イベントレポート 東京オートサロン 2023

2023年に創業50周年を迎えるレイズの新作ホイールをチェック

2023年1月13日~15日 開催

VOLK RACINGの新モデル「G025LC」。価格は13万6400円から

「東京オートサロン2023」初日のレイズブースは、SUPER GT GT300クラスで活躍中のレーシングコンストラクター、aprの新車発表会から幕を開けた。

 車両名は「apr LC500h GT」。エンジン形式は排気量5400ccのトヨタ V8「2UR-G」(TRD製)、トランスミッションはHewland製の6速シーケンシャル。そして当然ホイールはレイズ製ということになる。

aprの新参戦車の発表会となったレイズのプレスカンファレンス。フォトセッション時にはaprチームのドライバーを務める嵯峨宏紀氏、小高一斗氏、根本悠生氏の3人が登場した
車両名は「apr LC500h GT」
足下はレイズ製。前後18インチの13J仕様。タイヤはブリヂストン

 本稿では、ブース内に展示されていた2023年モデルの新作ホイールを中心に紹介していく。

 2023年で創業50周年を迎えるレイズのブーステーマは「この先50周年を見据える」。ブース案内をしてくれた担当者によれば、「スポーツカーやハイパフォーマンスカーとの組み合わせのイメージが強いレイズブランドですが、近年は今後の主流になり得る電動車や、人気のSUV車両に乗るユーザーにも強い支持を得られ続けるような製品開発にも力を入れています。今年のブース展開はそうしたわれわれの新潮流を感じてもらえれば嬉しいです」とのことであった。

新領域に踏み出したVOLK RACINGの新モデル

 まずはレイズの看板モデルシリーズの1つ「VOLK RACING」ブランドから。1ピース・アルミ鍛造の「G025」シリーズに「G025LC」のバリエーションモデルが登場した(2022年後期より発売)。デザインベースはG025だが、S/L/LLの3タイプのアウターリムパターンを選択可能としたところが特徴となっている。カラーは光輝調シルバーの「シャイニングライトメタル」を採用。サイズ展開は現状は20インチのみ。

G025LCを履くフェアレディZ

 その名の「N」は、最も市販車に近いレギュレーションで競うレースカテゴリー「グループN」をイメージしたという、1ピース・アルミ鍛造の「NE24」シリーズ。これに新サイズの19インチが設定された(従来は18インチのみだった)。こちらも2023年モデルとして設定されているが、実際には2022年10月より発売されている。

「NE24」。価格は10万7800円から

 続いては、冒頭のレイズ担当者のコメントを体現するかのようなモデル「TE37SB SL」「TE37XTR」を紹介しよう。これらのモデルはVOLK RACINGブランドでありながら、なんとターゲット車両は1ボックス車両やオフロード車向けのモデルなのだ。

「TE37SB SL」の型番末尾の「SB」はスポーツボックスの略だという。その“SL”モデルということで、センターホール部とリムフランジ部に対してダイヤモンドカット加工を施している。サイズ展開は17インチ、18インチ。

赤バルブと赤いスポークステッカーがスポーティな「TE37SB SL」。価格は7万7000円から

「TE37XTR」はハイラックスやランドクルーザープラドのようなオフローダーをターゲットとしたモデル。ターゲット車種がハイパワーでなおかつ使用状況が過酷なことが想定されるため、徹底した強度と剛性を目標にして開発されたが、VOLK RACINGブランドの意地もあり、徹底した軽量化も行なわれたという。天面デザインはGT500よりフィードバックした技術が応用されているとのこと。サイズ展開は現状は17インチのみ。

「TE37XTR」。価格は9万7900円から

鮮烈なイエローを纏ったGRAM LIGHTSの限定モデルが登場

 競技シーンで鍛え上げられた質実剛健なイメージを持つ「GRAM LIGHTS」シリーズ。ここから57CRと57DRの限定モデルとして「57CR 2324 LIMITED EDITION」と「57DR 2324 LIMITED EDITION」が登場し、2023年内に発売される。

 型番の2324は23年/24年モデルの意。この限定モデルに限っては、カラーはドリフトシーンを強く意識した「マックイエロー」の一色のみの設定となる。

 57CRと57DRの違いはスポークが5本(57CR)か、6本(57DR)にあり、性能、サイズ展開はほぼ同等。よって愛車とのマッチングや好みで選んでほしいとのことだ。

 なお、これまで通常モデルの57CRと57DRにはローレット加工が入っていなかったが、この限定モデルについては標準で同加工が施されるとのこと。なお、展示品は参考出品のためローレット加工が省略されていたが、最終製品には確実に入るとのことである。サイズ展開は15/17/18/19インチ。

6本スポークの「57DR 2324 LIMITIED EDITION」。価格は4万l800円から
5本スポークの「57CR 2324 LIMITIED EDITION」。価格は4万l800円から
6本スポークの「57DR 2324 LIMITIED EDITION」を履くフェアレディZ

「DAYTONA」シリーズと「VERSUS」シリーズの新作は?

