ニュース
廃線跡地を走る「ひたちBRT」で自動運転バスの実証実験「ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)」出発式
「自動走行運転が実用化されれば人手不足やコスト削減などが図れる」と日立市長の小川春樹氏
2018年10月19日 19:41
- 2018年10月19日 開催
廃線となった日立電鉄線跡地を走る「ひたちBRT」の路線を利用した自動運転バスの実証実験「ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)」の出発式が10月19日、茨城県日立市にある「道の駅日立おさかなセンター」で行なわれた。
ひたちBRTは、日立電鉄線跡地を利用して専用の走行空間を有する新交通システム「BRT(Bus Rapid Transit)」のバス路線。実証実験ではひたちBRTのおさかなセンター~吹上橋~大甕駅前の一般道と専用道の混在する約3.2kmを使用して、10月22日~28日まで自動運転バスを走行させて実証評価を行なうとともに、公募により一般の人にも試乗してもらうことでその受容性を検証する。
実験車両には先進モビリティが日野自動車「ポンチョ」をベースに改造した小型バスを使用。出発式の後に行なわれた試乗会では、遠隔地にいる運行管理者が自動運転バス内のディスプレイに表示されたキャラクターを通して車内アナウンスをするといったデモンストレーションが行なわれた。
この実証実験にあたっては、SBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活用。ルート設定などの自動走行のための準備や、遠隔地から運行状態を把握して車内外の安全の確保などを行なうとともに、ディスパッチャーと連携したキャラクターによる車内アナウンスには、SpiralMindの「アバターテレポーテーション」技術を活用。
遠隔管理する実際の人の目や鼻、口をカメラで検出して、それらの動きを自動運転バスに設置されたディスプレイ上に表示されたキャラクターの表情にリアルタイムで反映させている。
出発式で挨拶をした日立市長の小川春樹氏は、「BRTは地域の足として定着しつつある。しかし公共交通、とりわけバス事業を取り巻く状況は極めて厳しく、バス運転手の高齢化、人手不足、さらに乗車人員減少といった課題がある。この実証実験により自動走行運転が実用化されれば、人手不足やコスト削減などが図られる」など、公共サービスへの自動運転技術活用に期待感を示した。