イベントレポート
【CES 2019】パイオニア、「3D-LiDAR一体型ヘッドライト」を公開。2つの3D-LiDARを搭載
ラスタースキャンとウォブリングスキャンを内蔵
2019年1月15日 06:37
パイオニアは、米ラスベガスで開催された「CES 2019」において、同社が次世代商品と位置づける「3D-LiDAR」をメインに展示を行なった。
パイオニアが出展するのは、CESの最大級の会場となるLas Vegas Convention Centerの北ホールとなり、その中でもメインの入口を入ってすぐの場所になる。現在の北ホールは自動運転などを展示する自動車メーカーのメイン出展箇所となっているが、5~6年前はカーオーディオなどの展示が中心となっていた。そのため北ホールでは常にドコドコ音が鳴り響いていたのが印象的で、パイオニアとケンウッドが向かい合うように最高の場所を占めているのは、両社ともカーオーディオ時代からCESに出展を行なっているためだ。
2019年のパイオニアは、これまでブースの奥のほうで技術展示を行なっていた走行空間センサー「3D-LiDAR」をメインに展示。現在、ラインアップする4製品の3D-LiDARを展示したほか、ユースケースとして「3D-LiDAR一体型ヘッドライト」を公開した。
この「3D-LiDAR一体型ヘッドライト」には、ラスタースキャンを行なう中距離タイプの3D-LiDARと、ウォブリングスキャンを行なう広角タイプの3D-LiDARをメインライトの両脇に配置。遠くをスキャンしつつ、さらに周囲を広角にスキャンするという提案を行なって見せた。物体の距離を容易に把握できるLiDARは、自動運転に欠かせないセンサーとなっているが、その問題は大きなことと、価格が高いこと、そして4隅に配置した方がよいため、デザイン面で飛び出すなどのデメリットがあることだ。このパイオニアの提案のようにヘッドライト(や、リアコンビネーションランプ)に組み込めば、デザイン面の問題は回避できる上、新たなデザイントレンドを生み出す可能性を示唆している。
そのほか、パイアニアブースの両脇に「3D-LiDAR」とカメラを設置。カメラで撮影した映像に、リアルタイムに3D-LiDARの距離情報アイコンを重畳するなど、3D-LiDARの反応速度や機能を分かりやすくデモしていた。
LiDARは自動運転車には必須の装置と言われているだけに、各社の開発競争が激しい分野になる。パイオニアの3D-LiDARは、同社がレーザーディスクの開発以来つちかった光学技術と、カロッツェリアに代表される車載技術をベースとして、シングルレーザー光とMEMSミラーを組み合わせた製品。パイオニアのWebサイトには、「パイオニアは、世界に先駆けて市場投入したDVD-Rドライブを約6年で実売価格200万円から1~2万円、1/100の価格に抑えた実績があります。」と書かれており、従来のLiDARと比べての低価格化に自信をみせる。
「3D-LiDAR一体型ヘッドライト」はデザイン的にも魅力あるものなので、早期の実用化を楽しみに待ちたいところだ。