F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第37回:アメリカGP

 アメリカGP。フェルスタッペン選手が優勝!

 そして、コンストラクターズタイトルを獲得しました。

 鈴鹿でドライバーズタイトルを決めて、レッドブルが2つのタイトルを獲得しました。チャンピオンです。

 長らく続いた、メルセデス時代から変化したわけですね。

 表彰台にはマルコさんが登壇。うれしそうです。

 パルクフェルメの裏側の様子です。ホーナーさんが祝福に。

 マルコさんとも笑顔で話していました。

 ベッテル選手も来たり、多くのドライバーが一言かけていきます。非常にいい雰囲気でした。

 ハミルトン選手とは、マシンを降りたところで握手。

 2021年は、この2人で毎戦ヒリヒリするような戦いを見せてくれていましたが、1年でマシンが大幅に変更になった今年は、レッドブルの圧勝の年となりました。

 今年の序盤戦は、ルクレール選手とフェラーリが調子よくて、フェルスタッペン選手が簡単には勝てないようなレースが続くのか?

 と思ったんですけど、レッドブルの底力、フェルスタッペン選手の実力、そしてわれらがホンダPUの性能と信頼性が勝りました。

 ホンダの皆さんです! レース後に集まってもらって撮らせていただきました!

 前列左から、山本涼太さん、湊谷圭祐さん、田中勇佑さん、菅原裕さん。

 後列左から壬生塚雄太さん、本橋正充さん、吉野誠さん、中郡崇宏さん、法原淳さん。

 レッドブル・パワートレインズという名前のパワーユニットなんです。だから、繰り返しになりますけど正式にはホンダという名前は、F1の公式の記録には残りません。

 でも、間違いなく栃木のサクラでホンダが作っているパワーユニットなんです。

 第4期が終わったというのであれば、第4.5期の始まりで、ホンダF1のコンストラクターズタイトルを獲得、チャンピオンになりました。

 そもそも、第4期が始まったとき、第4期とは呼ばないとホンダさんは言っていたんですけど、いつの間にかやっぱり第4期という呼び名になっていたし、何か名前を付けなければ、いちいち今をどう表現していいのかも分からないしね。

 だから第4期という名前になったんですね。であるならば、今は明確に第4期でもないような気もするし、もちろん第5期でもないわけで、第4.5期でどうでしょうか?

 前回は、1991年のホンダF1第2期マクラーレンホンダにまでさかのぼります。セナ選手とベルガー選手でした。

 なんと31年ぶりになるんです。

 僕がオートバイのWGPからF1に撮影の現場を移行したのが1991年でしたので、そのまま、僕の取材歴と一緒です。まあ、長かったですね……。その間、いろんなことがありました。31年という年月は、どう考えても長いですよね。

 第3期で、1勝しかできなくて、第4期の初期はどん底から始まりました。

 そして、今日世界一のPUに返り咲いたんです。こんなに、めでたい日があるでしょうか。

 鈴鹿でフェルスタッペン選手が2年連続のチャンピオンになったのはもちろんうれしかった。

 でも、PUを作っているホンダの皆さんの多くは、コンストラクターズでチャンピオンになって初めて1等賞なんですよね。

 だから、今回もレース後は笑顔であふれていました。

 本橋さん、F1は第3期から参加していて、第4期の初めからF1プロジェクトに参加しています。

 ホンダのF1を今、明確な方向性を持って舵取りをしています。

「今までで一番うれしい日になりました。これまで、ホンダF1PUを開発してきた多くの仲間の顔をどんどん思い出して、チェッカー直後はあまり実感がなかったんですけど、じわりじわり、きてますね……」。

 「PUに関わっている人間は、いいときもわるいときも、皆、真剣に熱意を持って仕事をしてくれています。その結果が、今、チャンピオンという形になったのが、何よりうれしい」。

「でも、これからは追われる立場になったわけですから、一瞬も油断することなく続けていかなければと本当にそう思っています。ホンダがチャンピオンになったということを多くの人に知ってもらいたいと思いますね」。

 本橋さんと話していると、なんだかよく泣かされてしまうんですよね……僕。

 モータースポーツって、道具、いわゆるマシンが大きく取り上げられるけれども、それを作り上げているのは、情熱を持った多くの人間が作り上げているわけで、そのまっすぐな思いを聞いちゃうと、涙腺が緩んじゃうんだな……歳かな……やっぱり。

 去年から、コンストラクターズを取りたいと言っていた本橋さん、よかったですね。本当によかった。

 ベルギーGPで表彰台に上がった吉野さん。

 いつも、レッドブルのガレージで、少し強面でにらみをきかせている吉野さん。

 バイクでツーリングに行ったこともあります(現在、僕のバイクは車検も切れていて、バイク屋さんに預かってもらっています)。吉野さんのバイクはCB400F。最初のやつね。

 今、ガッチリとした体格ですよね。でも、最初のころは、そうでもなかったんですよ。成績が出なかったころ、トレーニングを始めたんですって。

 PUの性能をうまく出せないということを、真面目にミスなく取り組むために、自分に叱咤激励するために鍛え始めたんだと、僕は勝手に思っています。

 いろんな話もしますが、とっても気持ちいいくらい真面目な人です。僕のような、いい加減が歩いているような人間からすると、見習わなくちゃっていつも思ってます。

 気持ちいいくらいの、元気あふれる笑顔の男たち。

 世界で一番になることの、難しさを知っているからこそ。

 どん底のときの悔しさ、惨めさ、残念な気持ちを、現実にどしんと受け止めてから、コツコツと地道な作業を繰り返し、ほんの少しずつの発見をいい方向に積み重ねて、ようやくたどり着いた最高峰の中のチャンピオン。

 おめでとうございます!

