間チャンピオンを獲得
GT300クラスのチャンピオンは16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴）がハイブリッド車として初の栄冠
（2013/11/6 00:00）
- 2013年11月3日決勝開催
11月3日、シリーズ最終戦となる2013 AUTOBACS SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝レースがツインリンクもてぎ（栃木県芳賀郡茂木町）で行われた。
GT500クラスはポールポジションからスタートした6号車 ENEOS SUSTINA SC430（大嶋和也/国本雄資）が終始トップを譲らず独走で今季初優勝。8台で争われたドライバーズチャンピオン争いは38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平）が3位でゴールしてチャンピオンを獲得した。GT300クラスは11号車 GAINER DIXCEL SLS（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム）が独走で今季2勝目。ドライバーズチャンピオンは16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴）がハイブリッド車として初の栄冠に輝いた。
全8戦で争われるSUPER GTシリーズは、獲得ポイントによりウェイトハンデが課せられるが、最終戦となる第8戦はウェイトハンデなし。真の実力が試されるレースとなる。決勝の舞台となるツインリンクもてぎの天候は薄曇りだが雨の心配はない状態。普段より短い250kmで最後の決戦が行われた。
GT500クラス
GT500クラスのドライバーズチャンピオン争いは、ポイントランキング8位まで可能性を残す例年にない接戦となった。このレースで優勝すれば自力でチャンピオンを獲得できるのは38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平）と36号車 PETRONAS TOM'S SC430（中嶋一貴/ジェームス・ロシター）のみだが、ポイントの上位4位までは6点差という僅差の争いとなっており、チェッカーを受けるまでそれぞれの順位に注目が集まる戦いとなる。
●チャンピオン争いに残ったポイント上位8位
| 順位 | マシン名（ドライバー名） | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | 38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平） | 58 |
| 2位 | 36号車 PETRONAS TOM'S SC430（中嶋一貴/ジェームス・ロシター） | 54 |
| 3位 | 18号車 ウイダー モデューロ HSV-010（山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ） | 52 |
| 4位 | 17号車 KEIHIN HSV-010（金石年弘/塚越広大） | 52 |
| 5位 | 23号車 MOTUL AUTECH GT-R（柳田真孝/ロニー・クインタレッリ） | 47 |
| 6位 | 12号車 カルソニックIMPUL GT-R（松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ） | 46 |
| 7位 | 37号車 KeePer TOM'S SC430（伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ） | 42 |
| 8位 | 39号車 DENSO KOBELCO SC430（脇阪寿一/石浦宏明） | 41 |
決勝のレース距離が短く、ウェイトハンデがない最終戦はポールポジションから優勝する確率が高い。このいつも以上に重要となる予選でポールポジションを獲得したのは、チャンピオン争い圏外の6号車 ENEOS SUSTINA SC430。予選2位はポイント4位の17号車 KEIHIN HSV-010、予選3位はポイント5位の23号車 MOTUL AUTECH GT-Rとなった。
ポイントトップの38号車 ZENT CERUMO SC430は予選4位とまずまずのポジションに着けたが、ポイント2位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430は予選13位、ポイント3位の18号車 ウイダー モデューロ HSV-010は予選10位と後方に沈み、チャンピオン争いから半歩後退してしまう。
いつもより30分早い13時半にフォーメーションラップが始まり、53周の決勝レースがスタートした。ポールポジションの6号車 ENEOS SUSTINA SC430（大嶋和也）がトップをキープ。17号車 KEIHIN HSV-010（金石年弘）が2位、38号車 ZENT CERUMO SC430（平手晃平）が3位にそれぞれポジションアップした。
チャンピオン争いをするチームの1周目の順位は、17号車 KEIHIN HSV-010が2位、38号車 ZENT CERUMO SC430が3位、23号車 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）が4位、39号車 DENSO KOBELCO SC430（脇阪寿一）が5位、36号車 PETRONAS TOM'S SC430（ジェームス・ロシター）が10位、18号車 ウイダー モデューロ HSV-010（山本尚貴）が12位となり、この順位のままゴールすれば38号車 ZENT CERUMO SC430がチャンピオン獲得となる。
