ニュース

英アストンマーティン、600PSに出力が向上した新型「ヴァンキッシュ S」

カーボン製空力パーツなどをセットにした「エアロダイナミック・パッケージ」をオプション設定

2016年11月16日(現地時間)発表

 英アストンマーティンは11月16日(現地時間)、新型「ヴァンキッシュ S」を発表した。価格は英国では19万9950ポンドから、ドイツでは26万2950ユーロから、米国では31万2950ドルから。納車は12月から開始される予定。

 従来のヴァンキッシュがヴァンキッシュ Sとして進化。ヴァンキッシュ Sのハイライトとしては自然吸気のV型12気筒6.0リッターエンジンが挙げられ、大型化したインテークマニホールドによって高回転域におけるエアの吸気量を増加させることに成功。これにより、最高出力は従来の576PSから600PSへと引き上げられるとともに、より鋭いスロットルレスポンスを実現したという。

 このパワーアップに伴い8速AT「Touchtronic III」の設定も変更。より素早いギヤシフトに加え、レスポンスに優れたシフトフィールを実現するために低速時の洗練性を向上。サスペンション、ダンパー設定、スプリングレート、アンチロールバーのブッシュも再調整され、従来からのしなやかな乗り心地を犠牲にすることなく、よりスポーティでダイレクトなサスペンション特性とした。

 また、エクステリアではオプションとして「エアロダイナミック・パッケージ」を設定。同パッケージでは空気抵抗を低減するカーボンファイバー素地を露出させたフロントスプリッターとリアディフューザー、4本出しのエキゾーストパイプ、カーボンファイバー・ボンネット・ルーバー、新しい鍛造5スポーク・ダイヤモンド旋削ホイールなどを同梱し、装着によってよりアグレッシブなスタイルに仕上げることが可能になっている。

新型ヴァンキッシュ Sは仕向け地によってエンジン出力が異なり、英国および欧州仕様では最高出力444kW(600PS)/7000rpm、その他の地域では433kW(588PS)/7000rpmとなる。最大トルクは630Nm/5500rpmで共通。0-100km/h加速は3.5秒。ボディサイズは4730×1910(ドアミラーをのぞく)×1295mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2740mm
ヴァンキッシュ Sのインテリア。新しい「フィログラフ」キルト・レザーや、「サテン・チョップド・カーボンファイバー」フェイシア・パネルなどを採用。ヘッドレストには職人が仕上げた「Vanquish S」の刺繍が入る

 今回のヴァンキッシュ Sについて、英アストンマーティン アンディ・パーマーCEO(最高経営責任者)は、「初代ヴァンキッシュが発表されたときから、このクルマはモダンなアイコンとしてラインアップを牽引してきました。ヴァンキッシュは、アストンマーティンが、ハンドメイド・カーの時代から、卓越したクラフトマンシップと高度なテクノロジーを融合して新しい英国製GTカーを製造する時代へと変貌を遂げる中で、推進役としての役割を果たしてきました。第2世代のヴァンキッシュは、フル・カーボンファイバー製のボディワークといった最先端のエンジニアリング、見る者を魅了する現代的なスタイリングによって、その役割を新しい時代へと受け継いできました。今回、アストンマーティン・ラインアップの中で独自の存在感を示し、新型DB11とは明確に差別化されたヴァンキッシュ Sの発表によって、そのステップをさらに前進させます。あらゆる面で豪華かつ華やかなヴァンキッシュ Sは、アストンマーティン・ラインアップに追加された極めて重要なモデルと言えるでしょう」と述べている。