 こちらもワイルドなSUVなどの4WD車への装着を想定した「DAYTONA」シリーズの新モデルとして「D108」が登場。

 本製品は「オフロードスポーツ」を体現するとともに、「スポーティでかっこいいホイールが欲しい」というカジュアルなSUVユーザーにも訴求できることを目的にしてデザインされた。サイズ展開は18インチのみ。すでに発売中。

「D108」。価格は5万8300円から
「D108」を履くランドクルーザープラド

「VERSUS」シリーズも豊作だ。10年以上前からSUVやミニバンなどで人気を博してきたレイズの人気ホイール「VOUGE」に、限定モデル「CRAFT COLLECTION VOUGE 2223 LIMITED」が登場。これまで高度なスパッタリングメッキ塗装の採用で、複雑な陰影や輝きを放つところがVOUGEの魅力となっていたが、今回登場した限定モデルではあえてシックなモノトーンカラーを初採用したことがアピールされていた。

 レイズ担当者に挙げていただいたイメージカーはトヨタの新型ランドクルーザーとのこと。確かに似合いそうである。サイズ展開は18インチ~20インチ。5穴モデルと6穴モデルの両方が設定されている。2023年2月より発売開始。

「CRAFT COLLECTION VOUGE 2223 LIMITED」。価格は5万2800円から

「VERSUS」シリーズからもう1つ、1ピース鋳造モデルの「VV21SX」が登場する。ベースとなっているデザインは既存モデルの「VV21S」で、こちらは一般乗用車までを幅広くターゲットにしていた汎用モデルだった。対して、今回リリースされる「VV21SX」は「シティ派のオフローダー」、あるいは「ファッション性重視のオフローダー」に向けて開発されたモデルとなる。

 昨今のトレンドとして「悪路を走るわけではないが、悪路を走っている風」のカスタムがシティ派のSUVオーナーに流行しているそうで、ホイールからのタイヤのズレを強制的に抑止する「ビードロック」機構を模したデザインをあしらったホイールが人気となっている。

 レイズとしては、そうしたフェイクには頼らず、機能性重視のデザインだけで「そうした演出」ができないか、と工夫を凝らして完成したのが「VV21SX」のデザインだとのこと。

 最も目に付くスポークの外側は細く、そしてホイール内部には太めの補強を大胆に入れることで、メカっぽい無骨さを強調した。また、6穴モデルではフランジ部の補強となる「スピードブリックリム構造」を盛り込んで、性能と見た目のたくましさを演出。イメージカーはランドクルーザー・プラドとのこと。サイズ展開は17インチのみ。

 また、この「VV21SX」の5穴モデルはジムニー専用として設定される。ジムニーはセンターハブがあるためホイールキャップの設定はなし。また、6穴モデルにはあしらわれている「スピードブリックリム構造」が省略されている。これを入れると重量が増えるため。ジムニーユーザーはホイールの軽量性にこだわってカスタムするオーナーが多いため、ユーザーへのヒアリングの結果、あえてそうしたという。こだわりがすごい、いかにもレイズらしいエピソードである。サイズ展開は16インチのみ。発売は2023年6月より。

「VV21SX」の6穴モデル。価格は5万9400円から。「スピードブリックリム構造」とは最外周の四辺形状の彫り込みのこと
「VV21SX」の5穴モデル。価格は4万5100円から。ジムニー専用モデルとなる5穴モデルはスピードブリックリム構造はなし
トライゼット西川善司

テクニカルジャーナリスト。元電機メーカー系ソフトウェアエンジニア。最近ではグラフィックスプロセッサやゲームグラフィックス、映像機器などに関連した記事を執筆。スポーツクーペ好きで運転免許取得後、ドアが3枚以上の車を所有したことがない。以前の愛車は10年間乗った最終6型RX-7(GF-FD3S)。AV Watchでは「西川善司の大画面☆マニア」を連載中、CarWatchの連載では西川善司の「NISSAN GT-R」ライフがある。ブログはこちら(http://www.z-z-z.jp/BLOG/)。