序盤から6号車 ENEOS SUSTINA SC430は後続を引き離し、10周目には5秒、16周目には11秒の差を付け独走態勢を築いた。その後方では、4周目に38号車 ZENT CERUMO SC430が17号車 KEIHIN HSV-010をS字で抜き2位に浮上。抜かれた17号車 KEIHIN HSV-010はタイヤに異物を拾いペースダウン。38号車 ZENT CERUMO SC430から徐々に遅れ、4位以下の集団に追い付かれてしまった。
さらにその後方では各車が順位を入れ替えるなか、ジワジワとポジションを上げてきたのが36号車 PETRONAS TOM'S SC430。13番グリッドからスタートで10位にジャンプアップ。7周目に8位、17周目に6位と順位を上げて予選で消えかけたチャンピオン争いの可能性を徐々に回復させていく。
53周で争われる決勝の1/3を過ぎた19周目から各車ピットインを開始。24周目にトップ独走の6号車 ENEOS SUSTINA SC430がGT500クラスで最後にピットイン。トップのままコースに復帰した。
全車ピットインを済ませた25周目の順位は、6号車 ENEOS SUSTINA SC430（国本雄資）がトップ。以下、38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路）、17号車 KEIHIN HSV-010（塚越広大）、39号車 DENSO KOBELCO SC430（石浦宏明）、36号車 PETRONAS TOM'S SC430（中嶋一貴）、12号車 カルソニックIMPUL GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）、23号車 MOTUL AUTECH GT-R（柳田真孝）、18号車 ウイダー モデューロ HSV-010（フレデリック・マコヴィッキィ）、37号車 KeePer TOM'S SC430（伊藤大輔）と、2位から9位までチャンピオン争いをする8チームが並ぶ混戦となった。
後半のスティントも6号車 ENEOS SUSTINA SC430は後続を引き離し、35周目にその差が25秒まで広がってトラブルさえなければ優勝がほぼ決まりとなった。2位以下は38号車 ZENT CERUMO SC430のペースが上がらず後続に蓋をする形となり、ピットアウト直後は8秒ほど離れていた4位の39号車 DENSO KOBELCO SC430と5位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430が徐々にその差を詰める。
39号車 DENSO KOBELCO SC430は17号車 KEIHIN HSV-010を抜き3位に浮上するが、すぐに17号車 KEIHIN HSV-010が抜き返してポジションを回復。38周目の2コーナーでインを開けた38号車 ZENT CERUMO SC430を抜き2位に浮上した17号車 KEIHIN HSV-010は集団を引き離し、25秒前を走る6号車 ENEOS SUSTINA SC430の追撃を始める。
この時点でチャンピオン争いに複雑な計算が絡み始めた。2位の17号車 KEIHIN HSV-010はトップに立てば38号車 ZENT CERUMO SC430が3位以下、36号車 PETRONAS TOM'S SC430が2位以下ならチャンピオン獲得となるが、トップに立つには毎周2秒近く差を縮めなければならない。仮にトップの6号車 ENEOS SUSTINA SC430がトラブルでリタイヤした場合でも、38号車 ZENT CERUMO SC430が2位にポジションアップするため自力でのチャンピオン獲得は難しい状況だ。
一方、38号車 ZENT CERUMO SC430は現在の3位をキープすればチャンピオンを獲得するが、4位に後退すると逃すことになる。4位の39号車 DENSO KOBELCO SC430はポイント上位が総崩れしなければチャンピオンは獲得できない。5位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430も3位まで浮上しても17号車 KEIHIN HSV-010が2位ではチャンピオン獲得はない。
レース終盤は孤軍奮闘する17号車 KEIHIN HSV-010とレクサス勢によるチャンピオン争いとなった。明らかにペースの速い39号車 DENSO KOBELCO SC430と36号車 PETRONAS TOM'S SC430だが、ペースが上がらない38号車 ZENT CERUMO SC430の後ろでポジションキープ。レクサス勢がチャンピオンを獲得するためチームプレイとなった。
17号車 KEIHIN HSV-010はトップとのタイム差を残り10周で20秒差、残り5周で15秒差まで縮めるが、追い上げはそこまで。6号車 ENEOS SUSTINA SC430が1度もトップを譲ることなくチェッカーを受け今季初優勝を飾った。
ドライバーズチャンピオンは3位をキープした38号車 ZENT CERUMO SC430が獲得。立川祐路は3度目、平手晃平は初のシリーズチャンピオン獲得となった。
●GT500クラスの順位
| 順位 | マシン名（ドライバー名） |
|---|---|
| 1位 | 6号車 ENEOS SUSTINA SC430（大嶋和也/国本雄資） |
| 2位 | 17号車 KEIHIN HSV-010（金石年弘/塚越広大） |
