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第3回「2016 NCAP&Car Safety Forum in Tokyo」レポート:自動運転編

2016年8月2日~3日 開催

 Sustainable Communicationsは8月2日~3日、今回で3回目となる「2016 NCAP&Car Safety Forum in Tokyo」を東京都内で開催した。フォーラムは2日間に渡って開催され、初日(関連記事「死亡事故低減に向けたロードマップを示した『2016 NCAP & Car Safety Forum in Tokyo』」)は死亡事故低減に向けた取り組みのロードマップなどが説明されたが、本記事では開催2日目に行なわれたプレゼンテーションについてご紹介する。

 2日目は「自動運転とその未来」が主なテーマとして扱われ、欧州での取り組み、米国での取り組みなどについての説明された。

自動運転を実現するにはそれを正しく評価し、分かりやすい形で消費者に伝える

Euro NCAP レーティングチーフ アンドレ・ジーク氏

“Automated Driving - Basic Considerations”と題するセッションでは、Euro NCAP レーティングチーフのアンドレ・ジーク氏が説明を行った。

 ジーク氏は、自動運転の機能を「カテゴリーA」「カテゴリーB」「カテゴリーC」にカテゴリー分けして、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」といったの「レベル2」の自動運転や「レベル3」の自動運転をカテゴリーBに、そして完全自動運転をカテゴリーCに分類した。

 続いて別のセッションを挟んだあと、ジーク氏は“Automated Driving as part of Euro NCAP's Roadmap 2024”というセッションで登壇し、Euro NCAPにおける自動運転のロードマップについて説明した。このなかでジーク氏は、自動運転は2020年に向けて徐々に機能が実装され、2020年~2024年のどこかで完全自動運転が実現されるだろうと語った。しかし、そこにたどりつくまでには多くのステップが必要であり、まずはジーク氏がカテゴリーBに分類したACCなどの自動運転の機能を実装していくべきだと説明した。

 その上で、自動運転を実現するまでにどのようなテストをしていけばいいのか、品質をどのように評価していけばいいのかといった点について紹介し、そうした情報を消費者に分かりやすいような形で公開していくことが重要だと述べた。

ジーク氏のプレゼンテーション“Automated Driving - Basic Considerations”
“Automated Driving as part of Euro NCAP's Roadmap 2024”

自動操舵の機能となる「ACSF」への取り組みについて説明

Euro NCAP Active Safety担当 パトリック・ゼイニガー氏

“Regulation on Automated Steering Systems:ACSF”と名付けられたセッションでは、Euro NCAP Active Safety担当のパトリック・ゼイニガー氏がプレゼンテーションを実施。表題にあるACSFは自動操舵(Automatically Commanded Steering Function)の略で、つまり自動車が人間の代わりにステアリングを操作する機能のことで、自動運転を実現するために必要な機能だ。

 ゼイニガー氏はACSFについて、自動的に操舵を行なうが、なにか起きたときにはドライバーにコントロールを渡さないといけない。そのリアクションタイムは4~5秒で、さらに時間がかかる可能性があることなどを考慮して設計しなければいけないと説明した。そしてミニマムの機能として、ドライバーへのコントロールの譲渡が実現できない場合には、ブレーキをかけて安全に車両を停止させる機能などの実装が必要だと説明した。

 その上で、ACSFのテスト要件などに関して説明し、レーンキープの機能やレーンチェンジの機能をどのようにテストしていくかなどについて語った。

パトリック・ゼイニガー氏のプレゼンテーション“Regulation on Automated Steering Systems:ACSF”

自動運転のメリットは事故が減ること。州による法律の違いなどの問題も解決が必要

IIHS 代表 エイドリアン・ランド氏

“Automated Driving in US now and Future”というセッションでは、IIHS(Insurance Institute for Highway Safety)代表のエイドリアン・ランド氏が、米国での自動運転への取り組みなどについて説明した。

 ランド氏は米国における自動運転について、技術の側面と法律の側面の2つから説明。自動運転の技術的な意義は自動車事故が減っていくことだとして、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)の会合で示された予測などを紹介しながら、自動運転が実現していけば自動車事故が減っていくことにこそ大きなメリットがあるとした。

 しかし、ADASを含めてシステムが100%問題なく働くかと言えばそうではなく、自動運転が実現しても事故は起こりうるとした。その上で、ボルボのCEOが述べた「自動運転の事故に責任が持てないメーカーは競争から脱落するしかない」といったコメントを紹介し、メーカーが車両事故に責任を負わなければいけないということや、自動車メーカーがそのメリットを消費者に分かりやすくコミュニケーションしていかなければならないと説明した。また、米国では州によって道路に関する法律が異なり、自動運転に関しても許されている州とそうではない州があることを紹介して、そうした法律面での整備も課題だとした。

エイドリアン・ランド氏のプレゼンテーション“Automated Driving in US now and Future”