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「平成30年度富士総合火力演習」は、島嶼部に対する攻撃への対応。16式機動戦闘車や10式戦車が活躍

2018年8月23日~26日 実施

射撃を行なう16式機動戦闘車(MCV)

 8月23日、陸上自衛隊は東富士演習場(静岡県御殿場市)の畑岡地区にて“そうかえん”こと「平成30年度 富士総合火力演習」を実施し、関係者や報道陣に公開した。この日は学校予行と呼ばれる演習で、8月25日は教育演習、8月26日は一般に公開される公開演習が行なわれる。

 陸上自衛隊最大規模の実弾演習であり、一般公開もあるため陸上自衛隊が実施するイベントの中で最も人気がある公開演習の観覧には、6月16日から7月16日まで1か月間インターネットでの申し込みを受け付けたが、本年度も応募総数約15万通、応募倍率28倍と極めて狭き門であった。

平成30年度 富士総合火力演習の主役ともいえる16式機動戦闘車(MCV)
朝から富士山には笠がかかり雨の演習の予感が
戦車・装甲車だけでも約80両が参加する富士総合火力演習
会場には大型ビジョンが用意された

 1961年(昭和36年)に陸上自衛隊富士学校の学生の教育の一環として開始され、1966年(昭和41年)以降から一般公開されているこの演習の今年の内容は、2017年度に引き続き「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」場面を想定したもので「即応機動する陸上防衛力」の一端を担う16式機動戦闘車や水陸両用車など、戦車・装甲車 約80両、各種火砲 約60門、航空機20機、そのほかの車両が約700両、人員は約2400名と多くの部隊が参加した。

前段演習前には音楽演奏も行われた

「16式機動戦闘車(MCV)」の実弾射撃も行なわれた前段演習

 10時から1時間にわたり行なわれた前段演習は、陸上自衛隊の主要装備品が紹介された。16式機動戦闘車(MCV)や10式戦車、90式戦車などの戦車火力をはじめ、遠距離(特化)火力、中距離(迫撃砲・誘導弾)火力、近距離(対人障害・普通科)火力、ヘリ火力、対空火力が実弾射撃を行なった。なお予定されていた空挺降下は雨天のため中止された。

16式機動戦闘車(MCV)
実弾射撃を行なう16式機動戦闘車(MCV)、10式戦車、96式装輪装甲車
10式戦車
16式機動戦闘車(MCV)
90式戦車
96式装輪装甲車
87式偵察警戒車
99式自走155mmりゅう弾砲
89式装甲戦闘車
87式自走高射機関砲
12式地対艦誘導弾(12SSM)
多連装ロケットシステム(MLRS)
水陸両用車

「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」場面を想定したシナリオに沿った後段演習

 前段演習終了後、休憩を挟んで行なわれた後段演習では「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」を想定した演習を行なった。こちらは陸上自衛隊のみにとどまらず海上および航空自衛隊と連携したシナリオに沿って行われたもので、そのシナリオは会場に用意された大型ビジョンで来場者に図解を交え説明された。

後段演習時には設定された状況説明が行なわれた
状況説明
後段演習が始まった
後段演習
後段演習のハイライト、射撃で富士山を描く。弾着時刻の精密なコントールを行なっている
後段演習
演習前に行なわれた会場整理では多彩な車両が活躍していた

 なお、8月26日の公開演習では陸上自衛隊のWebサイトにおいて、インターネットによるライブ配信が実施される。