| 3位 | 38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平） |
| 4位 | 39号車 DENSO KOBELCO SC430（脇阪寿一/石浦宏明） |
| 5位 | 36号車 PETRONAS TOM'S SC430（中嶋一貴/ジェームス・ロシター） |
| 6位 | 37号車 KeePer TOM'S SC430（伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ） |
| 7位 | 18号車 ウイダー モデューロ HSV-010（山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ） |
| 8位 | 23号車 MOTUL AUTECH GT-R（柳田真孝/ロニー・クインタレッリ） |
| 9位 | 24号車 D'station ADVAN GT-R（安田裕信/ミハエル・クルム） |
| 10位 | 19号車 WedsSport ADVAN SC430（荒聖治/アンドレ・クート） |
●GT500クラス ドライバーズランキング
| 順位 | マシン名（ドライバー名） | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | 38号車 ZENT CERUMO SC430（立川祐路/平手晃平） | 69 |
| 2位 | 17号車 KEIHIN HSV-010（金石年弘/塚越広大） | 67 |
| 3位 | 36号車 PETRONAS TOM'S SC430（中嶋一貴/ジェームス・ロシター） | 60 |
| 4位 | 18号車 ウイダー モデューロ HSV-010（山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ） | 56 |
| 5位 | 6号車 ENEOS SUSTINA SC430（大嶋和也/国本雄資） | 52 |
| 6位 | 23号車 MOTUL AUTECH GT-R（柳田真孝/ロニー・クインタレッリ） | 50 |
| 7位 | 39号車 DENSO KOBELCO SC430（脇阪寿一/石浦宏明） | 49 |
| 8位 | 37号車 KeePer TOM'S SC430（伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ） | 47 |
| 9位 | 12号車 カルソニックIMPUL GT-R（松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ） | 46 |
| 10位 | 100号車 RAYBRIG HSV-010（伊沢拓也/小暮卓史） | 37 |
GT300クラス
GT300クラスのドライバーズチャンピオン争いはポイントランキング5位までとなっているが、可能性が高いのは16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴）、4号車 GSR 初音ミク BMW（谷口信輝/片岡龍也）、11号車 GAINER DIXCEL SLS（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム）の上位3チーム。16号車 MUGEN CR-Z GTは2位以内なら他車の順位に関係なく自力でチャンピオン獲得を決定する。
●チャンピオン争いに残ったポイント上位5位
| 順位 | マシン名（ドライバー名） | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | 16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴） | 70 |
| 2位 | 4号車 GSR 初音ミク BMW（谷口信輝/片岡龍也） | 62 |
| 3位 | 11号車 GAINER DIXCEL SLS（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム） | 60 |
| 4位 | 52号車 OKINAWA-IMP SLS（竹内浩典/土屋武士） | 56 |
| 5位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（山野哲也/佐々木孝太） | 55 |
予選でポールポジションを獲得したのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。シーズン5回目のポール獲得はSUPER GTの最多記録。佐々木孝太は通算10回目のポール獲得で、加藤寬樹に並ぶGT300クラスの最多タイ記録となった。
予選2位は11号車 GAINER DIXCEL SLS、予選3位は16号車 MUGEN CR-Z GTとチャンピオン争いをするチームが続き、ポイント2位の4号車 GSR 初音ミク BMWは7位とやや出遅れた。
スタートは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（山野哲也）がトップをキープ。11号車 GAINER DIXCEL SLS（ビヨン・ビルドハイム）、16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀）もそれぞれ予選順位を守った。
