写真で見る日産「ノート」


 日産の新型「ノート」は日本のみならず、海外でも販売されるグローバルコンパクトカー。この7月に本社のある横浜でワールドプレミアを行ったことは記憶に新しい。

 ノートは初代が2005年にデビューしており、この新型が2代目となる。ただ、同じコンパクトカークラスの「ティーダ」が車種整理で廃止されたことに伴い、その後継モデルとしての役割も担うことになった。

 そのためボディーサイズは4100×1695×1525mm(全長×全幅×全高)と、従来モデルより80mm長くなるとともに、全幅も5mm広くなった。同時にバンパー内部や燃料タンク形状の見直し、アクセルペダル位置の変更などを実施。有効室内長が145mmも延長されたほか、後席ニールームが85mm拡大されるなど、ティーダに迫る居住性を手に入れている。

 搭載されるエンジンは、直列4気筒1.5リッターから直列3気筒1.2リッターにダウンサイジング。欧州車ではそれを補うためにターボを追加することが多いが、上級グレードに搭載される「HR12DDR」ユニットでは、同じ過給器でも機械式スーパーチャージャーを採用。電磁クラッチによるアクティブな制御を行うことで、低速度域では過給をカットするなど効率のよい利用を可能にした。これにより最高出力72kW(98PS)/5600rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)/4400rpmのスペックを実現しつつ、JC08モード燃費は25.2km/L(S DIG-S)を達成。エコカー減税の免税車にもなっている。

 自然吸気ユニット「HR12DE」も用意されており、こちらは58kW(79PS)/6000rpm、106Nm(10.8kgm)/4400rpmのスペックで、JC08モード燃費は22.6km/L。同ユニット搭載車にはモーターを使った電動4WDモデルも用意されており、エンジンスペックは変わらないもののJC08モード燃費は18.2km/Lとなる。

 グレードはHR12DE搭載車が「S」と「X」の2タイプ。HR12DDR搭載車は「S DIG-S」「X DIG-S」「MEDALIST(メダリスト)」の3タイプ。最上級グレードとなるメダリストはティーダからの乗り換えも想定したモデルで、スエード調クロスと合皮のコンビシート、ピアノ調センタークラスターフィニッシャー、本革巻き3本スポークステアリングなど、上質感のあるインテリアとしているのが特長だ。

 撮影車両は外観および一部内装がX DIG-Sで、ボディーカラーは「ソニックブルー」。内装および一部外観がメダリストで、ボディーカラーは専用色となる「ビートニックゴールド」。

初代よりボディーサイズが大型化。ボディーサイドには「スカッシュライン」と名付けられた意匠が施される。撮影車のグレードはX DIG-S、ボディーカラーはソニックブルー
ヘッドライトとグリルの形状が特徴的なフロントマスクヘッドライトはレンズ部分にパターンのないマルチリフレクタータイプ。バルブはハロゲンのみバンパー下部にはラリーカーのようなゴム製のスポイラーが付く
フォグランプはオプションドアミラーは全車カラードタイプ。上級グレードは電動格納式となるオプション(メダリストのみ標準)の「アラウンドビューモニター」を装着すると、ドアミラー下部にカメラが装着される
どちらのエンジンも無鉛レギュラーガソリン仕様。タンク容量は初代より減って41Lにリアゲート左端に車名バッヂHR12DDR搭載グレードには専用バッヂも
複雑な形状のリアコンビランプ。前側にスリットが刻まれており、リアホイールハウスからの空気を抜くことでリアエンドの乱流を抑え空力特性を改善。燃費向上に一役買っているルーフアンテナは短いロッドタイプで可倒式
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン。リアゲートにハイマウントストップランプを内蔵し、リアフォグランプの設定はない
直噴ミラーサイクルの直列3気筒DOHC 1.2リッター+スーパーチャージャーを組み合わせたHR12DDRユニット部品共通化のためかルノーのロゴが入ったパーツもアイドリングストップとの組み合わせでJC08モード燃費は25.2km/Lを実現。エコカー減税の対象車となっている
バンパー下部からインタークーラーが見えるマフラーはシングルタイプ全車スチールホイールが標準。タイヤサイズは185/70 R14だが、S DIG-Sグレードのみ185/65 R15サイズとなる
オプションの「ピアノ調センタークラスターフィニッシャー」を装着すると、見た目はメダリストと同様になる。プッシュ式スイッチを持つ「オゾンセーフフルオートエアコン」もオプションアイテムシフトまわりの「シルバーフィニッシャー」はオプション。ミッションはエンジンに関わらず副変速機付エクストロニックCVTを搭載
X系グレードは座面と背もたれに波形の模様が入ったシート表皮を採用リアシートの足下はかなり広く、ゆったりと足を組めるほど
最上級グレードのメダリストもルックス面では他グレードと大きな差はないビートニックゴールドはメダリストグレードの専用カラー
ドアハンドルはほかのグレードがカラードタイプなのに対し、メダリストはメッキタイプになるオプションのアルミホイールを装着するとタイヤはS DIG-Sと同じ185/65 R15サイズにメダリストグレードはオプションなしでピアノ調センタークラスターフィニッシャーなどを装着。上級グレードらしい華やかなインテリアになる
ステアリングは唯一本革巻きS系グレード以外はプッシュ式エンジンスターターを標準装備インパネ右側には各種スイッチ類が並ぶ
シフトはP-R-N-D-Lの5ポジションHR12DDR搭載車には「eco」ボタンが付く。エコモード時はエンジンとCVTが自動的に制御され、ドライバーが意識することなく省燃費運転が可能。スーパーチャージャーの作動も制限されるペダルはごく一般的なタイプ
HR12DDR搭載車には「日産エコメーター」を標準装備。ecoモードをONにするとイルミネーションが点灯する全車オーディオレス仕様が標準。S系グレードはスピーカーもレス、それ以外はフロント2スピーカーのみ装着される
スピードメーター中央には燃費やODO、時計、航続可能距離などの表示が可能
これまでミニバン中心に装着されていた「アラウンドビューモニター」をメダリストは標準装備。標準ではルームミラー内蔵モニターに表示されるが、カーナビを装着すればナビ画面にも表示可能。切り替えは「*」ボタンで行える
エアコンはプッシュ式ボタンのオゾンセーフフルオートエアコンが標準吹き出し口は自由な調整が可能な丸形シフトレバー前方にはカップホルダーを用意
サイドブレーキまわりには小物入れスペースも。DC12Vの電源ソケットもこの位置にインパネ右下にフューエルリッドとボンネットのオープナー助手席前にはグローブボックス。その上にはティッシュボックスがそのまま収まるインストアッパーボックスも
バニティミラーは運転席側のみ。マップランプはS系以外のグレードに標準装備ルームランプは全車に標準装備となるスエード調トリコットと合皮のコンビネーション表皮を採用し、上質感を高めている
運転席アームレストはメダリストだけの装備パワーウインドーのスイッチは運転席のドアアームレストに装備
リアシートはS系グレードがベンチタイプ、それ以外は6:4分割可倒式を採用後席のアームレストもメダリストのみの装備
330Lの容量を持つラゲッジルーム。6:4分割可倒式のリアシートを活用すればシチュエーションに応じたアレンジが可能
X系以上のグレードにオプションとして用意されるマルチラゲッジボードリアホイールハウスの切れ込みを使って装着すれば、小物や見られたくないものなどをスマートに収納できる
上段にセットすればラゲッジとリアシートがフラットになるフロア下にはスペアタイヤとツール類を収納。4WD車のみパンク修理キットになる

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(安田 剛/Photo:安田 剛)
2012年 9月 21日