ジュネーブショー 2017

【ジュネーブショー 2017】スバル、次世代プラットフォーム「SGP」採用第2弾モデルの新型「XV」世界初公開

本格SUV性能強化で「X-MODE」新採用

2017年3月7日(現地時間)公開

ジュネーブ国際モーターショーで世界初公開された新型「XV」(欧州仕様)
富士重工業株式会社 代表取締役社長 吉永泰之氏

 スバル(富士重工業)は3月7日(現地時間)、スイス・ジュネーブで開催されている第87回ジュネーブ国際モーターショーで、新世代プラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を採用する第2弾モデルの新型「XV」(欧州仕様)を世界初公開した。

 2012年の市場投入以降、はじめてのフルモデルチェンジとなる新型XVは、2016年10月に発売を開始した新型「インプレッサ」に続くSGP採用第2弾モデルとなる。今回発表された概要は欧州仕様についてで、それ以外の地域でリリースされるモデルの仕様については、3月8日の日本仕様発表を皮切りに順次各市場で発表するとのこと。

新型XV(欧州仕様)の主な仕様
ボディサイズ4,465×1,800×1,615mm(全長×全幅×全高)
ホイールベース2,665mm
最低地上高220mm
エンジン水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴「FB20」
排気量1,995cc
ボア×ストローク84×90mm
出力115kW(156PS)
トルク196Nm(20.0kgm)
トランスミッションリニアトロニックCVT
駆動方式シンメトリカルAWD
タイヤサイズ225/55 R18
乗車定員5名
自走でステージ上に移動し、SUVとしての走破性をアピール

 全面刷新した新世代プラットフォームのSGPを採用するボディ・シャシーまわりでは、フレーム構造の最適化や各部パーツの結合強化などによって車体ねじり剛性を従来比で1.7倍に高めた。また、車体の共振の分散などによりステアリングやフロア、シートの振動を低減させるとともに、サスペンション取付け部の剛性強化を図り、車体側をたわませることなくサスペンションの減衰性能を機能させることで路面からの振動をよりスムーズに収束。さらにリアスタビライザーを車体に直接取り付けることで、車体の揺れを従来比で50%低減し、快適な乗り心地を実現したという。

 ステアリングギヤ比は従来の14:1から13:1にクイック化したほか、アクティブトルクベクタリングを採用して旋回性能や操舵応答性を向上。また、電動パーキングブレーキを採用することで利便性も高められている。

 4WDシステムについては、独自のシンメトリカルAWDに加えて滑りやすい路面などでエンジン、4輪の駆動力、ブレーキなどを最適に統合制御して悪路走破性を高める「X-MODE」を採用。下り坂で低速を維持した走行を実現するヒルディセントコントロール制御も設定する。

サンシャインオレンジの新型XV(欧州仕様)
クールグレーカーキカラーの新型XV(欧州仕様)。ボディサイズは4465×1800×1615mm(全長×全幅×全高。全高はルーフレールをのぞくと1595mm)、ホイールベースは2665mm
インテリアでは、全方位にわたる優れた視界性能、拡大した室内スペース&カーゴルームなどを特徴とし、インパネからドアトリムに至る連続した造形によって空間の広がりと精緻な質感を表現

 パワーユニットでは、新開発となる自然吸気の水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴「FB20」エンジンについてのみ触れられ、従来エンジン比で約80%の部品を刷新するとともに、約12kgの軽量化によって出力と燃費の両立を図った。最高出力については従来型(日本仕様)から5kW(6PS)増の115kW(156PS)、最大トルクは変わらず196Nm(20.0kgm)とアナウンスされている。

 トランスミッションには改良型のリニアトロニックCVTを採用。6.28から7.03に拡大したレシオカバレッジと従来比で約7.8kgの軽量化により、加速性能と燃費性能の向上を両立。全車にオートステップ変速を採用するとともに、マニュアルモードを従来の6速から7速に変更した。

新型XV(欧州仕様)

 ボディサイズは、従来の日本仕様(4450×1780×1550mm[全長×全幅×全高])から15mm長く、20mm広く、20mm高い4465×1800×1615mm(全長×全幅×全高。全高はルーフレールをのぞくと1595mm)。ホイールベースは25mm長い2665mmとなっている。一方で、重心高については従来比で約5mmダウンし、大幅な剛性向上や足まわりの進化と相まってクラストップの危険回避性能を実現するとした。

 エクステリアでは、フロントまわりをワイド&ロースタンスによりスポーティさを高めるとともに、ヘキサゴングリルからシャープなホークアイヘッドライトまで一体感を持って立体的に構築。力強い造形のヘキサゴングリルとフロントバンパー上のマットブラックのクラッディングによりSUVの機能性を表現した。リアまわりでは、フロントと同様にヘッドライトと共通のモチーフを持つリアコンビネーションランプでワイド&ローを強調。

 また、XVの個性を高めていたホイールデザインも改められるとともに、ボディカラーでは新色として鮮やかなソリッドカラーの「クールグレーカーキ」と「サンシャインオレンジ」を設定。いずれもマットブラックのクラッディングとのコンビネーションがもっとも映えるトーンとした。

新型XV(欧州仕様)

 インテリアでは、全方位にわたる優れた視界性能、拡大した室内スペース&カーゴルームなどを特徴とするほか、インパネからドアトリムに至る連続した造形によって空間の広がりと精緻な質感を表現。シートは立体的な造形にするとともに、通気性のよい表皮の採用、濃度の異なるグレーを用いることでXVのアクティブさを強調した。また、インパネ中央に8.0インチのタッチスクリーンディスプレイを搭載したほか、マルチファンクションディスプレイ(MFD)のコンテンツを充実化。そのほか新造形のステアリングは、クイックな操舵感を実現するべく従来モデルから小径化されている。

 そのほか予防安全については、独自の運転支援技術「アイサイト」を全車標準装備。また、ルームミラー一体型の単眼カメラを活用した「ハイビームアシスト」を採用し、先行車や対向車を検知してヘッドライトのハイビームとロービームを自動で切り替えるとともに、ステアリング操作に合わせてヘッドライトの光軸を左右に動かし、コーナーなどで車両進行方向を照らす「ステアリング連動ヘッドランプ」を採用。加えて「スバルリヤビークルディテクション」の搭載により死角検知機能、車線変更支援、後退時支援機能が利用でき、予防安全性能を向上させている。

会場にはレッドブル・グローバルラリークロスチャレンジ(GRC)参戦用の「WRX STI」も展示されていた

編集部:小林 隆