11号車 GAINER DIXCEL SLSが4周目にトップに立つと、徐々に後続を引き離す展開。2位に後退した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは10周目に16号車 MUGEN CR-Z GTに抜かれて3位までポジションダウン。7番グリッドからスタートした4号車 GSR 初音ミク BMW（片岡龍也）は序盤ポジションキープ、このままの展開だと16号車 MUGEN CR-Z GTがチャンピオン獲得となる。
4号車 GSR 初音ミク BMWは18周目にピットインを行い、後半のスティントで追い上げる作戦を選択する。16号車 MUGEN CR-Z GTと61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは22周目、11号車 GAINER DIXCEL SLSは25周目にピットイン。ピットアウト後の事実上の順位は11号車 GAINER DIXCEL SLSが1位、16号車 MUGEN CR-Z GTが2位、4号車 GSR 初音ミク BMWがタイヤ無交換と早めのピット作戦が成功して3位にジャンプアップ、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは4位となった。
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（佐々木孝太）は、31周目に4号車 GSR 初音ミク BMW（谷口信輝）を抜いて3位のポジションを回復。2位の16号車 MUGEN CR-Z GT（中山友貴）との差を徐々に縮めていく。全車ピットインを済ませた34周目には1位と2位の差が40秒に開く独走状態。2位の16号車 MUGEN CR-Z GTもポジションをキープすればチャンピオン獲得となるので無理な追走はしない。
2位とのタイム差をテールが見えるところまで縮めた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだったが、残り2周でスピン。逆に4位の4号車 GSR 初音ミク BMWがテール・トゥ・ノーズに迫る形でファイナルラップに突入した。
独走した11号車 GAINER DIXCEL SLSがそのままチェッカーを受け、開幕戦以来の今季2勝目を果たす。2位に入った16号車 MUGEN CR-Z GTは自力でチャンピオンを獲得した。3位争いは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが逃げ切って表彰台を獲得、山野哲也の勇退レースに花を添えた。
16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴）はシリーズ戦で優勝こそできなかったが、2位を4回、アジアン・ル・マンで優勝するなど手堅くポイントを獲得し、ハイブリッド車に初の栄冠をもたらした。
●GT300クラスの順位
| 順位 | マシン名（ドライバー名） |
|---|---|
| 1位 | 11号車 GAINER DIXCEL SLS（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム） |
| 2位 | 16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴） |
| 3位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（山野哲也/佐々木孝太） |
| 4位 | 4号車 GSR 初音ミク BMW（谷口信輝/片岡龍也） |
| 5位 | 88号車 マネパ ランボルギーニ GT3（織戸学/青木孝行） |
| 6位 | 62号車 LEON SLS（黒澤治樹/黒澤翼） |
| 7位 | 52号車 OKINAWA-IMP SLS（竹内浩典/土屋武士） |
| 8位 | 87号車 ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3（山内英輝/吉本大樹） |
| 9位 | 3号車 S Road NDDP GT-R（星野一樹/佐々木大樹） |
| 10位 | 0号車 ENDLESS TAISAN PORSCHE（峰尾恭輔/横溝直輝） |
●GT300クラス ドライバーズランキング
| 順位 | マシン名（ドライバー名） | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | 16号車 MUGEN CR-Z GT（武藤英紀/中山友貴） | 85 |
| 2位 | 11号車 GAINER DIXCEL SLS（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム） | 80 |
| 3位 | 4号車 GSR 初音ミク BMW（谷口信輝/片岡龍也） | 70 |
| 4位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（山野哲也/佐々木孝太） | 66 |
| 5位 | 52号車 OKINAWA-IMP SLS（竹内浩典/土屋武士） | 60 |
| 6位 | 62号車 LEON SLS（黒澤治樹） | 42 |
| 7位 | 55号車 ARTA CR-Z GT（高木真一/小林崇志） | 40 |
| 8位 | 31号車 Panasonic apr PRIUS GT（新田守男/嵯峨宏紀） | 35 |
| 9位 | 62号車 LEON SLS（黒澤翼） | 34 |
| 10位 | 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人） | 25 |