 そのうれしさの瞬間に立ち会えて、僕は幸せでした! ありがとうございます。

 あとは、ホンダの偉い人たちが、このとてつもない快挙を、これからどのように活用していくのか見せていただきたいなと思います。

 お父さんとハグするフェルスタッペン選手。

 恒例、記念撮影。お揃いのTシャツがかっこいい。

 今回、一番最初にレッドブルをまき始めたのがチャンピオンでした。

 いい雰囲気でした!

 これらを振りまくってプシュッと開けて振りまくわけです。レッドブルのあのニオイが、充満します。

 糖分が多いから、カメラ機材にとっては厳しいけれども、まあ、致し方なし!

 土曜日に、レッドブルの創始者でもあるマテシッツさんが亡くなりました。

 レッドブルというエナジードリンクの広告の方向性を決めた中で、モータースポーツを選んでくれたから、タバコマネーがなくなってから、レッドブルに助けてもらった関係者は多いと思います。

 弔意を表すために、ピットレーンに並んだアルファタウリのメンバー。

 金曜日のFP1で走行したパロウ選手。日本での人気もある選手ですので、今後に期待ですね。

 ベッテル選手のアメリカ仕様のカラーリング。

 素晴らしいレースで7位入賞のベッテル選手。引退まで、あと3レースしかありません。

 角田選手のレースは、トランスミッション交換ペナルティーもあって最後尾からでした。

 辛抱よく走って9位入賞! 2ポイント獲得。

 今年のCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカ)は3日間とも天気がよかったんですが、巨大な旗が出現しました。

 1コーナーには星条旗、10コーナーから見る場所には、テキサスの州旗。絵的にはこういうのがあると、変化に使えるのでウエルカムですね。

 ポールポジションにはサインツ選手。

 ポールのサインツ選手はスタートでラッセル選手と接触、アロンソ選手もレース後にペナルティーを受けて15位と残念な結果となりました。

 ハースのマグヌッセン選手は8位入賞! なんか、久しぶりの入賞じゃないですか!

 リカルド選手、来季のシートが確保できないままですね。

 成績も下降気味のまま……。

 トレードマークの笑顔は見えることも多いのですが、パフォーマンスが出せないことが続いてしまうと、まわりの評価も下がってしまいます。

 本人の気持ちはどうなんでしょうね。

 最終コーナーからの景色。アメリカって感じです。

 アメリカGPと言えば、チアリーダーの彼女たちのイメージもできあがっている感じがいたします。

 今回のドライバーズパレードで使われた車両は、クラシックカーのトラック。

 かっこいいですよね。

 大きなエンジンを積んでいるのもありました。V8のエンジン音で、排気ガスが臭いの……でも、そんなのが好きな僕は時代遅れなんでしょうけど。

 好きなものは好きなんです。

 そんなクルマに付けられているナンバー。アンティーク・ビークル。

 税制が優遇されているんですよね。古いクルマの価値を認めてくれているのがアメリカ。全く認めてくれないのが日本。

 3日間で44万人の来場者数だそうです。すさまじい、F1人気です。

 アメリカで人気が出てくると、お金もたくさん動きますから、どんどんアメリカを意識した内容になってきますいよね。

 アメリカ人のF2ドライバーのサージェント選手が、スーパーライセンスが取得できれば、来季ウイリアムズからのデビューが約束されました。

 ブラッド・ピットさん。雰囲気がスターでした!

 レース中の観客席前の風景。

 アメリカという国は、たまにしか来ない日本人の僕から見ると、いいところとわるいところがいろいろ気になります。

 分かりやすいところで言えば、こんな感じでゴミが散乱しています。鈴鹿とは大違いですよね。

 まあ、鈴鹿でも皆無ではないですけれど、こんなにひどくはないですよね。薄いナプキンの紙が、風に舞ってコース上にひらひら落っこちているんですよね……。そんな感じも、鈴鹿とは違います。

 大量生産、大量消費。エコという概念が違うようにも思います。

 ともあれ、レッドブルのコンストラクターズチャンピオンが確定したアメリカGPでした。

 緊張したGPでもありましたけど、結果よければ全てよしです!

 来週は空気が薄いメキシコGP。チェコ人気爆発必至!

 火曜日に移動します。ではまた!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。